2023年も始まったと思ったら、あっという間に一か月が過ぎてしまいました。

時間が過ぎるのが早すぎて、とってもびっくりしています。

そんな今年初めの読書は8冊で終わりました。
昨年末、積読本が一冊か二冊か残っていなかったですが、今年に入ってまた少しずつ増えてきました。あまり積まないように読んでいきたいです。


盲目的な恋と友情 (新潮文庫)盲目的な恋と友情 (新潮文庫)感想
盲目的な恋に落ちた何もかもに恵まれた美しさを持つ一瀬蘭花と盲目的な友情に落ちた友人の留利絵。二人の一人称で前後半描かれる。同じ出来事も立場が違えば全く異なるのが秀逸。 恋に執着するのも怖いが女友逹の執着心の方がもっと怖かった。でも読んでるうちは留利絵の気持ちにも共感出来ることも多くて、女性同士ならこんな経験は誰しもあるのではないだろうか。 山本文緒さんの解説まで、素晴らしく、さらさら読める文章なのに、気持ちは抉られた。ブラックな辻村深月好きには堪らない!
読了日:01月06日 著者:辻村 深月


罪の轍 (新潮文庫 お 72-3)罪の轍 (新潮文庫 お 72-3)感想
昭和38年、オリンピックを一年後に控えた東京を舞台に展開する800ページに及ぶ長編ミステリー。読み応えある物語にページを捲る手が止まらなかった!実在の誘拐事件をモチーフにしているせいか、リアリティもあったし、とにかく高度経済成長期の描写が細かくて、ドラマを見ているかのようだった。 礼文島から出てきた青年が犯罪を重ねていくのも差別や格差が当たり前な時代だったからだろうし、結末に色々考えさせられた。 ここ数年読んだ中で上位に入るくらい面白かった。
読了日:01月10日 著者:奥田 英朗


小さいコトが気になります (単行本)小さいコトが気になります (単行本)感想
小さいコトが気になります/益田ミリ 他人の買い物カゴの中身が気になる、道の隙間が気になるなど日常の確認したいことを書いたエッセイ。 ミリさんの視点が独特だなあと思ったり、あるある!と共感したり、ほっこりしながら隙間時間に読めた。
読了日:01月15日 著者:益田 ミリ


カーテンコール! (新潮文庫)カーテンコール! (新潮文庫)感想
閉校が決まった女子大を舞台に単位不足の生徒を卒業させるべき強制合宿をさせることになった6編からなる連作短編集。 LGBTや拒食症、ナルコレプシーなど外からはわからないそれぞれの原因。皆と違うから駄目だと突き放すのではなくて、寄り添った教育をしていくのが良かった。タイトルの意味が最後の章でわかって、なるほど!と思った。味方がいるってだけで救われる。
読了日:01月15日 著者:加納 朋子

 


あやかし薬膳カフェ「おおかみ」 (2) (アルファポリス文庫)あやかし薬膳カフェ「おおかみ」 (2) (アルファポリス文庫)感想
人とあやかしをもてなす薬膳カフェが舞台のシリーズ第二弾。今回は北広島市だけでなくて、札幌駅の描写もあって、地元民としてはあそこかな?とか想像して楽しかった!!森林公園に行ってシマエナガちゃん達に会いたくなった。 二組の恋模様にキュンしながら、読みました。 このまま続いて欲しいな。
読了日:01月21日 著者:森原すみれ

 


不可能な過去 警視庁追跡捜査係 (ハルキ文庫 と 5-13)不可能な過去 警視庁追跡捜査係 (ハルキ文庫 と 5-13)感想
久しぶりの追跡捜査係シリーズ。このコンビはやはり安定していて好き。複雑に絡み合った事件が段々噛み合っていくのが読んでいて気持ちが良い。登場人物が多いけどそれぞれ個性があって魅力的なので、飽きずに読めた。
読了日:01月23日 著者:堂場 瞬一

 


ふたつの星とタイムマシン (小学館文庫 は 24-1)ふたつの星とタイムマシン (小学館文庫 は 24-1)感想
タイムマシンや瞬間移動、ロボッなど超能力や不思議な現象を扱った7編からなる短編集。 SFチックな物語なんだけど、どこか懐かしいような温かさも感じた。 一つ一つの独立した話のようで、少しずつ繋がっているのも面白かった。 2月に発売する本と連動しているみたいなので、そちらも楽しみ。
読了日:01月27日 著者:畑野 智美

 


死にたいって誰かに話したかった (双葉文庫 み 31-04)死にたいって誰かに話したかった (双葉文庫 み 31-04)感想
初読み作家さん。空気が読めず失敗ばかりしている奈月は、生きづらさを克服しようの会を作る。 奈月始め四人の参加者の全部というより少しずつに共感して、あっという間に読んでしまった。解決することなんて出来ないけど、誰かに話すことで楽になったり、自分の気持ちを確認できることってある。それが友達とか家族じゃない赤の他人だから、いいのかも。 劇的に何かが変わったりするわけじゃないけれど、この淡々とした感じの絶望から少し希望が見える感じが、リアルで良かった。
読了日:01月30日 著者:南 綾子