令和5年8月18日、「渡くんの××が崩壊寸前」第15巻が発売となりました。
(表紙は館花紗月)
何故、6冊あるのかについては後程に説明させて頂きます。
さて、第14巻のラストにて、この物語は決定的な局面を迎えたと言っても良いのでしょう。
(決定的な発言(14巻第6話))
お互いの想いを確かめ合い、遂に恋人同士となった館花紗月と渡直人!
続く第15巻ですが、衝撃の展開です!
夏休み限定とは言えども、この2人は同棲なるものを始めてしまうのです!!!
(これはもう表紙の帯にデカデカと書かれてることなので、内容のネタバレでも何でもありません。安心(?)して下さい。)
こんな具合にようやく幸せを掴んだ館花紗月なんですが、これに至るまでの道のりは果てしなく長く、そして実に険しきものでありました。
物語の序盤における館花紗月への渡直人の邪険な扱いは、もう本当に読む者の心をギリギリと締め付けるものだったと言えましょう。
(最悪な再会(1巻第1話))
上に載せたシーンなど実に酷いものです。
久々の再会であり、超絶ヒロインの初登場シーンであり、そして頬を赤らめて嬉しげな表情を浮かべる制服姿の館花紗月はメッチャ可愛いと言うのに、渡直人は人殺しのような表情をその顔に浮かべ、麗しの彼女のことを「畑荒し」呼ばわりするのです。
このシーンを皮切りとして、それこそ10巻くらいまではその程度をいくらか減じさせつつも、渡直人の館花紗月に対する酷な態度は続いていくこととなります。
こんな感じに振り返ってみると、館花紗月はよくぞこれまで耐えたものだとの思いを抱かざるを得ません、
ということで今回は、第15巻発売記念、そして二人の同棲記念ということで、これまで渡直人が館花紗月に示した酷い態度・ワースト5について紹介させて頂きます!
ここに挙げるシーンを見てから第15巻を読めば、館花紗月の幸せがより一層心に沁みるであろう、それはまさに珠玉のセレクションなのです。
以下、ワースト5からカウントダウン方式で紹介させて頂きます。
よろしければご覧下さい。
ワースト5:3巻第1話の海のシーン
【概要】
第3巻において、渡直人と館花紗月は徳井の誘いで石原紫やクラスメイトと共に海へ行くこととなります。
なお、この海行きに備えて館花紗月は気合いを入れて可愛い水着を選んでいました。
そして、いざ海に辿り着いた冒頭付近の場面が問題のシーンとなります。
色々あって波打ち際に二人で佇む館花紗月と渡直人。
館花紗月は水着をアピールするものの、残念なことに渡直人の態度はすこぶる冷淡でした。
(可愛い水着姿なのに…(3巻第1話))
ここで館花紗月は海に来たことが始めてであることや、泳ぎ方が分からないことを渡直人に明かします。
戸惑いを覚える渡直人に対し、一緒に海へ入ろうとそれとなく誘いを掛ける館花紗月。
心揺らぎ始める渡直人。
けれども、乱入してきた徳井野郎によって、漂う悶々とした空気感はぶち壊しとなってしまいました。
徳井野郎の奸計により、その場を去らざるを得なくなった渡直人は去り際に「後でちょっとだったら一緒に海に入ってやるから」と告げます。
館花紗月は驚きの表情を見せた後、それはもう嬉しそうな幸せそうな表情で頷きます。
(果たされなかった約束(3巻第1話))
しかし、可哀想なことに、この約束が果たされることはありませんでした。
ということで、このシーンの「酷いポイント」を纏めてみます。
【酷いポイント】
①せっかく気合い入れて選んだ水着をスルーされてしまう。
②泳ぎを教えて欲しいとコミュ障の館花紗月としては最大限の努力て以て渡直人にお願いし、約束を取り付けたものの、結局は裏切られてしまう。
中々に酷いシーンです…。
自分の願望を伝えることが不得手な館花紗月にとって、一緒に泳ぎたいと渡直人に意思表示することは、相当に強い願望だったのではと思えてなりません。
なお、3巻は言わば『石原巻』ですので、基本的に館花紗月が冷遇される場面は多くなっています。
ラストの場面も中々に酷いものです。
(怒り(3巻第6話))
ワースト4:7巻第3話の渡家でのシーン
【概要】
7巻は夏休み。
「自立すること」に心囚われた渡直人は、バイトや家事、そして石原紫との恋愛を並立させるべく奮闘しています。
そんな日々の中、事件は起こります。
何だかんだでキャパオーバーとなり夕食の準備が出来なかった渡直人。
その渡家に、弁当を携えた館花紗月が現れます。
何でも渡鈴白が窮状を伝え、それを受けた館花紗月がバイト先から残り物である「ステーキ弁当」を持って来てくれたのです。
お礼を言うのもそこそこに、ステーキ弁当を無我夢中で平らげる渡直人。
そんな彼に対し、館花紗月は様々なことをひとりで抱え込む彼の姿勢に疑問を投げ掛けます。
困惑を深める彼に対し、彼女はこう語り掛けます。
「何はともあれお疲れのようですネ、膝枕でもする?」と。
彼女の言葉に、そして色香に「ぐらぐら」とした渡直人は、「できるか」と言い放ち「石原さんに電話(する)」と言い放ってから、その場を立ち去ってしまいます。
(「できるか」(7巻だ3話))
ということで、このシーンの「酷いポイント」を以下に纏めてみます。
【酷いポイント】
①わざわざ弁当持ってきてくれたのに大してお礼も言わない。
②気遣ってくれる館花紗月にキレて、当て付けがましく石原さんに電話しに行く。
7巻の渡直人は基本的に情緒不安定モードなので止むを得ないとは思えますが、せっかく気遣ってくれた館花紗月に対し、この態度は無いんじゃないの?と思えてしまいます。
良い感じに酷いです!
(そもそも、この「ステーキ弁当」ってホントに「残り物」なんですかね?)
ワースト3:6巻第3話の高校のプールサイドでのシーン
【概要】
ワースト3として挙げさせて頂いたのは6巻第3話における高校のプールサイドでのシーンです。
「ワースト5」のエピソードでも述べた通り、館花紗月は泳ぐことが出来ません。
そのため、学校の体育の授業の単位がヤバいことになっています。
なので、夏休みも高校のプールで練習することを余儀なくされています。
そんな感じで館花紗月が苦心惨憺しているプールの近くに渡直人がやって来ます。
石原紫とのデートを控えた渡直人は彼女とのメッセージのやり取りを見てニヤけるばかりです。
その渡直人の元に館花紗月が現れ、幼き日の渡直人との思い出を語り、色々なことを教えてもらったと指折り数え、それとなくですが水泳を教えて欲しいとの気持ちを示します。
けれども、渡直人はそんな彼女の切なる願いを拒否してしまうのです。
(拒否(6巻第3話))
ということで、このシーンの「酷いポイント」を以下に纏めてみます。
【酷いポイント】
①過去の思い出を総動員して切々とお願いしてきたのに、渡直人は無碍にそれを拒否してしまう。
②石原紫との交際の楽しさに浮かれる渡直人の心には、館花紗月の願いは響かない哀しさ
幼き日の思い出を何時になく冗舌な調子で語り、彼女なりの精一杯の意思表示で以て水泳を教えて欲しいという館花紗月と、そんな彼女の願いを無碍にも拒否してしまう渡直人という、心を抉ってくる中々に酷な場面です。
このシーンの直後の、虚ろな瞳をした館花紗月の表情も、彼女が抱く哀しみを切々と表わしているように思えます。
(虚ろな瞳(6巻第3話))
物語屈指の切なくも哀しいシーンと言えましょう。
勿論、渡直人としても何とも思っていない訳ではありません。
その直後には、館花紗月との「幼なじみ」との関係性について悶える場面も描かれており、複雑な心境を抱いていることもまた伺えます。
ワースト2:11巻第1話の保健室でのシーン
【概要】
石原紫と「別れた」渡直人。
その彼に自分の好意を打ち明け、もし交際するのならば文化祭までに告白することを求める館花紗月。
未だ断ち切ることの出来ない石原紫との想いの狭間にて呻吟する渡直人。
そして、いざ文化祭の日。
紆余曲折があって意識を失った渡直人は保健室へと運び込まれ、館花紗月はそんな彼の傍に付き添っています
ようやく目を醒ました渡直人は、館花紗月とも石原紫とも付き合わないという結論を述べます。
(訳の分からない結論(11巻第1話))
それを聞いた館花紗月は遂に愛想を尽かし、彼の前から姿を消してしまいました。
【酷いポイント】
①文化祭の最後の日まで結論をダラダラと引き延ばし、それまでに会っても考えを述べる事もなく、館花紗月の期待値を高めまくった挙句に訳の分からない理由で拒否する。
②その一方、「紗月なら分かってくれるだろ?」と彼女への依存丸出しな姿勢!
渡直人のダメなところ(優柔不断だとか思考のプロセスが意味不明とか館花紗月に情緒的に依存しまくりだとか)が濃縮されまくったかの如き、何だかな感MAXの摩訶不思議エピソードとなります。
どんな酷い仕打ちを受け続けても愛想尽かしすること無く、渡直人の傍を離れることも無かった館花紗月でしたが、この仕打ちの前には遂に堪忍袋の緒を切れさせてしまい、一時的ではありますが物語から姿を消してしまうという恐ろしい結果となってしまいます。
まぁ…、この直後の渡直人の言動を見るに、彼は結局、館花紗月のことを「家族」として認識しているんだろうなとも思えます。
(謎の関係性(11巻第1話))
渡鈴白の手前、お互いにうまくやろうとか、聞き分けのないことを言うなとか、それは浮気がバレて奧さんに怒られて、それを何とか宥めようとしているダメなお父さんの態度のようにも見えてしまいます…。
ワースト1:1巻第5話〜2巻第1話
【概要】
栄えある(?)ワースト1は、物語序盤、1巻末から2巻冒頭にかけてのシーンとなります。
下校時に雨が降っていたものの、傘を持ち合わせていなかった渡直人は途方に暮れてしまいます。
そこに館花紗月が現れ、傘を差し出してくれます。
冗談めかした相合傘の申し出をにべもなく断り帰途に就く渡直人。
家に帰り着いた彼は、気付かぬ間に彼への依存から脱しつつある渡鈴白の様を目にし、不安な気持ちに囚われた挙句、逃げるようにして家を出てしまいます。
彷徨うようにして歩く中で再会した館花紗月は傘も差さずズブ濡れの姿でした。
その彼女をアパートまで送った彼は、渡鈴白との関係性に何とも言えぬ気持ちを抱いていて、館花紗月に甘えたいような態度を示してしまいます。
只ならぬ様子を察した館花紗月は、彼をアパートの部屋へと引き入れ、そして彼の本心に迫るような台詞を口にします。
謂わば「図星」を突かれた渡直人は激高してしまい、館花紗月に掴みかかったり怒鳴ったりした挙句、彼女の部屋を立ち去ってしまいます。
(激高(2巻第1話))
【酷いポイント】
① 館花紗月の思い遣りを察する事も無く、相合傘の申し出をにべもなく断り、彼女をずぶ濡れで帰らせてしまう。
② 勝手に情緒不安定になって館花紗月に甘えた態度を示すものの、彼女に「図星」を突かれたら激昂し掴みかかって怒鳴り付け、挙句の果てには捨て台詞を残して去って行く。
渡直人の察しの悪さ、渡鈴白との共依存性、館花紗月への依存性、そして情緒不安定さが一挙に噴出してしまい館花紗月に酷く当たってしまうという、物語序盤の渡直人度数MAXな惚れ惚れする酷いエピソードです。
まだ物語の序盤故、渡直人と渡鈴白の共依存性が色濃く描かれており、そのことが本シーンの重要な要素であるという点もまた趣深いです。
その直後の館花紗月の可哀想な様も、この悲劇の色合いをより濃いものとしているのでしょう。
(独り、部屋の中で…(2巻第1話))
以上、ワースト5から1までを述べさせて頂きました。
これ以外にも様々な酷いシーンがあり、随分と悩まされましたが、取り敢えずはこの例ということで。
他に適してるってシーンが御座いましたらコメントなどでお寄せ下さい。
あと、蛇足かとは思いますが「番外」を一つ述べさせて頂きます。
番外:5巻第6話の渡家でのシーン
【概要】
石原紫との花火大会からの帰り道、大雨に見舞われた渡直人はやむを得ず彼女を渡家に避難させます、
しかし、渡家の前には庭の野菜にシートをかけにきた館花紗月がおり、彼女も避難させることとなってしまいます。
結局、渡家に泊まることとなった石原紫と館花紗月。
渡直人や館花紗月との会話を通じて色々と思い悩んだ石原紫は、夜半に寝室で眠る渡直人を訪れます。
(「途中までなら」(5巻第6話))
そこでまた色々とあって、石原紫は渡直人に身体を許す決意をするものの、渡直人はそれを断り、事無きを得ました。
【解説】
渡直人の酷い仕打ちシリーズとはややニュアンスは異なりますが、或る意味で作中における館花紗月最大のピンチということで挙げさせて頂きました。
隣の部屋で愛しの渡直人が別の女性と何かを始まってしまっては、如何に館花紗月と言えども心に大きなダメージを負ってしまったことでしょう。
ここばかりは渡直人の英断に喝采を送りたいものです。
以上、渡直人が館花紗月に示した酷い態度・ワースト5+番外となります。
こんな過酷な仕打ちを乗り越え、遂に第15巻では幸せ掴みまくりな館花紗月には喝采を送りたい気分です!
そしてですが、第15巻の発売に際しては、四つの店舗にて特典が付いてきます!
うち三つの特典が館花紗月なのです!
(第15巻特典)
第15巻を6冊買ったのは、特典をせめて二つずつ欲しかったが故なのです。
もっと大量に買いたかったところなんですが、実は7月に勃発したコレのせいで、お財布に一抹の不安を抱いている状況だったもので…。
今回、特典が付くのは「ゲーマーズ」、「メロンブックス」、「コミックZIN」と「とらのあな」なんですが、前者三つの特典は館花紗月のイラストカードとなっています。
バイト中のコスチュームであったり、セクシー度抜群なビキニ姿であったりする訳ですが、これはもう買うしか無いって素晴らしさです。
皆様も是非、特典をゲットし、遂に幸せを掴んだ館花紗月を賀して下さいませ!
今回は以上で終わらさせて頂きます。
最後まで読んで下さりありがとうございました。