実名犯罪報道被害の裁判記録ブログ

実名犯罪報道被害の裁判記録ブログ

無実の罪で不当逮捕され、実名報道によって多大なる被害を受けました。大手新聞3社を相手取り、裁判を綴っていくブログ。

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第3、主な争点

1、名誉毀損について

【過去の判例】
公共の利害に関する事実に係わり、その目的が専ら公益を図るものである場合において、摘示された事実がその重要な部分において真実であることの証明があるとき、又は真実であることの証明がなくても、行為者がそれを真実と信ずるについて相当の理由があるときは、不法行為は成立しない。

【原告の主張】

①表現の自由の趣旨から「公共の利害に関する事実」とは、民主制の過程にかかわる事柄、国民の間で広く議論すべき事柄をいうべき。一般私人であり、重大事件でもない以上、原告の実名は公共の利害にかかわらない。有罪判決を受けたわけでもない。実名を報じることは、読者の覗き見的な好奇心を満足させるだけであり、興味本位に走ることで、かえって本来社会のが議論すべきことから離れてしまう。

②被告らの記事は、単に逮捕されたという事実だけでなく、実際に原告が犯罪行為を行ったと一般読者が認識する事実を摘示しており、真実に反している。かつ、被告らは警察発表をそのまま報じただけで、何ら適切な取材を行っていない以上、真実と信じるについて相当の理由もない。

③特に、被告朝日新聞社は「偽造見破ったり!」「鑑定でダメ」等の断定的表現を用いて原告を完全に犯人視し、職業にも「自称」と付けるなど、その犯人性、悪質性を強調している。また、被告毎日新聞社は、「有印私文書偽造・同行使容疑」と逮捕罪名すら誤っている上、「契約偽造して『カネ払え』」などと断定して犯人視し、職業も「自称」としている。被告中日新聞社も、見出しで「偽造契約書を使った男」と断定している。

【朝日新聞の主張】
犯罪に関する事実は民主主義の構成員として関心をもってしかるべき事実。本件は、民事裁判制度に対する国民の信頼を失わせかねない重大犯罪。記事は逮捕の事実や警察発表を客観的に掲載したもので、全て真実である。一般読者が記事の内容を誤解することはあり得ない。

【毎日新聞の主張】
被疑者の特定は報道の基本的要素であって、その全体をもって公共の関心事。裁判所を騙し公正な裁判を妨害する重大な犯罪行為。匿名で報道すると、誰が逮捕されたか無用な憶測や被害が生じる。摘示事実の重要な部分は真実である。偽造も行使も法廷刑に差異はなく、社会的評価への影響は異ならない。結局発表につき、報道機関に独自の調査・確認を要求することは実態を無視した過大な要求。

【中日新聞の主張】
逮捕された人物に関する報道は公共の利害にかかわる。匿名では逮捕の適正や記事の正確性を検証を検証できない。摘示事実は、原告が偽造有印私文書行使の疑いで逮捕された事実であり、犯人扱いはしていない。