別れ話をして、会えない日曜が数度あったが、

菜奈美は、孝志の車の隣に座り不安定な居心地の中にいた、

親に内緒で会っている、確信犯、

でも孝志は優しくて不安だからこそ孝志に会いたい、

不安なのに安心させる人、

孝志が二人きりになりたいと言っている、

菜奈美は、勿論その意味を分かっている、

儀式もまだ終わっていないし、

峠越えの手前の山道の脇にある、古いラブホテルに孝志の車が入る、

事前に飲み物や食べ物を買い込んで、ホテルの部屋に入る、

部屋の中も古いおもむきだが、清潔感はある、

孝志はすごく嬉しそうな表情、よっぽど会いたかった様だ、

年上のくせに、可愛い男がより一層可愛い、

その可愛さが菜奈美をホッとさせる、

孝志は、親に反対されれば親に会う、と言っていたが、

説得するつもりなのだろうけど、

菜奈美は、分かっている、

両親が求めているものは、可愛い男では無い、

会わせられない、

でも、菜奈美は素直で可愛い孝志を気に入っている、

菜奈美の両親はしっかりした人で、娘のパートナーにそう言うキャラクターを求めている、

菜奈美は解決方法が無い現状をどうする事もできない、だから、

孝志に触れられたい、嫌な事を忘れたい、

孝志も難しい話はしない、

湯船にお湯を溜めて、一緒にお風呂に入る事になり、エッチな事が不安を忘れさせてくれる、

湯船に足を投げ出し座るその孝志の両足の間に菜奈美が入る、

孝志が、

「持たれていいよ」

と背後から言うので孝志の体に背をもたれさせると、

お尻というか腰あたりに、まだ柔らかい孝志のあれが当たる、

でも孝志はそんな事も気にせず、

「肩までお湯に浸からないと」

と言ってくる、

だからもっと深く入ると、孝志が腕を回して後ろから抱きしめる、

窮屈なのだが、悪くは無い、

それに裸でお風呂の中で後ろからハグなんて、照れそうになり、孝志に振り向こうとすると、

孝志はシャワーキャップに自分のおでこを押し当てて来た、

菜奈美を抱っこしながらも甘えている様で、可愛い、

そして菜奈美はふと別れ話の電話の時の、孝志の沈黙を思い出し、

そうか、駅に会いに来て、私を説得するつもりだったのかな、あの電話の時には、

もうそう言う発想があったのかな?

そう思うと、菜奈美は、

電話中にそう言う発想を思いつけるのは経験の量なのかなと思った、

お風呂を出る為に、浴室で体を拭いている時も、孝志は菜奈美の体にタッチのちょっかいを出してくる、エッチと言うより、子供の様な仕草、

そして菜奈美と孝志はベッドに入りキスをして、

孝志は菜奈美の気持ちのいい事をしてくれる、

一度知った、男性の刺激、快感は忘れられない、

乳首を触られるってこんなに気持ちがいいとは思わなかったし、

胸を揉まれると身がすくむ様な、なんとも言えない快感がある、

そして性の根幹、あの部分への刺激は、自分のこの体を許した者だけのもので、

菜奈美の期待に十二分に答える必要がある、

そして孝志は、その期待に応えている、

もう、孝志の唇や舌、そしてなんとも言えない動きをするあの指先、

優しくそこを左右に擦られると、切なさを感じ、もっと刺激が欲しくて押し当てたい気持ちを感じて、腰をうねらせたい衝動にかられるが、

大丈夫、催促しなくても孝志は徐々に刺激を強くしてくれる、

菜奈美は孝志に任せていれば、気分を高めてくれる、自分の体をとろけさせる、

何も考えずに、孝志に任せておけば、いいようにしてくれる、

そしてその時を今か今かと待っていると、刺激の上限を越え快楽の痙攣が菜奈美の体を波打たせ、

菜奈美は覚えたばかりの孝志の快楽に陶酔した、

すると孝志が、

「行っちゃった?」

と快楽に意識が飛んでいるところに問いかけてきた、

気持ち良くて、恥ずかしくて、

菜奈美は、自分の体なのに孝志が自由にしていて、

行かせたくてやっているくせに、行っちゃったの?は無いわと思い、

孝志を一瞬にらんで、ふてくされて見せたが、孝志は笑っているだけ、

その後、今度は攻守を入れ替えて、菜奈美が孝志の体を攻め始めた、

孝志の男性自身を菜奈美は、

興味本位で見たエッチなネットのビデオの女優さんのそれを参考にして、触ったり、舐めたり、口にくわえたり、

いろいろすると

孝志は満足気な吐息に、言葉で気持ちいいと意思表示する、

菜奈美は男を満足させている事に満足した、

孝志は目を閉じて、うっとりした表情、

裸の関係になった訳で、男の孝志を満足させている事は、女性として自信が付く、

すると孝志が、

「もう、菜奈美じゃないとダメかもしれない」

冗談かも知れないが、孝志にそんな事を言われれば、菜奈美も嬉しいし、

孝志の体を自分だけのものにしたい、

菜奈美は、孝志を自分だけが自由にできる男にしようと思い、

硬いそれを愛撫した。


つづく。