よく遊んでるから

よく寝てくれそうね

 

 

仔馬や愛犬と一緒に

庭で遊び疲れたタンとサンと

ユニョンはぐずることもなく

ぐっすりと寝息を立てていた

スニョンは時々

目を開けて手を伸ばして

天井からぶら下がるおもちゃで

遊んでみたり

ウンスの子守唄を聞いたり

しているうちに

ようやく眠りに落ちた

 

 

そうだな

 

 

チェヨンはウンスの肩に

顎を乗せ

子供部屋の寝台に眠る子供たちを

覗き込むように見ている

 

 

みんな 一段と

ずっしりして来たぞ

いい体つきだ

 

 

うん そうなのよ

サンも随分 

肉がついたでしょう?

ガラガラのお痩せだったから

心配していたけど

ちゃんと幼児体型になって来たわ

 

 

ああ そうだな

 

 

食欲もあるし

タンと取り合うように

よく食べるのよ

あんなに

小さく生まれて来たのが

嘘みたい

そういえば サンは

お乳を吸う力が弱くて

あまり飲めないからって

生まれたばかりの頃は

イサに本当にお世話になったわねぇ

 

 

毎日毎日滴下するように

サンの口に乳を運んでくれたのは

他ならぬ若先生 イサだったと

ウンスは微笑んだ

 

 

そうだったな

それにしても

サンもスニョンもユニョンも

赤ん坊というより

もうすっかり幼な子だな

 

 

うん そうね

 

 

しっかり歩けるようになって

片言でおしゃべりできて

お乳を飲まなくなって・・・

三つ子が生まれて一年以上

まだまだ手はかかるが

それでも随分と育児が

楽になって来た頃だ

 

そろそろ次の子?

いやいやまだ無理

ウンスはそんなことを考えながら

顔を横に向けると

愛しい夫が自分を見つめていた

自然と

互いに吸い寄せられるように

唇が重なって

二人はクスッと笑い合う

 

 

イムジャ

そろそろ閨に戻らぬか?

 

 

うん そうね

この子達 朝まで寝ていて

くれるといいけど・・・

 

 

その言葉に含まれた意味に

チェヨンは優しい顔で頷いた

毎夜 

心をかよわせあって

お互いを感じあって 

一つになって

身も心も溶けて 

夫婦は眠りにつくのだが

夜中に

目覚めることがある子供達の気配が 

ウンスは気になるようで

そういう時 夫婦の営みは

中断したり断念したり・・・となる

もちろん

チェヨンがせっせと子供達を

寝かしつけるのだが

知らぬ間にウンスが寝落ちしている

ということも・・・

 

 

案ずるな

今宵は邪魔は入らぬ

イムジャこそ 寝るなよ

 

 

やだ 

そういう意味じゃないのに〜

 

 

ウンスは幾分照れたように

言葉を濁して

チェヨンとともに閨に向かった

廊下では 番犬としても有能な

タンの愛犬フンが場所を陣取り

寝そべっている

 

 

静かな 夜ね・・・

 

 

ああ

 

 

窓から差し込む月光が

部屋の中をぼんやり照らし

ウンスの艶やかな髪が

光って見える

チェヨンは大事な宝物を

運ぶようにウンスの体を

抱き上げると

そうっと寝台の上に下ろした

 

 

 

 

翌朝

ウンスがまだ

まったりと夢見心地で

隣に眠る夫に手を伸ばすと

隣にいるはずの夫の姿がなかった

驚いて

飛び起きて上着を羽織ると

子供部屋を覗いた

子供達はまだぐっすりと夢の中

だがチェヨンはいない

 

 

へジャ

へジャはいる?

 

 

ウンスは声をあげた

ちょうど厨房の方から

奥の間に向かってくるへジャが

ウンスに気づいた

 

 

奥様 おはようございます

いかがなさいました?

 

 

旦那様 見なかった?

いないのよ

 

 

はぁ・・・

へジャは存じ上げませんが

お出かけになってはいないはず

 

 

そうよね

じゃあ トイレかな?

 

 

と?

 

 

ううん なんでもないわ

ごめんなさい

朝起きて あの人がいないと

なんだか不安になるの

もしかして 寝ている間に

戦に駆り出されていたら

どうしようって

 

 

倭寇討伐があって 

奥様は少し

神経質になってるのかもしれない

とへジャは思った

 

 

そのようなことございませぬ

旦那様は奥様に必ず

ご挨拶されて行かれるはずですよ

あまりご心配されませんように

さあ 朝餉の支度が整いました

お子様たちを起こしましょうか?

奥様もお支度なさいませ

 

 

あ そうね

ええ

 

 

へジャに促され

閨に戻ると

着替えを終えたチェヨンがいた

 

 

ヨン

どこにいたの?

探したじゃない

 

 

それは俺の方だ

戻ったらイムジャがおらぬ

肝が冷えたぞ

 

 

だって・・・

ヨンがいないから

 

 

イムジャは幼な子か?

しょうがないな

春と言ってもまだ冷えるぞ

衣一枚でうろうろする奴があるか

ほら 体が

こんなに冷たいではないか

 

 

チェヨンに抱きしめられて

ウンスはようやく安心した

 

 

うん 着替えるわ

 

 

ああ

 

 

でも ヨン

本当にどこにいたの?

 

 

実は・・・気配がしたゆえ

庭に出ておった

 

 

え?

 

 

スリバンから

急ぎの連絡に来たのだ

 

 

ウンスは驚いた顔で

チェヨンを見つめた

 

 

何かあったの?

まさか 戦?

 

 

いや 

ソンゲが負傷し

都に向かっていると

急ぎの知らせが入った

俺はすぐに王宮へ向かわねば

ならない

 

 

え?そうなの?

ソンゲさん

傷の具合はどうなのかしら?

 

 

討伐隊に医官が数名

同行してはおるが

場合によっては典医寺にも

さらなる応援要請が

あるかもしれんな

それも含めて 

急ぎ確認に行くゆえ

知らせを待ってろ

 

 

わかったわ でも・・・

ヨンが討伐に向かうことに

なるのかしら?

 

 

それはまだ分からぬ

それに倭寇を撃退し

そろそろ引き上げの準備に

入っていたはずだ

 

 

そうよね

戦は終わったと思ってたのに

 

 

イムジャはいつも通りに

急を要することがあれば

使いを出すゆえ

 

 

はい

 

 

チェヨンはすっかり

出仕の支度を整えて 

朝餉も摂らずに表に向かった

ウンスはまだ寝ている子供達を

子守に任せ 見送りに出る

 

 

気をつけて

 

 

ああ

行ってくる

 

 

ヨン・・・

 

 

行きかけたチェヨンは

ウンスの心配そうな声に

くるりと向きを戻し

ぎゅっと抱きしめると

唇に軽く触れるような

口づけをした

 

 

心配いらぬ

帰りを待ってろ

今日はタンも屋敷か?

 

 

ええ ソダンのない日よ

 

 

そうか

では屋敷は賑やかだな

 

 

少しホッとした顔で

ウンスの頬を撫でると

チェヨンはひらりと

愛馬チュホンに跨ると

その腹を軽く蹴った

 

 

行ってらっしゃい

気をつけて

 

 

その後ろ姿に

ウンスは声を掛ける

チェヨンは振り向かず

軽く頷くと王宮へと向かった

 

 

奥様

朝餉にいたしましょうか

 

 

一緒に見送りに出ていた

へジャがお伺いを立てる

 

 

そうね

お腹 空いたわ

こういう時こそ

腹ごしらえよね?

 

 

はい しっかりと

力をつけませんと

 

 

オンマァ〜〜〜〜

アッパは?

えええええ いったのぉ?

タン おみおくり

したかったのにぃ

 

 

奥から慌てて走って来た

長男のタンがウンスに飛びついて

拗ねている

 

 

いつもより早い時間に行ったの

きっとすぐに帰ってくるわ

 

 

しょっかぁ〜

じゃあ タン

いいこでまってる

ねえ オンマ 

タン ペゴパ よ

あさげ なにかなぁ

へジャ なぁに?

 

 

タンはウンスと手を繋ぐと

その手をぶらぶらさせながら

へじゃに聞いた

 

 

今朝はお魚を

煮付けてございますよ

それに朝採りの野菜もございますよ

 

 

わ〜〜〜

うまうま〜〜〜

ね〜〜〜

 

 

タンの可愛い声が響き

診療所のそばに咲いている

チンダルレの花のいい香りが

漂って来た

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

いい日も うまくいかない日も

心配な日も 嬉しい日も

あなたが一緒にいれば 

なんとかなる

 

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

 

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今しばらくご猶予ください

どうぞよろしくお願いします

 

 

馬馬馬馬馬馬

 

 

元気が出ない日は

ヨンとタンに

元気を分けてもらおう〜と

高麗にびゅ〜んと飛んで

今日も無事パワーチャージ完了ラブラブ

 

いつもおつきあいいただき

ありがとうございます

みなさま

安寧にお過ごしくださいませ

 

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