➡︎《1年前の発症時》
➡︎《1年前の発症時②》


娘こねこが高校入試当日に力尽きて、総合病院から精神科専門病院に搬送したのは、金曜日の夕方でした。

なので、医師と面談が出来たのは、翌週の月曜日でした。この時はまだ、精神科病院に出入りすることにためらいを感じていたことを覚えています。   ➡︎精神病とは何か、腑に落ちた話



若い主治医と相談員、両親の4人で面談でした。
(面談しながら殴り書きしたメモを見ながら思い出して書きます。実際の会話、口調とは異なります。)

【主治医】
今の状態は、落ち着いているが、まとまりがない言動がある。歌をうたったり。


これからすることは、

①薬の調整
色々な症状を見ながら薬を調整していく。
抑うつ療法など、目の前の課題をこなす。

②退院に向け、外出、外泊をする。
前みたいに出来るかどうか。

③さらに先には、長期に付き合う必要がある。
治療の継続、薬、外来など。

診断はその後。


ここで、長期にと言われてますが、まさか1年以上とは1ミリも思いませんでした。


ここ1〜2ヶ月の様子と見た目だけでは、統合失調症の疑い

(と言われても、理解できなかった。)


このエピソードを何回繰り返すか。
初発では、1回きりの人も25%いる。

初回の治療がとても大切。
早く見つかって、良かった。

私たちは、その25%を目指すんだろうな。とだけ、理解した気がする。


旦那が、こねこは、自分のことをすごく嫌がっているから、会っても大丈夫か?と聞いた。


原因は家族(何か)とか思わないでください。

仮に関係が悪くとも、発言は病状に左右されているだけで、発症は、育て方などの問題ではありません。


ここ数週間の娘の豹変に悩み、対応は正しかったのか?親は自分を責め、問題を探したりします。なので、この言葉は心の痛み止めになりました。


「夜は眠れていますか?」

勧めて休んでいる。


「起きた時は何をしている?」

フリーな状態です。
「帰りたい」や入院していることの戸惑がなくはないが、まだ発言が現実離れしている。

正常な思考なら、
「ここはどこ?」「帰りたい」と考えるはず

例えば、ペットが亡くなったとしたら、
悲しい、落ち込むのが当たり前ですが


今のこねこは、
非現実的な思考になっている。
実際にないことを本人は確信していて恐怖を感じたりする


現状経過を見ると、精神病の可能性が高いが、脳炎、髄膜炎など、他の原因がないか可能性を確認していく。

面会の時の留意点は、
非現実的な発言をしても、否定する必要はない
聞いてあげる。治してもらおうね。など。


これを踏まえ、主治医と病棟に行きました。

鍵のかかったフロアに入り、もう一つ鍵のかかったナースステーションのとなりに、いくつか窓のある頑丈なドアが並んでいました。


ドアについた小さな窓から覗くと、こねこはピンクの病衣を着て、陽の射し込む、「何もない部屋」のベッドで寝ていました。

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不眠に苦しむ毎日でしたから、安らかな寝顔を見た途端、夫婦で涙をこぼしました。


看護師さんにお風呂にいれてもらい、長い髪の毛はお団子に結んでありました。

まるで新生児室の我が子を見るような、純粋無垢な寝顔が愛おしかったです。


でも、もしまだ、こねこじゃない娘に会って、取り乱されたら、対応できる自信がなかったので、寝顔を見れただけで良かったと思ったのが本音でした。


無知な私たちは、何もない部屋に寝ているのが可哀想に感じていました。


何もない部屋にいるのは、本人の脳内は、忙しくいろいろ出てくるので、刺激がない方が良いのだと教えてもらいました。


そこが「保護室」と言うことは、いつの間にか知りました。


その日の私の手帳の最後には、
主治医の先生は「統合失調症」と決めつけず、他にも原因があるのではないかと探りながら、慎重ににこねこに向き合ってくださる。
私たちの話も良く聞いて答えてくれる。

ありがたい。


と書いてありました。




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