清水晴恵 収納コーチ
1957年大阪生まれ。
小学校は仁徳天皇稜のお堀をぬけて通い、中・高校は窓を開けると田んぼごしに法隆寺の塔が見える場所に住んでいました。
私は左利きのため、家の中は左手で取りやすい方向に置かれています。右利きの方はこの世の中が右手仕様に出来ていると感じたことはあまりないかもしれません。しかし、左利きにとっては、自動改札も右手でタッチしやすいようにデザインされ、チャック式のお財布も右手で開けやすいようにつくられています。マグカップも正面の模様は裏側になります。世の中の何気ない物が左利きには 「ん?」と思う事ばかりなので、世間の価値観に縛られる事無く、自分が使いやすいように加工して50年暮らしてきました。
サラリーマンの長女としてうまれ、専業主婦の母親の家事を見て、育ちました。家の中はいつも整理整頓されていました。母親の母も整理上手だったと聞いています。100年の歴史かな? 私の収納術は 合理的・機能的な収納です。一歩でも少ない歩数で生活するために、レイアウトを考えます。
そして、重たい荷物を持つのが嫌いです。 私の学生時代の合理的な工夫は、ルーズリーフ形式ノートです。今から40年くらい前、各教科のノートを持っていくのが、重く感じた時、ルーズリーフとバインダーだけが、便利と思いつき実行しました。
当時はルーズリーフを使用しているクラスメートはなく珍しそうにみていました。私は軽くなった鞄が嬉しかったのを覚えています。 私立中・高・短大と女の子ばかりで、エスカレートの8年間。学年みんなが友達という楽しい学生生活でした。その中で、のびのびマイペースなやり方が徐々に形ついていきました。
短大を出て、花のOLになりました。バブルに向かう高度成長の昭和50年代。コピーとり・お茶くみをルンルンしておりました。お得意様は、ひよこのわたしにまで大サービス。接待を受けておりました。
パソコンやワープロもなく、あるのは電話と手書きFAX。請求書はタイプ担当者に下書きを届け、つくってもらっていました。時間中は、ガンガン電話がはいり、タバコと話す声が飛び交う事務所内でした。
昭和57年、東京への転勤がきまり、妊娠6カ月で上京。夫のお母さんが美容室を経営していたので、いよいよ保育園に一人息子を預けて美容師生活が始まるはずでしたが、子供が重症アトピーでアレルギーによる蕁麻疹を起こす為、給食が食べられず退園。美容室の食事つくりを担当することになりました。
その頃、私自身も重症筋無力症を発病、胸腺を摘出。姑は長年の美容室経営の経験から 「食べ物の好き嫌いと、性格は関係する。好き嫌いなくたべるは、人間関係も好き嫌いが少ない」が持論。野菜たっぷりのバランスのとれた食事をやりくりしながら10人分くらいつくっていました。
私はそれを受け継ぎ、お正月にはおせち料理を30人分くらい手作りしていました。 夫が休日の日は、結婚式場の仕事(花嫁・花婿着物着付けとメイクアップ)をしました。
結婚式場は何もなくて当たり前。一生に一度の晴れ舞台、失敗は許されません。そのプレッシャーの中、花嫁さまと共に、最高のお姿を限られた時間内で作り上げる臨機応変力を学びま
した。その場にあるもので、ニーズに答えるべく工夫する力がつきました。花嫁さまの個性を受け入れ、相対評価ではなく、絶対評価で寄り添う喜びを学びました。
結婚式場が閉館となったことを機に、夫の経営する会社を手伝うようになり、総務・企画・経理を担当しました。零細ながら、オリジナル商品を製造するメーカーでしたが、残念ながら工場の閉鎖、そして少子化の波にもまれ廃業を経験しました。
商品自体は受け継いで下さる会社があり、工場や会社跡は住宅に変わり、何も残っていませんが、今も販売されています。この体験から、モノ作りの職人魂の素晴らしさとモノに込められた歴史を感じるようになりました。「この羊羹には、どれくらいの汗とドラマがあるのか」と食べる前にしみじみ見てしまいます。
会ったことのない親戚の遺品を整理しました。妻に先立たれ一人暮らしの伯父でした。急に運ばれましたので、家の中はそのままでした。食品を処分し、日用品・洋服を処分し、仏壇まで対応を迫られました。おばさんにあたる方の遺影も片付けました。家族にとっては大切なモノが、一歩外から見るとどのように見えるのかを感じた経験でした。
友人の家族が火事になりました。結果的には新しい出発で賃貸物件のオーナーになりました。焼け出され、日用品や洋服など友人からの寄付からスタートですが、家族の絆・友人の絆が強まったようで淡々と明るく現状復帰する姿は 人が本来持っている強さを感じました。何もない処からの復興ですが、友人の雰囲気は以前と変わらなかったので、モノが変わってもその人らしさは現れるとわかりました。
趣味で編み物の講師をしています。技術を伝え作品が仕上がっていく喜びを生徒さんと共に味わっています。 収納片付けもお稽古として多くの方が学ぶ事もよいのかもと感じています。 すっきりした空間で自分らしく生きる方が増えていくことを望んでいます。