5年生の後半になった頃

家では比較的に明るかったまるちゃんは

家に帰ってから布団に潜るようになった。


冬だったし
寒いからかな。
位に思っていた。

ある日、ご飯と声をかけても布団に潜ったままだったから

ご飯だよっ!
と布団をめくると
まるちゃんが顔を伏せていた。

様子がおかしい。
そう思って「どうしたの?」と聞いても
「なんでもない」と言う。

でも。
きっと泣いてる。
これは泣いてる。

無理には聞きたくないが
親としては心配で聞いてしまう。

背中を擦りながら
「ママは味方だよ」と何度も言った。

「言いたくないなら言わなくていいけど、、でもママは心配だよ。。」

しばらく沈黙したあと
「勉強が出来なくて、どうしよう」
と言ってきた。

友達関係でもなく、勉強の事か。
と正直少しだけホっとしていた。

私自身、勉強が得意ではなかったし
勉強が出来なくても仕事は覚えればなんとかなると思っていたから、勉強1番に思っているタイプではなかったからだ。

でも、娘が勉強で悩んでいるならば
塾に行かせよう。と塾や家庭教師を提案するも人見知りが発動し「それは嫌だ」と拒否る。

じゃあ、、もう必死に勉強するとか、頭いい子に聞くとかするしかないよ。
なんて、回答をしていた。

でも、
本当にまるちゃんが泣いていた理由は
後に知ることになった。

度々元気がなくなり、
その度に話を聞く

相変わらず
「何もない」
と言うが
ある時

「学校に行きたくない」
と始まった。

勉強が出来ないと泣いていたなら、尚更学校行って勉強しないと!
と最初は激を飛ばしたが

泣く理由は勉強ではないのじゃないか?
と優しく聞いてみた。

まるちゃんは泣きながら

「ひとりぼっちになっちゃう」と言った。

え?
Iちゃんは?

そう聞くと
「最初は一緒にいるけど、すぐ違う友達の所に行っちゃうの」
と。

続けて
「うちは、楽しくない子だからかな?」
と言った。

正直、子供間の中ではあるあるな話だ。

私だってそう思っていた幼少期もある。

いや、これは大人になってもある話だ。

「じゃあまるちゃんも、一緒についていけばいいのに」
「それか、まるちゃんも違う友達といればいいじゃない?」
「それにIちゃんは、、ほら、そういう子じゃない?」
と矢次に話かけるも

一緒には行けない
違う友達は楽しくない

と娘は首を振った

そして
「1人が嫌だから絵を描いて時間潰した。皆にひとりぼっちって思われるのも嫌だ」と言った。


昔は絵を描くことが楽しくて、1人で黙々と描いていたのに。

今は「ひとりぼっち」を隠すために
絵を描いている。

なんだか胸がギュッとなってしまった。

でも、友達の事は親はどこまで口を出すべきだろう?

私だって、友達のことを親に話したりした記憶すらない。
恥ずかしかった記憶もある。
自分で乗り越えてきた今がある。

私は背中を押すしかないのだ。

「一度、まるちゃんも素直にIちゃんに寂しいよって言ってみたら?」と言ってみたが

「出来ない」
とだけ言った。

「じゃあ、、今日一日だけ心を休めようか。でもね、乗り越えなきゃいけない事がある。まるちゃんが1人が嫌なら、どうしたら1人にならないか、、考えてみよう」
そう言って学校を休ませると
とても安堵した顔になっていた。

でも、これでいいの?
甘やかしてる?

自分の中では物凄く葛藤していた。