生きることの痛み ~過去を受け止める~ | Wind of imagination ~創造の風~

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大阪で調香師をしています
香りや植物を通して思うままに綴ります

先日、熊本での調香の勉強会に参加してきました。
ここ1ヶ月ほど、自分自身のことで考えることがあります。熊本に訪れる前日にも、まだ過去に起こった現実を受け入れられない自分というのに気が付き、どうしたものかと悩んでいました。

勉強会の当日、新幹線で九州に入ったあたりから、周りがゆったりと穏やかに広がって、自分の心がゆるやかに広がっていくという感覚になっているのに気が付きました。
以前、鹿児島県に住んだことがあって、その時にはっきりとわかったのですが、九州は私にとてもあっているらしく、九州に訪れるたびにそういう感覚を覚えるようになりました。今回も同じような感覚で、悩んでいて感性が鈍っていた私にとって本当にありがたかったです。

勉強会では、九州のそういった穏やかなイメージ、土のイメージをきっかけに、ガルバナムという香料を指定料入れてというテーマで行われました。
熊本にも少し縁があった私にとって、ずっと心の奥にある過去の出来事を受け止めるには今回は自分を見つめる良いきっかけになるのではないかと思い『過去を受け止める』というテーマで香りを作りました。

最 初は『受け入れたい』と思って自分の内面を掘り進めていきましたが、受け入れられないということが香りからわかったので、無理にやらなくても、九州の土の ように、ゆったりとあるがままに『受け止める』ことをイメージして香りを作りました。強がらない、無理をしない私を表現することができました。


そ の香りを作ったことで、自分なりにちょっと一区切りできたかなと思っていましたら、その晩に過去の出来事と関連したことが夢に出てきました。目覚めてみ て、まだまだ自分は受け入れられていないということに気づき涙があふれてきました。今でもその夢で見た感覚が生々しく胸に残っていて、それに感情が囚われ ています。


生きることの痛み。私のこんなちっぽけな経験ですら痛みを覚え、そして生きているのに。もっともっと私の周りで大変な 痛みを持って、それでも生きている方々はすごいと思う。私はなんて弱いんだろう、もっと優しさと強さを持ちたい。そして、いつかそんな痛みを抱えている 方々の力になりたい。




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