娘の学校への行きしぶりは


小学生に入った頃からあった。



保育園の時から


「勉強が出来ないかもしれない」


「運動が出来ないかもしれない」



まだ行ってもいない学校なのに


この頃から学校に対する不安があった。


「みんな最初は出来ないんだよ」

「みんな、これから一緒に勉強するんだよ」


不安を解消する為に、何度励ましただろう。


実際、学校に行き始めたら


勉強が出来ないという不安は何処へやら。


皆と同等の学力だったと思う。



それでも


「今日はいい日になる?」

と娘は私に毎日聞いてきた。


この言葉は私が娘に魔法のように言い聞かせてきた言葉だ。


「今日もいい日になるよ。」と。


娘はその言葉を聞くと、いつも安心したように


「行ってきます!」


と元気に出て行った。



そんなある日、娘が


「H先生が怖い」


と泣くようになった。


H先生は担任の女性で年配の人だった。


私達保護者には物腰静かな印象で、いつもニコニコして挨拶してくる先生だった。


「なんで?」

と聞くと


「他の子が授業中にトイレ行きたいって言ったら、すごく怒って立たせられてた。」と。


「トイレ行かせて貰えたの?その子」

と聞くと


「行ってたと思うけど、その後もすごく怒られてたの」


娘の顔は不安でいっぱいの顔になっていた。


「まるちゃんが怒られてた訳じゃないよね?だから、そんなに不安にならなくても大丈夫だよ。」


そう言って抱きしめた。


それから、少し経ったある日。


娘がお漏らしをしたと連絡があった。


今度から着替えを用意して来てください。と。



保育園時代にもお漏らしなどした事がなかったので不思議に思っていた。



帰ってから娘に聞くと


「授業中だったから、怖くて言えなかった、、」と答えた。


休み時間は何してたのか聞くと


「勉強の問題が解けない子は休み時間も勉強しなきゃいけないの」と。


娘はその勉強をしないと怒られると思って、勉強を優先した結果授業中にトイレを我慢し、言えずにお漏らしをしてしまったようだった。


そんな時は先にトイレを済ませてから勉強する事や、授業中でも我慢しないでトイレ行きたい時は言っていいんだよ。

と教えたが


娘はそれ以降

お漏らしの回数が増えていった。


着替えが必要な位のお漏らしや


下着が濡れる低度のお漏らしは、先生にも黙っていたようだった。


どうしたものかと先生に相談をした。


すると先生は

「なぜ娘さんはトイレに行きたい事を伝えてくれないんでしょうね。」と聞いてきた。


「娘は先生に怒られるかもしれないと思って言えないようなんです。

娘は不安性といいますか、、

まだ起こってもいない事に不安がる所かありまして、、」


そう伝えると先生は

「そんな事(怒る事)ないんですけどね。今度から気を付けて声かけますね」

と微笑って言ってくれた。


私はその言葉に安堵していた。


しかし、その後、、、


娘が先生に対してトラウマを持つ出来事があったのだった。