これまでのお話
母屋をしまう ①
母の寝室の押入れは時が止まっていた。
手前は最近・・、と言っても詰め込んで物が入りきらなくなった頃、1995年くらいだろうか、その頃のものが入っていた。
その手前の物から片付けていくと、どなたかの結婚式の引き出物、内祝い、新築祝い、開店祝いとか、贈答品がたくさんでてきた。
みんな箱を一旦開けて、剥がした「のし」を一緒に箱に入れて、そのまま押入れにしまってあった。
食器セットとか鍋セット、シーツセットなどなど・・・。
でも何十年もしまいこんであったから、流行が過ぎて、今はもう使いそうもないものも結構あった。
私は再び思った。
お母さん、こういうの、
要らないならおくれよ~
買うと高いんだからさ~
世の中のフツーのお母さんは、自分が使わないものって、子供のことを思い出して声をかけたりするんじゃなかろうか
フツー、子供に、いるかどうか訊いたりするんじゃないかな
現在私は習い事に一か所通っているが、そこのメンバーは少し年上の方が多い。
みなさん、
「家に○○があったから、娘に届けてやったの 」
「思いがけず○○をもらったから、娘に送ってあげたわ 」
って言ってるよ
母はたくさんの贈答品をもらって、自分が使わなかった時、私の顔を思い出してくれなかったのかしら
これは、haruhanaちゃんが使いそう
これは、私でなくてharuhanaちゃんに似合いそう
この柄は、haruhanaちゃんが好きそう
なんて、私を思い出して喜ばせようと思ったことはなかったのかしら
中には、そういう親がウザいという人もいるけれど・・。
私の場合、過去を思い出してみても、母からそういう気遣いをしてもらったこと、あんまりなかったかもしれない。
母がもらい過ぎた野菜とかは、もらったかな
でもさ、それにしても・・・、
あ・・・、愛が・・・、愛が欠けてない
この実家・・・,
この、これから片付ける子供たちのことなんて、全く考えていないグチャグチャの実家をみていると、
私はこれを、
愛の欠如 と感じるのだった。
よくドラマで見る、
主人公が実家を片付けながら、母親から自分への愛の心遣いを次々と見つけては手に取り、
「お、おかあさん・・・、ありがとう。」
って、思わず突っ伏して泣く・・・、
っていうの、やってみたかったなぁ~(遠い目)
悲しいかな、この実家じゃ、そういうの全然見つかんない。
なんでやっておいてくれなかったんだ
って思うことばかり・・
実家じまいで、親子間、兄弟間に亀裂ができる話はよく聞く。
いよいよ実家をしまってみたら、なんかわかる気がした。
今回、実家を片してみて、これからの自分の未来のことも考えた。
私の場合まだ間に合うから、ちゃんとしよう・・(遠い目)
ちゃんと、相手のことを考えられる大人になろう。
今回この押入れ以外からも、贈答品がたくさん出てきた。
それらは捨てるのももったいないので、一旦空いた部屋に保管しておくことにした。