5年生になっても
先生は変わらなかった。
良くも悪くも。
あれから盗難事件は忘れた頃にちょこちょことあったようだが
物も小さい物とか、結局何処かに捨ててあったりと見つかった事もあってか、特に大きな問題としては騒ぎにしていなかった。
保護者達の中では、やはりこの事に疑問と思ってる人達もいたが、題材として取り上げる人は誰もいなかった。
そんな中、まるちゃんは相変わらず喧嘩をちょくちょくしていた。
仲直りしては、また喧嘩。
その対象は2人。
2人とも保育園からの友達だった。
1人の子「R」は帰る方面も一緒で、帰りは一緒に帰って来る事もあった。
私的には「犬猿の仲」でもあり「本音を言い合える、分かり合えばよい友達になる」位に思っていた。
実際、行動する時とか何かを聞く時は必ずこの子に連絡していたからだ。
もう一人の子「A子」は
保育園時代から
「気の強い子」と有名な子で
この子に関しては
話を聞いていても
「お姫様気質」で
「上から目線の子だった」
私は「気にするな」とまるちゃんに言っていた。
喧嘩するのはこの2人。
そして、まるちゃんには唯一
「親友」と呼べる
Iちゃんがいた。
Iちゃんのママとは私も仲が良くて
家族付き合いをしていた。
お互いの家に行き来したり
毎週どこか遊びに行ったり
お互いが子供を預かったりと
良い関係だったと思う。
が。
ある事だけは
少し合わなかった。
それは
約束を守らないのだ。
社交辞令と言われればそれまでなのだが
「連絡しますねー」
と言って連絡は来ない
「日曜日遊びませんか」
と言われて連絡がなく、連絡入れたら
「いま〇〇にいるんですー」
と悪びれもなく言う感じなのだ。
まぁそれは、親の方の問題だから
Iちゃんは悪くない。
そう思っていたが
やはり、そこは親子。
ある時、まるちゃんが約束していたが
ドタキャンした挙げ句
違う子と遊んでいたりと
私達は振り回されていた。
そのうち、まるちゃんに期待をさせないようにと
「あの親子の約束は本気にしちゃ駄目だよ。」と言うようになっていた。
実際、そう説き伏せておいて
まるちゃんの期待をもたせなくて良かったと思った事は、数え切れないほどあった。
思えばまるちゃんが不安定になっていったのも
このIちゃんが一因だったと私は思ってしまっている。