harue-31のブログ

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独学で学んだ知識でワードやイラストレーターを使ってイラストを作成しています。
読んだ本を読み返し、昔との違いを実感するのが大好きです。趣味は相撲、プロレスなど。
このブログでは、作成したイラストをブログにのせています。何かのお役に立てましたら幸いです。

宮城県にはキツネのイメ-ジが強い地域ではあります。

宮城県の山間部は自然豊かで、狐が身近に感じられる土地柄です。

 

《 あらすじ 》

 

昔、政治郎(せいじろう)とハルという貧しい夫婦がいたそうです。

信心深い猟師(りょうし)の政治郎は、毎日近くの稲荷(いなり)神社にお参りすると、野山で鳥や獣(けもの)を捕って暮らしていました。

 

 

大雪の降ったある冬の日のこと、政治郎は深い雪の中を方々歩きまわりましたが、その日は一日かかって、やっと一羽のキジしか捕れませんでした。

(今日はしかたがない。帰るとしよう)

日も暮れかかったので政治郎が家へと戻(もど)りかけたそのとき、突然、目の前に、キツネが現れました。

政治郎はすかさず鉄砲をかまえました。

するとそのキツネは、逃げるどころか、政治郎のほうに近寄ってきて言いました。

 

 

「お前は政治郎だろう。私の家ではたくさんの子どもが腹をすかして待っているんだ。だけどこの大雪のせいで、食べ物が見つからないで困っている、すまないが、腰にさげたそのキジをくれないか」

優しい政治郎は、ようやく捕ったキジでしたが、キツネにやることにしました。

 

 

「さっき近くで、ほかの猟師が罠(わな)をかけていたから、気をつけて戻りなさい」

次の日の朝、政治郎は、鉄砲の手入れをしながらハルに言いました。

「おい、ハル、猟に出かけるから弁当をくれ」

すると政治郎に劣(おと)らず心の優しいハルは、小さな声で言いました。

「お前さん、すまないねえ。うちにはお金がなくて弁当が作れないんだよ。だけど、ちょっと隣(となり)で借りてきますから」

政治郎はこのところ猟に出ても、獲物がなかったから、ハルにお金を渡していなかったことを思い出しました。

「すまん。今日はたくさん獲物を撮ってくるから、待っていてくれ」

政治郎はそう言って、ハルが何とか作ってくれた弁当を腰に下げて出かけました。

 

 

けれども、その日も一日中歩きまわって、やっと二羽のキジを仕留めただけだした。

帰る途中、政治郎はまた、昨日のキツネに出会いました。

キツネは、

「政治郎、すまないがそのキジを二羽ともくれないか。子どもが腹を空かせて待っているんだ」

と頼みました。

政治郎はハルの苦労を思うと胸が痛みましたが、すぐに承知して二羽ともキツネに与えました。

次の日の朝も、政治郎はハルに弁当の用意を頼みました。

ハルは、二日もひもじ思いをしていましたが、ぐちひとつこぼさず、隣で借りたお金で政治郎の分だけ弁当を作ってくれました。

その日、政治郎は、キジを三羽仕留めました。

 

 

ところがまた帰る途中でキツネが待っていて

「政治郎すまないがそのキジを三羽ともくれないか」と言いました。

政治郎はハルのつらそうな顏を思い出しましたが、深々と頭を下げているキツネを見ると、とても断ることができません。

だからその日も、政治郎はキジを三羽ともキツネに与え自分は手ぶらで家に帰りました。

 

 

雪も溶けたある日のこと、若くて美しい娘が、政治郎夫婦の家を訪ねてきました。

「私はあの大雪の日、お前さんに助けてもらったキツネです。お前さんのおかげで子どもたちを無事に育てることができ、今日はそのときのご恩を返しに来ました。どうぞこれを受け取ってください」

と言って、たくさんの小判を置いて、娘は姿を消しました。

 

 

こうして政治郎夫婦はその小判を元手に、別の商売を始め、猟師の仕事はやめることにしました。

 

 

そのころ、キツネが化けた娘は大名屋敷で奉公(ほうこう)をしていました。

美人でよく働く娘を、殿さまは大変気に入りました。

やがて娘の奉公が終わる日になると、殿さまは、

「これは褒美(ほうび)だ」

 

と言って、箪笥(たんす)やら、鏡台やら、きれいな着物やらをたくさん娘に与えました。

娘はありがたくそれを頂戴すると、殿さまに頼みました。

「殿さまお願いがあります、これは、里に住む政治郎夫婦のところに届けてください」

その日、殿さまが娘のために特別に開いてくれた、別れの宴(うたげ)がはじまりました。

娘は大勢の人から勧(すす)められて、ついつい酒を飲みすぎ、酔っぱらって寝込んでしまいました。

 

 

ところが、眠っている娘を見ると、尻(しり)からキツネの尻尾(しっぽ)が出ているではないですか。

殿さまもそこにいた一同はびっくりして、たちまち大騒ぎとなりました。

しかし、その騒ぎのうちに、娘の姿はどこかへ消えてしまいました。

やがて、殿さまは娘が望んだとおりに、箪笥や鏡台などをすべて政治郎夫婦のもとに届けてやりました。

おかげで政治郎夫婦の商売はますます繁盛(はんじょう)して、いつまでも幸せに暮らすことができました。

 

《 わたしの感想 》

 

政治郎がキツネと出会う物語です。

自然と人間の共生や、山の神秘性がテーマになっています。

宮城県らしい情景が浮かぶ雪深い里山の風景と東北らしい静けさとが物語の魅力となっています。

日本昔話のキツネは、人を化かしたり滑稽ですが、でも、本当は情が深いという二面性を持つことが多いです。

昔話の主人公は、素直、勇気、優しさなどを試される場面があります。

今回、政治郎はキツネに騙されつつも最後には助けられたりで政治郎が成長する物語だと思います。