菜奈美は口でするのをやめて孝志の目を見て言った、

「優しくして欲しい」

いつも凛とした、非の打ちどころのない、優雅な菜奈美の少し不安そうな表情、

初めての男だけに見せる戸惑いの表情、

孝志はそう思い、真顔で答えた、

「うん、そのつもり」

孝志は枕の下に隠して置いたゴムを取り出して背を起こし、その封を切り、

準備をした、

そして、菜奈美に

「横になって」

と声をかけると菜奈美は躊躇なく横になったが、

足は閉じたままで下半身と胸を両手で隠す仕草、

孝志は菜奈美のその裸体を目に焼き付ける思い、

まだ、男を知らない女性が裸体を晒していて、自分の腕だけでそれを隠そうとしているが、

好奇心と恥じらいが溢れたその仕草に菜奈美の心情が溢れている様に見える、

孝志はそっと足を広げさせて、菜奈美の股間の目前に腰を据えて、

「じゃ、入れるよ」

そう言って腰を菜奈美のそこへ近付け、

孝志は、自分の唾液を右手に出し、そのままその右手でアレを持ち馴染ませて、

そして、何も知らないはずだが潤って準備の整ったその谷間に先を上下に這わせて、

菜奈美の粘液を絡める、

そして孝志は菜奈美の顔を見上げて、

「力抜いて」

そう言って、孝志は痛くない様にと思い、ゆっくりと挿入すると、

突然、菜奈美がベッドを蹴って、

「痛い」

そう言って腰を浮かせた、

孝志はそんなに痛いの?と思い、

「大丈夫?」

と声をかけて菜奈美の様子、表情を見る、

菜奈美は痛さの余韻が残る感じに、ゆっくり腰をベッドに下ろした、

孝志はこんなシュチュエーションにかける言葉が思いつかなくて、

菜奈美が蹴って逃げた分、孝志は両膝ですり足の様に菜奈美のそこへ近付き、

菜奈美の中へ入ろうとしたが、

「痛い!」

そう言って菜奈美は膝を閉じた、

それに菜奈美の表情が本気で痛がっている、

残念ながら孝志にはそれがどれくらいの痛たさのかが分からないし、

初めてと言う儀式を通過しない事には、水に入らずに泳ぎが上手になる事はないのと同じで、

そう孝志は思い、

「もっと、そっとするから」

そう言って孝志は左手を菜奈美の膝に置き、足を開く事を促すと、

菜奈美はとても複雑な表情、想像や聞いていた以上に痛くて、でもこの儀式を終えないといけないと困惑している様な表情、

菜奈美が膝を開き始めたが、膝に乗せている孝志の手には戸惑いながら膝を開いている菜奈美の気持ちが伝わってくる、

孝志は空の口の中でモグモグさせて唾液を溜めて、それを再び手のひらに出して、

自分のモノに馴染ませて、もっとゆっくり優しく入れようと、

菜奈美のそこへ先を当ててゆっくりと優しくそっと入れるとやはり

「痛い!」

そう言って、菜奈美は腰を浮かせて逃げる、

さすがの孝志も、そこまで痛がられると萎えてしまった、

以前付き合った彼女も処女で、初めての時はもう少し我慢していた、勿論痛そうな顔はしていたが、

耐えていた、通過儀礼と言う言い方は優しくないが、そう言うモノで、

でも萎えてしまっては、男の方がもう無理、

孝志はさっさとゴムを外して、

枕元に置いてあるティッシュを引き抜き、

それで丸めてゴミ箱に捨てると

孝志は菜奈美を見て、暗い表情でかける言葉も思いつかない、

痛みがまだ体に残っている様だ、

孝志はすぐさま菜奈美に掛け布団をかけて、自分も隣に入り、

「大丈夫だよ、今日痛かったと言う事は、少しずつね!」

話になっていない話しをしてしまったと孝志は思ったが、

男の自分が萎えてしまったのだから話にならないと思い、

「でも、あそこ触られてどうだった?」

菜奈美は不安気な表情を一転させ照れ笑いを浮かべた、

孝志はその照れ笑いに手応えと次につながる希望を感じて、

二人は、再びキスをして、孝志は菜奈美の体を愛し始めた、

女性は最初はいたけど、痛いままじゃない、

そのうち気持ちのいい場所を探す様に自分で腰を振り始める、

孝志は菜奈美がいい反応を見せた、蕾への刺激を再びし始めた、

菜奈美の両足が徐々に強張り始め、孝志をうっとりさせる様な吐息、

お腹の上に置いている菜奈美の手のひらに微妙な力が入り、指先を立てて刺激を堪えている様子、

そして細い苦しそうな呼吸を繰り返した後、

菜奈美は腰や肩首を前後に痙攣させて、両足を伸ばしお腹の上に置いていた右手を自分の股間に伸ばしてそこを隠した、

孝志はその反応から、菜奈美が行ったのかな?と思い、

「行ったの?」

と問いかけると上半身だけ寝返りさせて、頷いた、

気持ちに良さそうな表情は照れ笑いに変わり、

満足気な様子、

孝志も嬉しい気持ちになり、

菜奈美に寄り添い、寝返りそむけている顔を優しく仰向けにさせて、

菜奈美にキスをして、

孝志は菜奈美に問いかけた、

「また、気持ちよくなりたい?」

菜奈美は恥ずかしそうに目を背けたが、表情は微笑んでいる、

感情を微笑みにしつつ照れる菜奈美の横顔、

孝志は、それを初々しいと感じ、ゆっくりと自分だけの女に育てようと思った。


つづく。