私は大学1年の音楽科
小林由依


音楽の道に進むことを決めたきっかけは
あるアーティストの影響だった



それからは、ギターの弾き語りができるように
とにかく練習して、勉強しての日々


そして、昨年の冬に受験した結果
見事に合格し、いまに至るって感じかな




出会いは、偶然と勘違い

ある日、
いつも通り前から5列目の窓際の席
この講義室の授業の時の特等席



授業の準備をしようとしたら、
教科書がないことに気づく

由「うそ、、どこやったっけ」

慌ててカバンの中を探しても見当たらない
ついてないなーと思ったら


ふと机の中に何か入っていることに気づく

由「なんだろう」

そう思って取り出してみると、
自分のではない教科書が入っていた


この講義室は、ほかの学年も使う教室なので
誰かが置いていったのだろう



キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴り授業が始まる

私は申し訳ないと思いつつ
誰のものかわからない教科書を借りることにした





由「フフッ、なにこれ」

教科書には落書きがたくさんあった
この教科書の持ち主が自分で考えたキャラなのか、へんなポーズをしていたりしてとても面白かった


ページをパラパラめくっていくと
何か挟まっていた

手紙?


中身が気になってしまい
授業中ということをすっかり忘れて
読んでしまった


“今泉佑唯先輩へ

好きです。付き合ってください。
返事が聞きたいので
○月○日の放課後屋上に来てください。”



ラブレターだった
でも、それによってこの教科書の持ち主の名前が判明した



由「今泉…佑唯…」








キーンコーンカーンコーン



そんなことを考えていたら授業が終わってしまった


今日は、もう授業はないので教科書を元に戻し
足早に教室を立ち去った






学校を出ようとした時、
ふと、あのラブレターを思い出した

由「○月○日って確か今日だよな」



考えれば考えるほど気になり
屋上でギターの練習をするというのを口実に
ちょっと覗いてみることにした


ガチャ



屋上に出るとまだ、誰も居なかったので
ギターの練習をして時間を潰した









?「いい歌だね」