孝志は、これ以上責められると、終わってしまいそうなので、

「そろそろ始める?」

そんな漠然とした言葉でも菜奈美は、何を始めるのか分かっているようで、

硬いそれをくわえるのをやめて孝志を見つめる、

孝志は枕の下からゴムの入った袋を出して、

「付けてみる?」

と菜奈美に問いかけると、菜奈美は小さく頷いてその袋をそっと取って封を開けて、

ゴムをつまみ出したが、一瞬躊躇する表情があり、

孝志は背を起こし、菜奈美の手元に手を差し出すと、

菜奈美は、ゴムを孝志に返す、

「見てて」

孝志はそう言って、付け方を菜奈美に見せる、

「裏返して巻いてあるから、表裏を間違えなければ・・・」

孝志はそう言ってゴムを伸ばし終えると、菜奈美を見て頷く、

すると、菜奈美はベッドに横になった、

孝志は菜奈美にキスをしながら、

前回、あんなに痛がっていたのに、それでもこうやってホテルについて来て、

男に身を委ねる、

女性の使命感のようなものがあるのかと孝志は深読みし、

孝志は女性の性の深さ、不思議さを感じた、

菜奈美の体を隅々まで愛して愛撫すると、

菜奈美の体はそれに応え、よく濡れている、

孝志は背を起こし、挿入する体勢になり、

「入れるよ」

と菜奈美に声をかけると、

菜奈美は小さく頷いて孝志を見つめる、

不安気な表情だが、孝志は菜奈美の下半身に視線を移し、

孝志はそっと入れ始めると、やはり菜奈美は我慢し切れず腰を浮かせて逃げる、

孝志は逃げたら入れられない、と言いたい気持ちになったが言わなかった、

それに痛く無いようにそっと優しくしているから、菜奈美に逃げる暇を与えていると思い、

持ち上げた腰がベッドに戻ってきたので、

孝志は思い切って勢いよく入れるしかないと思い、

菜奈美の両側に開いた自分の膝や腰の位置を整えて、

菜奈美のそこへ押し当てたと思うと、一気に押し込んだ、

「痛い!」

と絶句しながら、

菜奈美には激痛が走った様で、菜奈美の腰が上や左右に暴れる、

孝志は、菜奈美に覆い被さり、右腕を菜奈美の首下に通し肩をホールドして、

そのまま腰を振り続ける、

菜奈美は悲しそうな声で、

「痛い」

と連呼している、

孝志の腰の動きとは関係なく、

ただ痛いと、自分の呼吸に合わせているのか一定の間隔で痛いと言い続ける、

孝志はさっさと終わらせた方がいいと思い、

痛がる菜奈美に腰を振り続けて、

終わったので、そっと抜き出すと、菜奈美は大事な部分を両手で押さえて寝返りをうって背を丸くして、

痛みを堪えている様だ、

孝志は、汚れたそれを片付けるため、一旦ベッドから降りて、

枕元のティッシュを取り、ゴムを外して丸めてゴミ箱に捨てて、

股間周辺の汚れも拭き取る、

孝志の耳にはまだ、菜奈美の痛いと言う声が響く様に残っていて、

一生忘れないかも知れない声だと思った、

そこまでしてでも女性はそれを卒業したいのかな?

と思うと、

菜奈美になんて言葉をかければいいか思いつかない、

掛け布団を菜奈美にかけてあげたいが、多分、

菜奈美も汚れていると思い、

「菜奈美、大丈夫?汚れてるの、拭き取れる?」

すると菜奈美はその体勢のまま自分の股間を見て、指で触って見ている、

孝志はとっさにティッシュを取り出して菜奈美に差し出すと、

菜奈美はティッシュを受け取り自分で拭き始めた、

孝志は次のティッシュを出して用意をすると菜奈美は背を起こし、

新しいティッシュを受け取り、股の間を覗きながらそこを拭う、

静かな部屋の中、もう無秩序な苦痛を訴える声もない、

拭き終えた様なので、

孝志は、菜奈美に安静をとってもらおうと思い、声をかける、

「ちょっとベッドに横になろう」

そう言って菜奈美が横になると孝志は掛け布団を菜奈美にかけて、

自分も空いている方に入る、

孝志はベッドに入ってからも、菜奈美のあの声が耳から離れなくて、

菜奈美の事をより一層大事にしないといけないと思った。


つづく。