新しい女中が増えて

へジャを筆頭に新体制ができた

チェ家の奥の様子に

ウンスも安堵したようだった

 

同じ年頃のミヒャンとリアンは

何かと張り合っているようにも

思えたが

意見の相違はどの世界にもあること

しかもミヒャンは

診療所が主な仕事場だったので

特別問題はないようだった

 

 

それから数日経ったある日

菊花診療所が休診の折

ウンスはかねてからの約束通り

ポムとヨンファとウネ

それにジュヒ ヘミといった

ウンスを支えてくれる人々に

集ってもらって

ささやかな誕生会を開いた

本当は王妃様にも叔母様にも

王妃様の警護についているヒョリにも

ウンスは来て欲しかったのだが

警備の面からも

王宮を離れるのは無理だということで

丁重な断りがあった

その代わりに王妃様のお心遣いで

豪華なごちそうが王宮から

たくさん運ばれて来ていた

 

 

これだから

ウンスオンニのお祝い

やめられないでするぅ〜

 

 

ポムは意気揚々と言って

にかっと笑った

 

 

もう ポムったら

相変わらずなんだからぁ

 

 

ヨンファも久しぶりに遊びに来て

郡守の妻からウンスに仕えていた

元武閣氏の顔 穏やかな妹の顔で

くつろいでいる様子だった

ウンスは客間にいる皆の顔を

ぐるっと見回した

ウネは出会った頃からすでに

結婚して子供もいて

母親の先輩でもあったが

他の女人たちはまだ皆

娘ざかりだった

それがこうして

子連れで集まるとは・・・

残念ながらジュヒの息子のコハクは

学問のためソダンに行っていたが

子供達もわんさかいて

屋敷は賑やかこのうえなかった

 

 

コハクも後で

顔を出すと言ってました

 

 

そお?嬉しいわ

タンはコハクに懐いているもの

赤ん坊の時 

よく遊んでもらったから

 

 

そうでしたね〜

コハクは若様が大好きで

それにうちの人に遊んでもらうのも

好きでした

 

 

うちの人〜〜〜!

ぐふふ

ジュヒさんもらぶ〜らぶ〜ですねぇ

 

 

すかさずポムが反応

 

 

ポム

あんまりジュヒを困らせないのよ

そういうところ変わらないわねぇ

 

 

ヨンファは少しお姉さんぶって

ポムの丸いお腹を撫でながら

微笑んだ

 

 

ジュヒ

テマンはどお?最近ここにも

顔を見せないし・・・

 

 

ウンスはジュヒに尋ねる

夫のチェヨンも弟分のテマンを

気にかけていた

 

 

はい すみません

なんだか新入りの教育で

忙しいみたいです・・・

でも私には何も言ってくれなくて

 

 

ジュヒは俯いた

お互い手探りの新婚生活

ましてや二人とも遠慮深い性格だ

 

 

そっか

テマンらしいかも・・・

そんなとこうちの旦那様に

似なくてもいいのに

あの人も昔はそうだったわ

口下手だから言葉を飲み込んで

しまうのよね

そういうところ

焦れったくなる

ちゃんと言ってくれなきゃね〜

でもジュヒのことを

一番信頼しているし

頼りにしていると思うの

 

 

はい・・・そうだといいなと

思ってます・・・

旦那様が

だんまりを決め込んだ時

医仙様なら

どうされますか?

 

 

ジュヒはウンスに尋ねたが

ウンスが答えるよりも先に

ウネが言った

 

 

そりゃあ

「ちゃんと話してくれるまで

一緒には寝ない!」

脅しでしょう?ウンスさん

 

 

ちょっと ウネさん

私 そんな取引しないわよ

 

 

どうだか?

だってあいつの一番の痛手

そこだもん

 

 

ウネはニヤッと笑った

 

 

もう からかわないでよ

私はね 気がすむまで

ヨンを質問ぜめにしちゃうの

だから口を開かずには

いられないってわけよ

 

 

ああ なるほど

それもウンスさんらしい

でもあいつ ウンスさんと

夫婦になって

ほんと変わったよ

人らしくなった

感情むき出しの時もあるし

よく喋る

 

 

あ それ私も思います

上護軍ってお屋敷では

こんなにお話されるんだなぁって

ここへ寄せてもらうようになって

思いました

お子様たちとご一緒の時は

そりゃあ いい笑顔だし

医仙様には優しいお顔で

 

 

ヘミが答えた

 

 

そうそう

憎たらしいくらいに

幸せそうだよねぇ

 

 

ウネはそう言ってから

ぺろっと舌を出して笑った

 

 

オンマ

これ たべていい?

 

 

そこへタンがやって来て

お皿に山盛りの

チャメ(瓜)を指差した

 

 

いいけど

ご飯 いっぱいだべた?

デザートはご飯の後よ

 

 

い〜〜〜っぱい 

たべたよ〜

 

 

タンは大きく手を開いて

ウンスに答える

後ろの方で子供達の給仕をしていた

へジャが大きく頷いている

 

 

そ じゃあ おっけ〜よ

 

 

みんなもたべていい?

 

 

みんなもご飯が終わったの?

それならいいわよ

 

 

あぁ〜〜〜い

いいって〜〜

へジャ 

 

 

タンは自分の席に駆け戻った

客間の隣の部屋では

チェ家の女中総動員で

子供達のご飯のお世話

大きな卓の上に

大皿のチャメが置かれ

手にとってはパクつく子供達

タンと三つ子たち

それにポムの息子のミョンと

ヨンファの娘のハナ

そしてウネのところの双子の姉妹も

今日は一緒だ 

 

 

賑やかねぇ

 

 

ほんとでする

来年にはこの子も

あの仲間入りできるでする

 

 

それはちょっと気が早いかもよ

まだ乳飲み子じゃないの

 

 

ポムの言葉にウンスはクスッと

笑った

 

 

ところで ウンスさん

今日はあいつはまだ帰らないの?

愛妻に会うために

王宮からすっ飛んで帰るって

噂なのに

 

 

今日は帰りが遅いって

言ってたわ

 

 

ああ そりゃあ

あたしから逃げ出したな 

きっと・・・

 

 

ポムはぐふっと笑って

大きく頷いた

それから女人たちは

それぞれの暮らしぶりや

近況報告をした

ウネはもっぱら旦那や姑の愚痴で

ポムはお腹の中にいる二人目の話や

日頃のチェ家の話

ヘミは診療所で見聞きした話

そしてヨンファは

 

 

うちはハナと義兄のジェボクの

婚約が決まって・・・

その報告と

病気の義母様のお見舞いも兼ねて

私 旦那様と一緒に

朔州に行くことにしました

 

 

そうなの?

 

 

ウンスは苦労人のヨンファを思って

優しく聞き返した

 

 

はい 義母様の具合も

あまり良くなくて

しばらく向こうにいようかと

 

 

えええ 聞いてないでする

でもでも ヨンファさん

あちらへ行きっぱなしじゃ

ないですよね?

ここに帰って来ますよね?

 

 

ポムは急な話に目に涙を

浮かべて尋ねた

 

 

ええ もちろん

帰ってくるつもりよ

それにハナは都で育てたいと

思っているの

でも・・・私がまるきり

あっちに寄り付かないのも

やっぱりおかしいと思って

 

 

家臣に意地悪されたら

教えてくだされ

ポムが成敗に行きまする

 

 

ありがと ポム

ポムも妊娠中で

これから出産でしょう

大変な時期よ

私の心配より自分の心配を

していて

もう会えないわけじゃ

ないんだし

 

 

ヨンファオンニ〜

でもやっぱり

さみしいでする

 

 

ほらほら ポム

メソメソしないの

お腹の赤ん坊も悲しくなるでしょう

ヨンファの決断を

応援してあげようね

 

 

ウンスオンニ・・・

 

 

それぞれに抱えるものは

もちろん違うが

互いの生き方を思い合い

励まし応援しあえる友に

この高麗で出会えたことは

チェヨンとめぐり合うことで

運ばれて来た奇跡

なのかもしれないと

ウンスは思った

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

気心知れた友人と

何気ないおしゃべりで

心の曇りが晴れて行く

 

 

 

 

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

 

連休二日目

いかがお過ごしでしょう?

連休の頃は大抵現代版を

書いている気がして

今年も・・・

と思っていたのですが

本編の区切りがつかず 

どうしようか?悩み中です

 

もしかしたら

本編ちょっと休憩で

現代版お届けとなるかもしれません

その時はご了承下さいませ〜

 

またおつきあいくださいね〜

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もう随分昔のような気がする〜ダウン