ここんとこ忙しくて、
「これいじょうやると死んじまうぞ!」って感じだったんだけど、
止まない雨は無いわけであって、寸暇を楽しめたわけであります。

日曜の朝、娘に朝食を食べさせていたら携帯が鳴った。
基本的に、オンオフのない仕事してるので、休日だろうが、早朝深夜だろうが電話がなります。

「直しが入った!」とか、「打ち合わせが入った」とか、基本的に嬉しくない連絡が多いんだけど、
今回は吉報来来。

僕の尊敬するディレクター・ナカムーさんから釣りのお誘いです。
本来は家族サーヴィスの日でしたが、あまりに僕が嬉しそうに電話してたのを見て、
嫁さんが慈愛に満ちた表情で「いってらっしゃい」と言ってくれたので、遠慮なく行きました。
近いうちに穴埋めします、ゴメンナサイ・・・


というわけで、小雨の降る中、赤兎馬を走らせたわけであります。

バイクっていう乗り物は、渋滞知らずで、小回りが利いて、維持費が安いってのが利点なんだけど、
雨に弱い、荷物運べない、危ないという三重苦を抱えています。

釣りっていうのは、道具が多くて運転しにくくて、おまけに雨降ってるんだから、
これ以上ないくらいにアウェイな状態です。
でもね、釣りバカなんだからショーガナイんです。
こうして事故も無くピンピンしていることに感謝しております。

今回の釣りは、胸まである長靴をはいて干潟にズンズン入っていくウェーディングという釣り。
場所は、船橋から浦安まで広がる三番瀬という干潟。
春先には潮干狩りで賑わう素敵な場所です。
干潟へのエントリーはふなばし三番瀬海浜公園から。
駐車場に着くと、すでに到着していたナカムーさんが準備中。
もう一人の仲間、ニッシー(西川君)は先乗りして、1尾上げたとのこと。

「これはグズグズしてられないわ!」と急いで浜へ向かいます。

春一番が吹いたとはいえ、海水は冷たいわけであります。
下着の上に、インナーパンツ、Gパン、スウェットと三枚重ねで臨んだのに、
海に浸かったとたんに  「海をナメてたよ・・・」ってな状態に。
次はもう一枚オーバーパンツを追加しよう。

ってな具合で、ニッシーお勧めのポイントで実釣開始。
ほどなくして、ナカムーさんのリールが「キリキリキリ」とドラグ音をたてる。
「来た!」 干潟にこだますナカムーヴォイス!

見ず知らずの釣り人の「来た!」はイラッとするけど、
同行人の「来た!」嬉しいものです。

ほんの2~3m先で食いついたらしく、竿がグイーンと曲がり、寒さなんて一瞬で吹っ飛ぶこの衝撃!
だから釣りはやめられない!

自分のことのように書いてるけど、釣ったのはナカムーさん。
格闘の末、揚がったのは75cmのランカーサイズのシーバス。

シーバスっていうのは、淡水のブラックバスに対して海のバスってことで付けられた通称で、
日本語では「スズキ」っていう魚。
出世魚で、「セイゴ」→「フッコ」→「スズキ」と、大きさで呼び名が変わるんだけど、
今回ナカムーさんが吊り上げたのは、正真正銘の「スズキ」サイズ。

こんなに大きな魚が目と鼻の先を泳いでいるんだから、海って素晴らしい。
東京湾は汚いと思われがちだけど、意外に豊かなんですよ。


潮干狩りに来ていたおじさんギャラリーから拍手が上がる。
おめでとう、ナカムー!

その後、ニッシーもさらに1本追加して、ボウズの僕にプレッシャーが掛かりだす。


潮の満ち引きで、これい以上粘ると泳いで帰らなくちゃならなくなり、時間切れ。
数人での釣行の場合、ボウズの人に対する扱いが難しい。
あからさまに哀れんじゃいけないし、自分だけ釣った喜びをひけらかすのもマナー違反。


そりゃ、釣れなくても釣り糸を垂らすだけで楽しいのが本当の釣り人なんだけど、
本音はやっぱり釣りたいわけで、
ナカムーさんが気を使って「まぁ、投げながら帰ろう」と言ってくれました。

歩きつつ、投げつつ、巻きつつ、を繰り返しながら
「家族サーヴィスをドタキャンした報いだな・・・」なんて自分に言い聞かせてたら、

ズン!

と、重くなった。


根掛かりだよなぁ、新品のルアー無くしたくないなぁ、1500円もしたのになぁ・・・

なんて思ってたら、なんかブルブルしてるし、これってあれだよ、あれ!


せいや!

っと合わせを入れたら、竿がしなって、ギーっとドラグが鳴る。
いつ聞いても血液が沸騰する音です。

「来たー!」

まさかのロスタイムってやつです。

パチンコで最後の500円で大当たりするようなもんです。

電車でばったり初恋の人に会うようなもんです(これは違うか・・・)


このタイミングで掛かった獲物・・・絶対にバラせない。

努力と根性と、無心で釣りあげたのがこちら↓



ハル便り ~色食是空~   西川治彦-bass



立派なスズキさんです。



これからシーズンなので、時間作って釣りに行きますです。