深いキス、
その後、菜奈美はそっと目を開いて一瞬孝志の目を見て直ぐに、
部屋の天井を見上げて、
照れ笑いを浮かべ、手の甲で目元を隠した、
初めてのディープキスで流石に照れている様だ、
孝志はそんな初々しい菜奈美を見ていると、
菜奈美は背を起こした、
孝志はさて今日はどこまで追い込もうか考えた、
無理はしたくないが、行けるとこまで行っておきたい、
それで、孝志は微笑みながら、
「シャワー浴びる?」
と尋ねると、
菜奈美は微笑んでいたが、
孝志に向き直り、
「シャワーキャップはあるの?」
と尋ねてきた、
孝志は、菜奈美もその気なんだと思い、そうか長い髪の毛を濡らしたくないよなと思い、
ベッドから立ち上がり歩んで、水回りの入る扉を開ける、
洗面台にお風呂場に入る扉に突き当たりにトイレに入る扉、
洗面台の隣に棚があって、そこに大小のタオルに部屋着などが備えてあって、
孝志は物色して、それらしきビニールの袋を見つけてそれをよく見ると、シャワーキャップと書いてある、
孝志は菜奈美の元に戻りそのシャワーキャップの袋を手渡すと、
菜奈美はそれを受け取った、
孝志は覚悟して来たんだと思い、
菜奈美に確認の様に尋ねた、
「じゃ、僕先にシャワー浴びるよ」
菜奈美は孝志を見上げ頷き、シャワーキャップに視線を戻した、
孝志はお風呂場につながる洗面台の前に立ちそのドアを閉め、
洗面台の鏡に映る自分の顔を見て、
改めて女性って不思議だと思った、
孝志は自分が男だから、女性に対する気持ちは分かるが、
女性の男に対する気持ちは想像しても、分からないし、多分こうなんだろうな、ああなんだろうな、
と推測の域を出ない、
孝志は服を脱ぎ、下着も脱いで、お風呂の扉の取手にバスタオルを引っ掛けてから、
浴室に入り、一通り体を洗い、
ドアを少し開けて、
取手に引っ掛けたバスタオルを摘み上げて、
洗面台の床を濡らしたくなくて、浴室の中で体を拭いて、洗面台の前に出た、
ホテルの部屋着を着て、着ていた服や下着をズボンで巻いて一塊にすると、
そこを出て、ベッドの部屋に戻ると、
菜奈美はソファーから立ち上がり、孝志と入れ違いにそのドアの中に消えて行った、
孝志は脱いだ物をソファーに置いて、
菜奈美が浴室に入ったら歯を磨かなきゃと思い、
扉の向こうの様子を伺っていると、
浴室の扉が開き、閉じた音がして、
孝志は、その扉をそっと開けると、
浴室からシャワーの吹き出る音がし始めた、
孝志はその水の音を聞きながら、歯を磨く、
多分、シュチュエーション的に、菜奈美は緊張しているはず、
でも、女性が生まれて初めて男性に体を許す、その許すと言う心理が孝志にとっては不思議、
もしかすると、男と同じで好奇心が先行しているのかな?
でも、体の欲求と心の貞操観念がいろいろ心の葛藤があって、ここまでついて来たのかな?
孝志は、そんな事を考えながら口をゆすぎ、うがいをして、部屋に戻り、先にベッドに入った、
そして思い出した様にベッドから出てズボンのポッケの財布を出して、
男のエチケットの包みを出してベッドに戻る、
そして、浴室からのシャワーの音が鳴り止んで、扉が開く音や、シャワーキャップを外す音、
物音がひとしきりした後、菜奈美が歯を磨く気配がする、
そろそろ、菜奈美が出てくると思うと、孝志は呼吸を整えた。
つづく。