日本の友達が韓国まで遊びに来てくれた。困っているだろうとのことで日本食を色々持って。こういうことはうれしいものだ。

 

季節はちょうど夏だったので夏の食材や、生活用具を持ってきてくれた。

その食材の中で特に食べたかったものが素麺だった。嬉しかった。蚊取り線香も持ってきてくれて助かった。

韓国には蚊取り線香はあるが、きわめてマイナーな代物だ。一般的には使わないようだ。ただこれは、私の住んだ街だけのことかもしれない。

 

コンビニというか、雑貨屋で顔見知りになった店主に蚊取り線香はないかと訊ねるのだが、相手は英語が分からず困っていたら、上品な女子高校生が私に近づいてきて、綺麗な英語で「Can I help you?」と聞いてきてくれた。

これは嬉しかった。即座に「mosquito!」といったら、店の棚を探してくれて、はるか高いところからそれを見つけてくれた。私はひどい英語で「thank you so much!」と言った。

韓国は漢字教育を放棄した反面、英語教育に力を入れ30年以上たっているのだろうか。若い韓国の人は自分の名前さえ漢字で書けなくなっているが、英語は実に綺麗な発音で話す。

 

後日素麺を作ってみた。ツユは気を利かせて缶入りのものを持ってきてくれたので助かった。カツオとか味醂はないし、そしてなによりも駄目なのが、水なのだ。素麺は茹でたあとに大量の水で小麦粉臭をとる。ただそれは「良い水」があれば、の話だ。前述したが、韓国の水道ははげしい硬水なので、飲めない。掃除、洗濯、入浴用だ。

アパートの各階には飲料用の水タンクが置かれていて、そこまで行って珈琲やらなんやらの水を汲み上げて来なければならない。さすがにそこから大量の水を持ってくるわけにはいかないだろう。

 

朝鮮半島、韓半島には急峻な山がないので良質の水は採れない。済州島テジュドには、急峻な山があるので軟水が採れる。

したがって、韓国のあちこちには済州島の水がペットボトルに入れられて売られている。

日本には、軟水の飲料に適した水が豊富にあるということを知らないのは日本人だけだ。

日本料理は大量の水を消費する。中華料理はまったく水を使わないのではなかろうか。

 

韓国は大陸の国なのだ。