最近よく昔のことを思い出します。


多分自分が小学生くらいの頃のこと。



いままであまり自分の幼少期を懐かしむ事ってなくて。


歳をとって記憶が曖昧になって、全部忘れてしまってたのかな…と思ってました。


違った、ちゃんと覚えてた。




記憶の箱の蓋が開き始めたきっかけは、闘病中の父です。


肺がんのステージ4で、手術は出来ず、抗がん剤で頑張るしかない現状。



それでも、寝たきりにならず、定期的に悪化して入院しても、何度も自宅に帰っている父。


今年の3月と5月に、新幹線を乗り継いで遠方に住む私のところへ会いに来てくれた。


すごくすごく嬉しかった。





ただ、最近いよいよ身体が弱ってきているようで。


5月に父の様子を目の当たりにした私も、現実を受け入れないといけない時が来てしまった。


すっかり痩せてしまって、食事もほとんど何も食べなくて。


調子が悪くて、ものすごくしんどそう…。





必ず定時に仕事を切り上げて、18時までには家に帰ってきていた父。


毎日必ず家族全員で食卓を囲んで夕食を食べていました。


休みの前の日は、弟と一緒に夜釣りに連れていってもらったり、山奥で川遊びしたり、夏休みは毎週末海水浴に連れていってもらった。



畳に川の字で並べた布団の上を「いもむしコロコロ〜」って何回も何回も一緒に転がってくれたり。


中学生になって履くようになった指定の革靴を、定期的に磨いてくれたり、自転車のメンテナンスも常にしてくれていて。


社会人になってからは、洗車も気付かないうちにそっとしてくれていて。






昔だけじゃなく、最近のことも。


私の結婚式で、花嫁の手紙で泣いてたことも。


妊娠した時も、ワークマンの靴が滑らなくて妊婦に良いらしいぞって買って送ってくれたり。


帰省した折に、海の見える島の高台まで1歳の長女を抱っこして登ってくれたり。




この時の動画見返してたらなんだか泣けてきて…

抱っこして山歩きできるぐらい元気だったのになって。

母に電話したら、ちょうど父もこの時の動画を見返していたみたいで。

それがまた泣けて仕方なかった。






日々の暮らしにいっぱいいっぱいで、思い出して来なかった父との思い出が溢れて止まりません。



……そして、夜眠れなくなってる。


涙が止まらないのです。


どうせ眠れないから、ブログに気持ちを書き綴らせてください。








父は退職してから1度も人間ドックに行かなくて。


酒もタバコも絶対やめなくて。


だから癌になって、それがステージ4だとしても、ある意味仕方ないよな…とは思う。



仕方ない、けど、やっぱり寂しい。


父がいなくなったらどうしよう。






ザ昭和の父親って感じで、言葉尻はキツいし、褒められた事もそんなに無いし……あんまりゆっくり語り合えるタイプの父ではありませんでした。


反抗期は無かったけど、積極的に喋ったりしない時期はあったかも。(口を開けばキツイ言葉で何か言われるから)



それでも、たくさんの時間を一緒に過ごしてきてくれたんだよな…と。



昔は気付かなかった、表面的じゃない見えにくい優しさでずっと見守ってきてくれたんだな……と、多分結婚して子どもが出来てからはじめて気付きました。






子どもが産まれて。



私も親になって。



もし我が子が自分より先に逝ってしまったら…って考えると怖くて仕方なくて。



だからある意味、親を先に見送ることができるのは有り難い事なんじゃないかなと思う。



無事結婚して、結婚式で感謝の気持ちを伝えられて、孫も2人も抱いてもらうことができて。


もう、充分だ。


と思う自分がいる。


でも、やっぱり寂しいな。


と思ってしまう自分もいる。









今年の年末年始に、父が肺炎になって緊急入院して。


もうこれ以上酸素入れられなくて覚悟しないといけなくなって。


でもそこから奇跡的に回復して。寝たきりにもならなくて。



3月には初めてマイホームへ遊びに来てくれたんです。


それだけでも嬉しかったのに、更に5月の次女と私の誕生日にも来てくれて。




次女2歳の誕生日。

1歳の時はできなかったお祝い。

みんなでお祝いできたの本当に幸せでした。




もし年始に天国へ旅立っていたら、この楽しかった思い出は無かったんだな…と思うと。



私も欲が出ちゃったんでしょうね…。



もっと父に生きていて欲しい、と。



これからも、もっと楽しい想い出を作りたいのに。




今年から始めた家庭菜園。

トマトの誘引や、肥料を買ってくれたり、畑好きだった父が色々教えてくれました。




命には限りがあること


時間は無限ではないこと


大切な人とずっと一緒にはいられないこと



……痛感してます。







呼吸が苦しくなるので、あまり長い時間喋れないみたいで。


父とたくさん昔話したいな…と思う。


あんなことあったよね、こんなことあったよねって。


もっと元気な時にしておけばよかったな。




そもそも父はあんまりゆっくり語らってくれるタイプではないので、難しかったかな。





末期癌の父に、どう接すれば良いのか、迷ってます。




ただ、長女が幼稚園夏休みになったら、すぐ帰省したいと思ってます。



それまでどうか、どうか。


まだ逝かないで待っててほしいな、と願うことしか出来ない。