二人は、事を終え肩を並べて横になっていた、
孝志は、エッチの主導権を持ちたい方で、男性自身の愛撫の仕方を菜奈美に伝授した、
菜奈美も言った通りにしてくれる女性で、
孝志は満足しているし、満足している気持ちを伝える様にしている、
そして、菜奈美にも満足して欲しい、
だから菜奈美の反応が気になる、
これでいい?
とか、気持ちいい?
と問いかけても菜奈美の反応は薄い、
まだエッチに慣れてないからかな?
菜奈美の女性自身を触っている時の表情を孝志は確認してみると、
陶酔した様ないい顔をしているから、
感じているとは、思うけど、
と孝志は思い、まだ二度目、三度目だし開発途上だよな、と思う事にした、
孝志は、自分勝手なエッチができない性分で、
相手の女性の気持ちが凄く気になる、そのくせ、
しつこく問いかけるのも気が進まない、
孝志は、おもむろに菜奈美の方に寝返り、
菜奈美の胸元の掛け布団をそっと持ち上げ、
体を菜奈美に添わせて、菜奈美の胸元に潜り込んだ、
甘えたい、
菜奈美の柔らかい胸にそっと頬を乗せる、
掛け布団の中の薄暗い中で孝志は瞳を閉じた、
すると掛け布団の外から菜奈美の不思議そうな声が、
「出ておいで」
孝志は意外な菜奈美の言葉に、
「重い?」
どうやら、菜奈美は孝志の行動を不思議がっている様だと、
孝志は思い、
「こうしてると、落ち着く」
と呟いて、孝志はそっと菜奈美の胸から離れた、
甘えるのをやめてしまった、
菜奈美の不思議そうな声にあまり甘えてはいけないのかなと思ったから、
思いが大き過ぎると、菜奈美の負担になる、
孝志は何の気なしに言った、
「シャワー浴びて出ようか」
ホテルを出て孝志は車を運転しながら、
菜奈美の様子を伺った、
相変わらず無口で、高潔な横顔はお姫様の様だ、
孝志は菜奈美に甘えたいのに言葉で甘えたいと言えなかった事をふと思い出して、
そう言えば今までも女性に甘えたいなんて言った事ないよな、
と思い返して、
やっぱり、男って痩せ我慢しながら生きていくしかないのかなと、
改めて思い、
「たぶん、五時くらいには、大袋駅に送れると思うよ」
孝志は菜奈美のお家の最寄駅に着く時間を言って、
親に内緒で会ってるし、
菜奈美の負担にならない様にしないといけない微妙なタイミングで、
菜奈美をずっとそばに置いておきたいから、
まだ、しばらく気を使わなきゃ、
そう思いつい、孝志も無口になってしまった、
体の関係になったがどこか近寄りがたい菜奈美の雰囲気、
孝志は自分の心細さを隠している。
つづく。