<あらすじ>
新宿の駅ビルに入っているイタリアン・マルコ新宿店で、店長の皆見から通達があった。「明日から店は休業です」。コロナ禍による第一回目の緊急事態宣言。パートで働く鈴木六花は独り暮らしの中、孤独を深めていく。そして、休業が明けても客足は戻らず、課題は山積みだった。それでも六花は店の立て直しに奮闘する。2020年からコロナ禍で分断された社会の中で、もがきながら光を探す希望の物語。
<感想>
これは今読むべき本だと思う。コロナ禍の飲食店の様子が手に取るようにわかって、一気に読んでしまった。
不要不急ってなんなんだろうと考えて、答えが出ないままの今だけど、人と接することって不要なことじゃない。どんな社会になろうともご飯を食べないなんてあり得ないし、人と接しないことなんてあり得ない。一人は気楽だけど、それは自由に選択できるからこその気楽さであって、ずっと孤独で生活できない。主人公の六花が凄く人間味があるので、一緒に不安になったり考えたり、凄く共感した。