※以下は2022年2月25日 
息子が産まれた当日に書いた日記を
加筆して投稿しています。

自身の備忘録としての投稿ですので
所々にお産中の生々しい表現があります。

もしお読みくださっている方で
不快な気持ちになったらすみません。
苦手な方は予めご注意ください⚠️



当日までの経緯について


今月の3月7日が予定日でしたが、

38週の2月22日(スーパー猫の日)に

計画無痛分娩で産む予定でした。


産後は夫と二人(平日ワンオペ)で育児にあたるので、

産後の回復が比較的早い無痛を選んだのですが

私の子宮口の開きもまだ浅く、

子も子で外に出る気がまだなかったらしく。


まさかの分娩促進剤に身体が反応せず

全く陣痛がこないまま22日が終了してしまい…


しかも残念なことに、

私の産院は土日祝は無痛分娩非対応。


(土日が非対応なのは知っていたけど祝日も、

というのは知らされていなかったw) 


22日の翌日23日は祝日のため無痛分娩不可

24日は既に別の無痛分娩の予約で満員

可能となるのは25日のみ。


しかし、25日に生まれなかったら

翌25.26日は土日のため無痛分娩不可、とのこと。


元来痛みに弱いこともあり、

絶対に無痛分娩が良かった私。


残るは25日しか無痛分娩の枠がない…!

と急遽最大のピンチに立たされました。


あんなにも妊娠初期から

無痛分娩を希望して早めに予約もしていたのに、

ここにきてなんと80%の確率で普通分娩に…(絶望)


しかもすでに22日に無痛分娩用の麻酔も

分娩促進剤も打ってはいるので、

無痛分娩の追加料金も支払った上での普通分娩…!


…ということで、

先生にも25日がラストチャンスだよ!


と脅かされながらも25日の

ラストチャンス&リベンジマッチを待つことにえーん





25日当日、産まれるまでの記録✍️




6:00頃


部屋に助産師さんが訪ねてくる。6:30からNSTのため、身支度をしてモニター室へ。この時点で前駆陣痛は7~8分間隔。昨日よりもお腹の張りが強い。スタート地点からもはや痛い。22日とは違う!

7:20頃


NSTを終えてLDRへ。先生が到着。内診してもらうと子宮口の開きは4〜5cmのため、ラミナリアやバルーンといった子宮口開大処置の必要はなし。そのまま誘発剤の投与をスタートさせることに。先生が内診する際の子宮口ぐりぐりの痛みもはや皆無、ここにきてやっと痛みに慣れてきた。

7:30頃


分娩誘発剤がスタート。22日に全く効かなかったトラウマがあるので効くか不安。。。

8:30頃 


痛い。普通にお腹がいたい。分娩促進剤が効いてる!ここでさらに促進剤の投与量を増量。痛みの間隔がどんどん短くなってきた。よしいいぞ!


9:00頃 


朝一番の内診を担当してくれた先生とは別の先生が到着。(この先生が担当してくれるといいな~)と初めて思った年配男性の副院長先生。到着してすぐに麻酔の準備をし始めてくれる。


9:15頃 


陣痛を促進させるため人工破膜。先生が強制的に破水させる。破水した瞬間、生温い水がバシャバシャバシャ~っと股に漏れてくる。これが破水…!?冷たくないんだ。あったかい。お風呂のお湯みたい。体内にある羊水なんだからそりゃそうか。なんで今まで気づかなかったんだろ。


9:52頃


テストの麻酔投与が開始。この頃には生理痛の痛みを10段階中3とすると、それは超えて10段階で4くらいは痛い。


10:05頃


テストの麻酔がききはじめる。私は麻酔の効果が現れるのがどうやら人よりは少し早いタイプのようで、「もう効いてきたの?!」と先生驚く。お酒が弱いタイプは麻酔が効きやすいなんていいますよね~と助産師さんと先生と談笑出来るくらいには一応麻酔は効いてる模様。


10:10頃


先生が内診をする、子宮口の開きはこの時点で5cmとのこと。朝と変わりない。どうしよう、変わってないぞ…と不安になる。


10:30頃


助産師さんが「アロマの香りや音楽など、何か好きなのあったらかけるし遠慮なく言ってね〜」と言ってくれたので、こっそり持ってきたSMAPのベストアルバムを照れつつ差し出す。



以前バースプランの「アロマや音楽の持ち込み希望について」の欄は空白で出したのに、いざとなったら持参する姑息な私。


なんでSMAPかと言うと、年末に一斉に断捨離した結果、CD類はほとんどBOOK・OFFに売ったので残っておらず。


何故か残してたのが以下4つ。


  • 矢沢永吉ベストアルバム
  • 安全地帯ベストアルバム
  • DAPUMPベストアルバム
  • SMAPベストアルバム


なので「これお願いします!」と差し出した時に一番恥ずかしくないSMAPを消去法でチョイス。


1曲目の「らいおんハート」のイントロが流れ始めた瞬間、私含めその場にいた助産師さん(40代、20代)と私 (30代)全員が「うわ~!やば~!」とそのエモさに胸熱。今日初めて一体感を感じた瞬間。


私はBGMをお産中に流したいという希望は全くなく、むしろ流したい派の心理があまり理解できなかったのだけど、今回で流すことのメリットがわかった気がした。


特に私のような初産婦の場合、先生や助産師さんによって行われる全ての処置が未知のことなので恐怖心が強い。経産婦だと1度経験しているから、ある程度予想がつくことも初産婦は全然分からない。


そんな時、(これから何されるんだろ、どれくらい痛いんだろう…!涙)という未知のことに対しての恐怖心を和らげるのが、既に日常から聴きなれた歌のメロディーや歌詞だったり、そのアーティストの声なんだなぁ、と実感。


事実、未知のものを既知のものが和らげてくれる効果は絶大で、私自身未知な痛みが怖くて仕方なかったけど、小中学生から聴きなれたSMAPのメロディーや、キムタクのちょっと独特の歌声を聴くと凄く安心した。


そして、これは予期せぬラッキーだったけど、全国民がだいたい知っているSMAPをチョイスしたお陰で、お初の助産師さん達とそれぞれの推しの話で盛り上がったし、その談笑を皮切りにお互いへの親密度が増して、結果お初の助産師さん達への信頼度も大きく変わった。


YAZAWAをチョイスしなくて心からよかった…!多分LDR室の中がロックンロールとは反比例して、お通夜のようになっていたと思う。


11:00頃


先生の内診で子宮口7cmと言われるも内診時の痛みはほぼゼロ。陣痛も膀胱おされるような刺激のみで、子宮口や下腹部の痛みはほとんどなし。この時点で陣痛の間隔は2~3分。間隔がどんどん狭まってきた…!いい感じ…!

11:30頃


麻酔が効いてるからか痛みがほとんど無く、眠くてうとうとできてしまう程。ただ、陣痛が来た時には膀胱をおされる刺激がどんどん強くなる。促進剤が効いてる…!

12:00頃


子宮口全開 10cmで前回まで開いている、とのこと。これが10cm…!痛みはまだ耐えられる程度。10cm開いてて耐えられるなんて麻酔すごすぎ…!

12:30頃


と、上記のことを思った矢先。

麻酔足りなくなり死ぬほど痛い。噂に聞く「おしりが痛い」という状態が予想以上の激痛で言葉が出ない。20代の方の助産師さんが「〇〇さん…!これをッ!」とテニスボール🎾をパスしてくれる。

これが噂のテニスボール!他人の出産レポを読む度に何で🎾なんか使うんだ…?と不思議に思っていたけど、手渡されたテニスボールを助産師さんの指示通りにおしり(というか肛門)に充てがう。

(はいはいはいなるほどね!テニスボールを使う意味というのはこういう原理か…!百聞は一見にしかずーー!っていうかまじで死ぬほど痛い〜!)

と思いながらも、あまりの激痛に息が出来ない。麻酔の意味とは…?!

先生「今、麻酔効いてないけど、でもそれでいいんですよ。麻酔が効きすぎると陣痛遠のくからね。にしても痛いでしょ。これが本陣痛ね。さっきまでの前駆陣痛との違いがこれでハッキリ分かったでしょ。これが陣痛の始まりですよ~!はい頑張って〜!普通分娩は、この痛みを陣痛のスタート地点としてここから皆さん12時間コースだよ~!」と笑顔。

あああああああ…!

13:00頃


「痛みが10段階のうちの5くらいになったら追加の麻酔を投与するね」

と先生が言っていたので、その言葉を信じて「先生…!これは明らかにさっきまでの4は軽く超えてます…!4とか5どころじゃないです…!」と申告、追加の麻酔を用意し始める。

(いやまてまて、この時点で用意し始める、じゃもう遅いのよ。効き始めるまでに15~20分かかるのだから~!)

現時点での陣痛の感覚は2〜3分。ということは、また次の本陣痛の波が2.3分後に来る。麻酔が効くまでに最低でもこの痛みを7回は味わうのか…?!と痛みに悶えながら頭の中で絶対しないほうがいい計算をしてしまう。

13:15頃


麻酔が効いてくる。ちょっと痛みが和らぐ。しかしながら和らぐのもほんの一瞬で、2.3回ほど痛みの波を乗り越えると次の陣痛が来る頃には、今の麻酔の投与量では太刀打ちできないレベルになって押し寄せてくる。

先生が内診する。頭が降りてきているとのこと。しかしながら子宮口の出口に頭がちょうどかぶっている箇所があって、そこが当たっているから赤ちゃんが旋回してくれないと出てこれないらしい。

内診でもう限界まで先生が手を突っ込み、赤ちゃんを回そうとする。なんてパワープレイなんだ…!と思っていると明らかにまた痛みが増える…!

激痛すぎて麻酔なんて微塵も効いていないのがわかる。赤ちゃんの頭が子宮口のところまで来ている感じもわかる。恥骨もおしりの骨も肛門も骨盤もありとあらゆる骨が痛い。

よく出産レポで見る骨が痛いっていうのはこのことか!と思いながらも、次の瞬間。あまりの痛みに全身がワナワナと震えて号泣。脈拍も乱れ、血圧も下がり、私死ぬかも…!と本気で思う。

麻酔…!麻酔はどうなってる!なぜ効かない!っていうか、無痛分娩?!これが?!無痛分娩の〝無痛〟とは。

「もういきんでいいよ、その方が辛くないなら!」と助産師さんに言われいきむものの、いきんでも、いきまなくても激痛。涙と全身の震えが全く止まらない。

思わず先生に「麻酔全く効いてないです…!麻酔追加してください…!!もうこれ以上は本当に無理です…!全然無痛分娩じゃない…!涙」

と、なぜ麻酔を投与しないのか理解ができず、号泣しながら先生に懇願するわたし


※補足

先生にお詫びされたけど、どうやら麻酔の投与量の調整がすごく難しかったらしい。というのも私の場合陣痛が自然に発生してからの麻酔投与での無痛(和痛)分娩はなく、計画的に無理やり陣痛を誘発して出産するやり方のため、麻酔の投与量をちょっと甘くしてしまうとそもそもいま誘発剤で無理やり起こしている陣痛が遠のいてしまうそう。

土日は無痛分娩の対応を行っていない病院のため、今日を逃すと自然分娩になってしまう私を慮って、確実に産まれることを優先してくださるあまり、麻酔の投与量を1番痛い旋回して降下するという瞬間に切らしてしまったそう。

「1番痛くてしっかり効かせてあげたかった場面で麻酔を効かせてあげられなくてごめんなさい。」と先生が1番悔やんでいたのを見てとても申し訳なくなった。そもそも今日産みたいのなんて無痛分娩を希望する私の意志に沿ってくれてるだけだし。
 

14:00頃 


今まで麻酔が効いていなかった分、麻酔を強い別の種類のものに変えてもらい投与開始。10分後には少し楽になる。お腹の張りのスタートに合わせていきみを開始。分娩台の上で大きく息を吸って、フンっ!と止めて、腰を浮かせて自分のお腹を見る。そして止めた息が限界になったら全部吐き出す。

を、1回の陣痛で3回繰り返す。陣痛が2分間隔の波でやってくるので、その度にひたすらにこれを繰り返す。多分合計この作業を50回はやった。

バースプランに、「とにかくスパルタは嫌なので褒めてください」と希望を書いていたからか、みな声を揃えて「いきみが上手!すごいね、すごいね!上手だよ〜!」と声をかけてくださる。

全然たらないよ、もっともっと!舐めてんのか!根性みせんかい!なんて言われるよりも100倍頑張れるから、恥を忍んで「褒めてください」と書いといて大正解。(助産師hisakoさんのYouTubeにて、バースプランにはそう書け、とご紹介されていた)

14:30頃


いきみも佳境に。どうやら相当下まで赤ちゃん降りてきているらしい。股に頭が挟まっている感覚がある。出したい。特大の便意が今にも出そうな感覚。何度も陣痛の波に合わせていきむも、まだ足りてないみたい。

副院長先生が、「おかあさん、あともう少しなのだけど、胎児の心拍数も心配だから吸引分娩にしますね。で、それに伴って会陰切開しちゃいますけどいいですか?」

バースプランに出来れば避けたいと書いてたけどそんなこと言ってる場合でもないので勿論お願いします!と伝える。するとすぐさま別の先生やら助産師さんやらが3人ほど追加で部屋に入ってくる。

1人は私のお腹を上から押さえつける係、もう1人は会陰をザクザクと切る係、最後は赤ちゃんの頭を吸引する係。

会陰切開が怖くて仕方なかったけど、麻酔がやっと効いてきたのでザクザク切られてる感じがわかるものの痛くはない。というか、本当は旋回時に麻酔が効いてて欲しかったが、結果会陰切開になったのでこの時点で効いてて本当に良かった。

とにかくすごい力でお腹の上を押さえつけられ、ザクザク会陰を切られながら吸引され。それに合わせて死ぬほどいきみ続ける。

「赤ちゃんの頭が見えてます…!おかあさん!赤ちゃんもうすぐだよ…!頑張って…!」

と助産師さんと先生が声をかけてくれる。あと少し、という言葉を信じてもう無我夢中でいきむ。

もうすぐ我が子に会えるというこの期に及んでも、病院に入院してからずっと思ってる

「果たして無痛分娩の〝無痛〟とは…!これが果たして無痛分娩なのか…?!そりゃ完全なる無痛なわけないのは理解してるけど、実際は死ぬほど痛いじゃん!嘘つき!みんな嘘つき!ひどいよ〜!」

という悔しさと、これまでの痛みのつらさから涙が止まらない。

14:55


最後の最後、身体に残る最後の力をかけて最大級にいきむと、急にお腹から何かが抜け落ちていった。呆気なかった。呆気なくてびっくりした。でも抜け落ちた瞬間、自分でも「あ…!出た!産まれた…!」と、はっきりとわかった。

それと同時に自分の股の間から、助産師さんが受け止めてくれた赤ちゃんの顔が一瞬だけ見えた時、やっと終わった開放感や、無事産まれた安堵から今日一日の中でいちばん感情が高ぶった。一瞬で涙と嗚咽が出た。

我が子の顔を直ぐに見たいけど、諸々の処置が先で全く姿が見えない。どんな顔してるんだろ…?!と気になっていたら、姿を見るよりも先に我が子の初めて発する声を聴いた。

(わ…ないてる!本当にお腹にいたんだ…)と月並みなことを思った。声は聞こえるけど、顔も身体もまだ見えない。

分かっているのは2022年2月25日14:55 息子が生まれたっていうこと。

そして、1987年12月28日14:55 これは34年前私が生まれた日で、親子2人揃って奇しくも同じ時間にこの世に生まれたっていうこと。たったそれだけだけど、きっと仲良くなれるかもなって思えた。

15:30頃


会陰切開部分の縫合が終わり、赤ちゃんの処置もある程度終わり、私の横にお待ちかねの息子がやってきた。まるでホストクラブの人気No.1ホストがやっと自分の席に付いてくれたような、待ちわびた気分。ホストクラブ行ったことないけども。


待ちに待った親子の初対面の瞬間。





実は妊娠してからというもの、何度もこの漫画を読んだ。読む度に感情移入しては泣き。この漫画のタイトルどおり、息子と初めて会ったらなんて声をかけよう…とこの8ヶ月ずっと考えてきた。



でも思わず出た言葉は、「わ~!ちっちゃ!」


あれだけなんて声をかけようか考えてたのに。はじめまして、とか、会いたかったよ、とか、こんにちは、とか。ようこそ、とか。


実際は「わ〜!ちっちゃ!」思わず口をついて出てしまった。台無し。


まさに、「それってあなたの感想ですよね?」ってやつ。わが子への声かけでもなんでもない。最悪。しかもそれ以降声もかけれずにただただ我が子を目に焼き付け、必死に顔や表情を見ることで一生懸命。感動の涙なんて1ミリも1ミクロンもでてこない。


むしろ、「なんだなんだこの生き物は…!?わわわ、こっち見てる…!わ、生まれたばっかなのにもう目が開いてる!なにこれ!私の事見てる…!」


が、リアルな感想。趣も情緒もへったくれもない。感動よりも未知の生物に出会ったドキドキワクワクのみ。


本当は「やっと会えたね…!ずっと会いたかったよ🥲(涙ほろり)」みたいな、全米が泣いたくらいの感動シーンを何度も夢見たり想像してたのだけど、実際は全く違った。


でも、なんて言うか、すごく小さくて可愛かった。未だに自分のこども、という存在であることがにわかには信じられない。不思議。


ただ、会陰ももう麻酔が切れてかなり痛いし、背中は硬膜外麻酔の後遺症で曲げれないし、熱は38度あるし、悪露は止まらないし、出血が1,000㎖を超えて多量のためまだ処置が必要だし、で、間違いなく自分が産んだのだけど、自分の血を分けた存在がこの世にいることがやはり不思議で仕方がない。


その後はバースプランに書いていた「胎盤がみたい…!」という予てからの希望どおり、綺麗にした後の胎盤を見せてもらい、記念に写真をパシャリ📸


感想はというと、まさにウォーキングデッドそのものだな、という感じ。率直に「あ、本当に内臓っていうか臓器なんだな…」と納得。今まで大変お世話になりました、胎盤よありがとう。


私とは違って、胎盤を見たいとは一切言っていない夫にもLINEで写真を送り付け。それを見た夫は悲鳴をあげていた。


そんなこんな後処置を受けながら4時間もLDRで休ませて貰ったお陰で、自室に戻る時は用意されていた車椅子は使わずにスタスタ歩いて帰れた。これだけ文句言いつつも、無痛分娩の恩恵は受けてはいたんだな…と反省。


書きたいことはまだあるけど、文字数超過になりそうなので一旦ここで。


(以上、2022/02/25 出産直後に書いた記録)