私がいつも行く、スーパーの中の化粧品屋さんで

この前、化粧品を買った時のこと。

店員さんが、こう話しかけてきました。

『〇〇さんはお元気ですか?まだ入院してる?』

〇〇さんというのは、祖母のこと。

実は祖母はよくこの店で化粧品を買っていたそうで

店員さんと顔なじみだったのです。

…というのを私が初めて知ったのが今年の夏。

一時期、体調が良くなった祖母が

退院して、体力作りのために歩こうとしていた時、

『もう夏だから、夏向きの白い靴が欲しい』

というので

はるるとあるるも一緒に、祖母を車に乗せて、

スーパーへ靴を買いに行ったのです。

祖母は91というのに、とてもおしゃれで

黒い靴は、履きたくないと言うのでした。

一緒に選んで買った白い靴。

『せっかく来たんだから、はるるとあるるにアイスを食べさせたい』

と、一緒にアイスクリームを食べました。

その後で

『寄りたいとこがある』

というので付いていくと、
私の行きつけの化粧品屋さん。

祖母も常連だったのです。

その時、対応したのが先ほどの店員さんで

私が孫というのを初めて知ったのです。


祖母にとっては、その買い物が最後になってしまいました。

それからすぐに体調を崩して入院し
2ヶ月後天国へ旅立ってしまったから。


その定員さんとはそれ以来、久しぶりに会ったので

当たり前だけどご存知なかったのです。

『実は8月の終りに亡くなったのですよ』

そう私が言うと

突然、涙をぽろぽろと流し

『そうだったんですか…〇〇さんが来るのをいつも楽しみにしてたから』

と言うので

びっくりしてしまいた。


『〇〇さんて91歳には見えないくらい、元気でおしゃれで、お店に来ても気さくに話してくれて、店員みんなが元気をもらっていたんです…』


聞く話、すべてが初耳で

そんなに慕われてたんだと

驚きと同時に

見習いたいなあと…


確かに死ぬ間際までおしゃれで

看護婦さんが

『身体がほとんど動かないのに毎朝、丁寧に顔を洗って髪をとかす』

と感心してたくらいだった祖母。

毎日、必ず化粧をしていた祖母。

おしゃべり好きで誰とでも気さくに話す祖母

そんな姿が若い店員さんの励みになっていたんだなぁ…


店員さんに涙を流され、話しながら私も涙…

なんだかじーんと胸に来てしまいました。

決して愛想がいいほうではない私。

祖母みたいな歳の取り方したいなあ……。

と改めて感じた出来事でした。