Q.それってあなたの感想ですよね?
A.はい、そうです。それが何か?

説明は以上です。

こんなもの、異論反論はあって然り。むしろ、自分の考えと異なる意見を聞くためのもの。色んな人の色んな意見があってこそ、コンテンツは光輝くのです。正解は5年後、10年後。後から見返してみて、「当たってる凄い!」と思うも良し、「てんで外れてるやん」で笑うも良し。現時点で答えは誰にもわからん事をああだこうだ言う事が面白い訳で。楽天のフロントとかホントわかってない。

指名された選手も、入団拒否しない限りはもうプロ野球選手の入り口、いや建物のエントランスぐらいには足を突っ込んでいる訳で、野球の実力に関しては引退するまで、あるいは引退してからもずっとああでもないこうでもないと言われ続けるのが宿命。ドラフトは、その一丁目一番地。指名された途端、ただの大学生のアカウントだったものがプロ野球選手のそれになってしまい、X(旧Twitter)のいいね欄も遡って全て見られて(晒されて)しまう魔境なのだから。…そんなの聞いてないよね。

…という事を意識して行動しないと、野球以前のところでトラブル抱えて終わったりもする。ほら、何人か頭に顔が浮かんでいるでしょう。そうならないように、1人でも多くプロの世界で大成してもらいたいもの。だから、こんな場末の立ち飲み屋の評価なんて気にせず頑張って。ね?

良い事が書いてあれば励みに、嫌な事が書いてあったら無視。占いと一緒やで。世界を変えるよりも、自分自身を変える方が万倍楽。

思想信条(19条)発言の自由(21条)は憲法で保証されています。お互い様です。まあ、気楽にいきましょうや。所詮は興行ですから。

マイルドな誹謗中傷は随時受け付けております。ハードなやつはノーセンキュー。性格悪いやつは大体友達。アララアラアララ(丘ラッパー)

コメント反映させるかどうかは内容によりますが、大体はイケます。私、器がデカいんで。あまりにも酷いやつは反映させないでスクショして寝かします。甲子園の雨傘企画で晒そうかな。イッヒッヒ。

お待ちしてますね。
いや、待ってないけど。

  球団別ドラフト採点【セ】


 中日ドラゴンズ 80点


まずは遊撃手の固定から


1位で即戦力野手(度会選手)に行った選択は悪くない。投手では高橋宏斗、野手では石川昂・岡林の世代をコアとしてチームの再建を狙う意図は感じる。問題があるとするなら、そこでの目利きと優先順位、そして取捨選択。


結果的にクジを外し、スカウトが推していた(らしい)草加(亜細亜大)投手を1位で獲得。故障さえなければイニングをきっちり食ってくれそうな、鉄腕タイプ。安心・安全の亜細亜大ブランドなのも立浪政権とは合いそう。今回の選択の分かれ道があるなら、ココ。


ハズレの時に、一周目から上田(明治大)内野手にいっておけば結果的にはそのまま獲れていたはず。その時、2巡目の頭で誰を選択したかは興味深い。草加投手が13番目の位置に残っていた可能性もなくはないので、責められるとするならここの立ち回りか。


5位のリリーフタイプの土生投手、6位加藤投手も、このコア世代の前後の年齢になるので、ここを分厚くしたい意図は感じる。後は指名された選手の結果(頑張り)次第。それと数は豊富な根尾世代次第。


4位では、中日の好きそうな左のパワータイプである福田投手を高卒唯一の指名。高橋・石川のコア世代の強化という方針はここでも一貫しているように見える。問題なし。


正直、戦力的に中途半端で個人成績でも足を引っ張られている格好の、柳・小笠原あたりのアラサー主力陣はFAで流出する可能性がある。FAまでに時間がかかりそうな梅津あたりまでを上限として、新生ドラゴンズとして若返りを図りたいという球団の意図は強く強く感じるところである。


🔶争点の遊撃手連発指名問題


全体13番目の2位で、高卒社会人の津田選手を指名。全体36番目の3位で、大卒の辻本選手を指名。


〈画像引用元『阪神タイガース公式YouTube』〉

阪神のコレからもわかるように、3位で津田選手を狙っていたフシはあり。全く関係ないのなら、わざわざ内々で見る用のホワイトボードに書き込む必要がないのだから。


4位で百崎選手が指名された時も「そっちか」という現場スカウトの発言もあり、遊撃手周りでの指名はライブ感が強かった模様。


この2球団が欲しい選手が投手も野手も軽くバッティングしていた可能性が高く、水面下で綱引きした結果、2位〜4位の指名順位に双方で影響したとみるのが妥当か。


どうしても中日が津田選手を欲しがった理由としては、『若くて身体能力が高く、そして頑丈』という辺りだろうか。昨年4名の内野手を指名したものの、そもそも二遊間タイプではなかったり、二塁手適正の方が強かったり、能力はあるけどフル出場(どころか一軍帯同も)が難しかったりと、現場が求めている選手とはジャストフィットしなかった可能性が高い。


高卒3年目で大きく飛躍した龍空も、打撃面では大きな課題があり、守備はともかく総合的にはレギュラーを保証できないという判断をされていたと考えられる。


来季に上位を狙うならば正遊撃手候補の獲得が喫緊の課題だという事は理解でき、3位では他球団に取られる確率が高い位置取りだっただけに、大卒投手よりも優先でそこを確保しにいったという選択ならおかしくはない。


少なくとも、13番目のカードに徳山投手を指名した2021ドラフトのベイスターズよりは遥かにマシな選択。


全体36番目の3位で、これまた遊撃手の辻本選手に重ねがけしてきたところは確かに不可解ではあるものの、3位とはいえほぼ4位指名となるウェーバー順最後(全体36番目)の位置。


もう、その時点で上位指名に相応しい(と中日が判断する)大卒投手の有力どころは残っておらず、腹を括って『パンチ力のある右打ち』遊撃手で更に層を厚くしたと考えれば、まあこれも理解できなくもない。


これで、来年のドラフトでは即戦力内野手指名は抑えても良い形ができ上がったので、明治大学の彼は回避したと考えられる。


細川・ブライト(鵜飼)の対抗となるようなスラッガータイプの外野手を獲得して両翼に配置、得点力向上を狙うも良し。根尾世代の右投手のように、高橋宏斗の同級生世代の投手陣(特に左)を厚く揃えるも良し。現状穴だらけではあるものの、地道にその穴を埋める形の指名だったとは言え、来年へ向けての戦略は拡がったのではないだろうか。


全体で見れば、育成を含めても1999年生まれ近辺の野手を乱獲。支配下では投手4名を指名と、数は問題ない。


草加投手が1年目から鉄腕ぶりを発揮できるか、下位指名の即戦力投手が一軍戦力(中継ぎ)で回れるかが近々の評価基準。そこをクリアして、なおかつ遊撃手の固定化も達成できてくると、一つ上の順位も見えてくるのではないだろうか。


ただ、意図はわかるものの、結果がどう出るかでガッツリ評価が変わる博打ドラフトなのも確か。1位でクジを外してからの選択が無難すぎるところ、下位指名では悪い意味での「中日らしさ」に不安を感じたので、採点としては80点の評価までとした。


…全体的に選手側からの縛りもキツく、中日の5位(折り返して)6位のところまでで、ほとんど有名どころは残っていなかったという点は致し方ないところ。


ここで当たりが引けていたかどうかは、各球団スカウトの腕の見せ所といえるのかもしれない。


 東京ヤクルトスワローズ 70点


​村上世代以下を揃える再建期


投手では、奥川。故障で未来が見えないけれど、奥川。兎にも角にも奥川。野手では、内山捕手、長岡あたりが中心となる形で層を厚くし、村上の海外挑戦前にもう一山作りたいという意図を感じるチーム編成。


その奥川投手の同級生世代が対象となる年という事で、否が応にもボリュームが出る指名になるはず!…かと思いきや、全体5名で選択終了と寂しい数で終わった。ここが下げポイント。ドラフト後の時点でも支配下枠はスカスカで、あと1〜2人増えても問題なかったように思えるのだが。


大学生野手が不作だった事もあるが、1位では是が非でも欲しい先発タイプの左腕(かつ神宮球場経験者の)武内投手でいくも外し、外れ1位で右の西館(専修大)投手に決定。


ドラフト前の評価では、専修・西館投手の評価は1位と2位のボーダーぐらい。近年なかなか当たりが出ない上、2部暮らしが長い“専修大”出身という事も虎の子の1位指名カードを使う上では、多少引っかかるポイントではある。


3位で、こちらも神宮球場経験者・左の石原(明治大)投手を指名し、即戦力かつ奥川の同世代を左右一枚ずつは確保したものの、想定通りの流れだったかは大いに疑問。


編成的にはかなりの偏りがあり、年齢構成はずっとイビツ。投手の数は多め。野手は内野が飽和状態で、捕手と外野手が少なめという事もあり、高校生の鈴木(常葉大菊川)捕手を4位指名したのは頷ける。


この手の中位野手指名をそこそこ当てられるのが、ヤクルトの良いところでもあり、上位の大卒・社会人投手指名でことごとく(前評判的にも結果としても)微妙な投手を取ってきてしまうのが悪いところでもある。


1位・2位が箸にも棒にもかからない訳ではないけれど、良いとこ『中継ぎエース』までにしかならない、という悪しき伝統。これがチームの台所事情を常に苦しくしている。これだけ投手1位が多いチームなのだから、せめて2〜3年に一度はローテ級の投手を当てたいところなのだが。


2位の松本(トヨタ自動車)投手は、ヤクルトでは久々のトヨタ出身者ルート。古くは古田敦也氏からの流れで潮流を変えられるか。実力は社会人屈指の右腕で折り紙つき。スプリット中心の投球スタイルで年齢的にも大きな上積みは期待できないタイプ。1年目からどんな形であれ、一軍登板を積み重ねたい。


内野手では、独立リーグから伊藤選手を5位で。守備は抜群との触れ込みで、まずはバックアップを目指してのスタートか。地道にステップアップできる下剋上タイプの雰囲気はあり。全く癖のないスイングは真っ白なキャンバスのよう。どんな色付けにも対応可能で、コーチとのマッチング次第では化けるかもしれない。


そつなく補強ポイントを抑えた指名とはなったものの、全体的にロマンとポテンシャルがイマひとつ。


ダブついた中堅投手陣を整理して新陳代謝を促進させる意図は感じるものの、指名数も内容も物足りず。補強は他球団の戦力外候補からという動きも見え隠れし、ドラフト採点としては控えめにならざるを得ない。


 ​読売ジャイアンツ 84点


その理屈はおかしい


ドラフト後、間もない時期に出た水野スカウト部長(どういうルートで決まったかわからない謎の地方CMに多数出演中)の発言が引っかかる。


「社会人選手は、育成では取れませんから」


……いや、制度上そうですけれども。


だからといって4/5が社会人選手というのは飛躍しすぎで、その理屈はすんなりと受け入れられない。15年前なら支配下の6位〜8位あたりで指名されていそうな高校生は、押し並べて育成指名。それ用の脱出ルートが毎年3〜4枠空いているならともかく、人数が多すぎる割に支配下脱出ルートが小さすぎて現状ではほぼ這い上がるのが無理ゲーと化している事を考えると、ますますドラフトの理屈もわからない。


何年か前から感じている事だが、指名している大学ルートが直近何代かの歴代監督出身ルートを中心として、それ以外の大学が片手で数えられるぐらいしかないという点。いわゆる名門大学、有名大学、地方の強豪大学などの名前もほとんど見かけない。大体いつもの面々。


仮に読売球団から支配下指名されたとして、その後の顛末を考えると気持ち良く送り出せないチームだと大学側に捉えられていれば、当然嫌う大学(あるいは高校でも)が複数あってもおかしくはない。必然的に、自由に指名できる大学が限られているのでは…という疑念もよぎるところ。


大学よりは組織としての力も弱く、校数の多い高校チームは指名しやすいともいえる。毎年プロを輩出するようなチームはともかく、10年に一度あるかないかというようなチームなら思う存分に雑な扱いを仕掛けられるだろう。反面、突出した高校生がゴロゴロといない、今年のような大学生中心ドラフトの場合、ルートが限られていると露骨にその結果が出てしまいがち。


直接は無理でも、経歴ロンダリングがなされた社会人選手なら大丈夫、という理屈は筋が通るし、これは割とよくある話。


故の、社会人大量指名なのでは?


あえて、豊作といえる本年の上位指名枠を、器のデカそうな大学生がまだ何人も残っていた2位の段階で、そこを回避してまで解禁年でもない社会人投手にいく理屈は到底理解しがたい。


まあ、そんなに欲しい選手だったなら2年前に指名しとけよという話でもある。(当時、縛りがあったにしろ)他も取らなかったのだから、指名漏れになった訳で。言ってみれば『その時点では、そこまでの選手』という評価だったものが、この2年で爆発的に伸びてプロの世界で1年目からゴリゴリ活躍できるほど成長しているのものかと考えると、そこも疑わしい。


育成の高校生4名、独立の2名、大学生1名などを加えてバランスシートに並べてみると、それはそれは美しいバランスのシートにはなるのだが、このバランスシートを下支えする育成選手を何人支配下に上げる気あります?と感じてしまう『獲って終わり』の状況が酷い。


昨年は育成落ちを除くと、支配下に上がったのが昨年「育成1位」の松井投手しかいない惨状。それも昇格は春先。三軍の育成なんて、まるで関係ない時期である。かといって他球団から読売の育成選手が草刈り場になっているなんて話は聞いた事もなく、三軍制が有効に機能しているとも思えない。


全てフロント(前全権GM)の自業自得が招いた状況なのかと。


年齢的にもポテンシャル的にも、プロスペクトと呼べるような存在は、1位の西館投手しか見当たらない。本当にスケール感に乏しい指名内容。


2位森田投手、5位又木投手は、手薄な左の中継ぎタイプ。ちなみに、来年数えで28歳と26歳。開幕からバリバリやってもらわないと困る年齢。


ようやく台頭してきた、正遊撃手候補の門脇と中山の対抗馬を取って更に刺激を与えるという手法はやぶさかではないものの、それが門脇選手よりも年上である4位・泉口選手というのはどうだろう。定石では、下を狙うはずなのだが。この辺りが『なら2年前に取っとけよ』指名の典型。


比較的納得できるのは、お抱えルートである日立製作所から3位指名された、俊足好守タイプの佐々木選手ぐらい。いるにはいるが高齢化が顕著な外野陣なので、この手のタイプは必要なパーツ。だが、(本人との決め事の内容は知らないが)他球団がこれ以上の順位で獲った可能性は極めて低く、現に読売の3位〜4位の間で指名された外野手は宮崎(山梨学院大→日本ハム③)選手のみ。若干の高値掴み感は否めない。


岡本選手がいる間に是が非でも優勝したいという気概は感じるものの、早ければ3年後にでも『大失敗ドラフト』になり得る危うさはある。なんなら来シーズンオフにでも結果が出てしまう即効性の強いドラフトで、指名された選手のプレッシャーたるや。心中、お察しするところも。


本当に時間がなく、2年連続Bクラスという散々な結果にとてつもない焦りを感じる、という事はひしひしと伝わる指名内容だった。


【1位競合を2年連続で制し、先発ローテに入れる大器を獲得した】という点を大きく評価して、この点数。ただし、2位〜3位の立ち回りで、もっと点数を上げられたのは間違いない。1人2人社会人が混じるならともかく、あまりにも近視眼的だったように見える指名内容は残念の一言。


育成含めて、指名人数をもっと絞って、しっかりと獲った選手のケア(引退後の世話だけではなく)を行いながら“適正な競争状態”を作るのが一番良い形に思えるのだが。ここ数年の原体制は、選手のやる気が生きないシステムにしか見えない。FAで獲るなとは言わない。球界の盟主としての立場も色々あるのだろうけど、他球団の戦力外になったロートルを一旦引き受けるのは枠の無駄だからやめた方がいい。井納型の同リーグ嫌がらせ年金FAも然り。成功してないか、むしろそれで枠を潰してセルフ弱体化しているのだから。


獲った選手をきっちり育てて戦力化していく事でドラフトが健全化され、アマ球界との関係性も改善していくのでは。


薄暗い東京ドームから抜け出して新球場を作るなんて話も出てきているが、ハード面だけでなく、ソフト面・システム周りの再構築をいよいよ考える時期にきているのでは、と老婆心ながらに思う。


強き、憎きジャイアンツがいないと、なんだかんだ盛り上がらないところもあるのでね。色々と一筋縄ではいかない球団なのだろうけど、新体制はクリーンに頑張っていただきたいもの。


 横浜DeNAベイスターズ 94点


競合に特攻し、最大の成果


3球団競合で、今年の野手1番人気・度会外野手を獲得。得点力不足解消へ向けて、これ以上ない一手といえる会心の指名。


高卒3年目の21歳という若さ、天才的な打撃センスに明るすぎるスター性も合わせ持つキャラの良さ。1位だけでも80点以上をつけてもいいぐらいのベストマッチ。


2位では、右横手のクローザー候補・松本投手を指名。最上級生の成績は奮わなかったものの、下級生時代の実績や投球内容からすれば1位級の投手なのは間違いない。他球団の2位〜3位指名を見ても、2位指名での選択肢は3つぐらいしかなかったと思われ、選んだ道を信じる他ない。


ただ、ここでの選択がどう結果に出てくるか。


3位で、二刀流にしてU-18の4番も務めた武田投・外野手を。この順位で取れたのはラッキーというしかない運命の巡り合わせ。主砲タイプではないものの、将来的に野手レギュラーは確実に狙える外野手のトッププロスペクトを確保。本人希望の二刀流も是非挑戦させたい逸材。


4位では、石上遊撃手を。こちらも補強ポイントの遊撃手、それも即戦力候補の大学生。森、林ら左打ちの遊撃手で被りがあるのは致し方ないが、あえて左打者を集めた節もあるので、まあまあ…という感じ。安定した守備力と走力が高いのはポイント。機動力を底上げしたい意図を感じる指名ではある。


5位で、大学生の右先発候補・石田投手を。読売1位の西館投手と同じ中央大で、彼の陰に隠れる形ではあったが安定感のある好投手。地元出身でベイスターズファンというのもマッチ。大貫のような活躍を期待したい。


6位で、独立リーグ最強打者の井上内・外野手を。メインはセンターとサードで、どちらもチームの補強ポイント。小柄だが小力があるタイプで、豪快なスイングから長打が期待できる点は買い。走力も高く、盗塁が期待できる選手というポイントも一貫している。


加えて、支配下で欲しかったものの取りきれなかった「左の大卒投手」は、育成で庄司(青森大)投手を。高卒スラッガータイプでは、山本捕手の後輩・小笠原(京都翔英)選手を。伸び悩む、小深田への同タイプの刺客としては、高見澤(敦賀気比)選手を、と隙がない。


ここまで、やれる事は全てやったという指名で、後は結果を見るだけ。特に文句のつけようもない指名ではある。


あえて難癖をつければ、なかなか当たりを引けない投手2位の立ち回り。ここで取れたであろう他球団の選手よりも、松本投手が活躍してくれれば100点に近い結果となるのでは。


 ​広島カープ 91点


投手は満点、野手は…


公言していた、常廣投手を競合で獲得。


右投手では全体1位か2位の評価である本格派投手をしっかりと確保し、もうこれだけでも及第点。チームとしての弱点である投手力をしっかりと補強。指名数の4/5を大学生投手で占め、右

2枚左2枚でいずれもスケール感があるタイプで固めた。投手に関しては言うことなしの指名。


中でも、左投手の二番手グループである高投手を2位で、滝田投手を3位で連続指名したところはシビれた。滝田・赤塚(5位)両投手は多少時間がかかりそうな素材型という気もするが、他球団からしてみると「そこを重ねがけするか」と思ったのでは。そもそも、右の河野・左の玉村といるところへの重ねがけなので、98年生まれ世代以来の期待がかかっているのは、バランスシートからも伝わってくる。


そして、この選択が、多少なりとも他球団の編成にも影響を及ぼしたと言えなくもない。


昨年が野手中心ドラフトだった事もあり、今年は投手ドラフトでバランスをとった感はあるが、高校生スラッガータイプの仲田(4位)選手が唯一の野手指名。


ブレイクした末包と同タイプで、彼よりも10歳近く若く、昨年獲得した内田選手とも若干異なるタイプ。4、5年で頭角を表してくれば御の字といったところ。じっくり大きく育てたい素材。


ただ、リーグ3連覇の主力世代からすると一回り以上差がある年齢の右打者が台頭してきていない(候補も手薄)のもあり、比較的即戦力に近い層にも行きたかったけれど、ピンズドの野手もいなかったと考えるべきか。あえて、廣瀬(ソフトバンク③)選手のようなタイプを回避してでも投手に全振りした勢いは評価に値する。


人数的な物足りなさは残しつつ、大台突破の90点までとした。


 阪神タイガース 87点


​地味に上手い立ち回りで及第点


ここ数年のドラフトで神がかった成果を出している阪神。その成果が38年ぶりの日本一という結果に現れている。


大山・近本世代を中心に黄金期を築きかけているのも、この世代から上の中堅〜ベテラン勢を一掃して若返りを図った事も一因。バランスシートを見ても、その若さと戦力バランスの良さは12球団屈指。強さの根幹は、投手の目利きの良さと育成力。


今回も、村上投手の成功例を参考にしてか、1位入札で似たようなタイプの下村(青山学院大)投手を一本釣り。本人、周囲共にそこまでの評価とは思っていなかったようだが、阪神かオリックスならモノにしてしまいそうな補正感覚はある。


2位〜4位のところは、正直中日との駆け引きを感じる指名内容。直前の“全体22番目”でロッテが独立の大谷投手でいった事で、23番目を椎葉投手で釣られたような形もあるのかも。ただ、津田(中日②)と椎葉(阪神②)は両チームが干渉し合った関係の末…という感じだったので、上位リストの中から一人ずつを取り合ったとみるのが妥当な線。


3位・4位で、高校生遊撃手の山田(仙台育英)選手と百崎(東海大熊本星翔)選手を連続指名。阪神的には、3位で津田選手と4位で山田選手という形で、少し年の差があるセットを獲得したかったのが基本線だったと思われるものの、2人とはタイプの違う打撃型の百崎選手を4位に持ってきた事でリカバー。百崎選手は、やや昨年の戸井選手とも被るところがあるが、編成的に大穴がない現状で、次世代の内野手レギュラーを育て上げたいという方向性は垣間見えた。木浪ー中野のラインも今が黄金期だともいえ、二遊間の適正年齢としては言うほど若くはない。仕込みは大事。


特筆すべきは、各球団の特色が色濃く表れた5位以降の立ち回り。1位下村投手と2位椎葉投手は同い年。ここに、更に同世代の5位石黒投手、6位津田投手を重ねがけする剛腕ぶり。現役の西純矢、左腕の及川、富田と合わせると、この世代で7名を固めたのは圧巻というしかない。


森下・小幡世代は支配下投手ゼロなだけに、目利きに対する絶対的な自信の現れといえる。


と、同時に現在の黄金期を築いている大山世代の下に、投手では村上・桐敷、野手ではサトテル・森下世代あたりに次のコアを用意しておく周到さとも見てとれる。ここでの戦力移行がスムーズにいけば、何連覇とまではいかないまでも、向こう5年はAクラス確定ぐらいの安定感が得られそう。それぐらい大きな穴がないし、ファームはファームとしてしっかりと機能している、理想的な状態が今。


ただし、全体で補正(希望的観測)抜きにして冷静に見てみると、なかなか大当たりが出にくい『独立投手』や『高校生内野手』という挑戦的な分野に上位指名を振っているのもまた事実。そこで数年当たりが出てこないようだと、徐々に歪みが表出し、安穏としていられない状況になるかも。


答えはすぐにわからないものの、その不確定要素に対する一抹の不安と、阪神の醍醐味である野手1位ドラフト時のワクワク感を割り引いた形で、今年は80点台後半まで。


来年は、待望の『外野手(右打者)1位指名』かな?阪神ファンではないけれど、ワクワクが止まらない。(※鳥谷二世の線も否定はしません)




1位競合も多く、7度の抽選もドキドキ感満載。くじを外れた球団も、そこまで悲壮感は感じなかったのは豊作さゆえ。


2位〜4位までの立ち回りと、5位以降でのスカウト陣の自己主張の強さ。


様々な見応えがあり、良いドラフト、面白いドラフトであったのではないでしょうか。


① DeNA    94点

② 広 島    91点

③ 阪 神  87点

④ 読 売    84点

⑤ 中 日    80点

⑥ ヤクルト 70点


平たく言えば、好みの問題。

大逆転は可能。みんなファイトだよ!


次回はパリーグ編です。