「渡くんの☓☓が崩壊寸前」におけるダブルヒロインの片割れである館花紗月、彼女は非常にミステリアスな人物です。言動は謎ばかりだし私生活も謎てんこ盛りです。

 

渡直人に対して本当は何を求めているのか?渡直人のことは好きなんだろうけど、でも抱いている感情はそれだけじゃないよね?もっと複雑な気持ちを抱いているよね?とか渡直人に好意を抱いているはずなのに、石原紫と仲良くなるのを結局助けてしまっているのはなぜ?そして、6年前の畑荒らしの真実とは果たして一体・・・?などと疑問が尽きません。たまに飛び出す黒抜きセリフには闇の気配が漂ってますし、絶対に触れてはいけない謎の存在をチラ見せしてきます。

館花紗月の抱える数々の謎、垣間見せる闇の気配、これこそが本作品の最大の吸引力のひとつではないでしょうか?

 ということで、これから代表的な「謎」を列挙し、それに対して何でだろ?ってのを考えてみたいと思っています。

 

本作品の紹介はこちらです


その1:館花紗月の家庭の謎

 

館花紗月の抱える様々な謎を考える上で大前提となるのは、彼女の家庭の謎であろうと考えます。言動、パーソナリティ、彼女の目的、そして6年前の畑荒らしの真実の根幹に大きく関わってくるのではないでしょうか。

 

館花紗月の家庭環境は全くの謎です。幼馴染である渡直人すら実は何も知りません。

館花紗月の家庭環境に最も肉薄されると思われたのは、5巻において、渡直人が館花紗月の部屋で彼女の新しいバイトについて尋ねた時ですが、幼馴染の境界線とは?に話題が行ってしまい、具体的な情報は何も明かされていません。

 てなわけでそれぞれが断片的なものに過ぎませんが、現在作中において示されている館花紗月の家庭環境の解明につながると思われる情報を列挙してみます。

 

1 6年前、渡直人がかつて両親とともに暮らしていた信州の家に館花紗月が現れ、庭を覗き込んでいた。

 

2 館花紗月と渡直人は違う小学校に通っていた。

 

3 渡直人が両親と暮らしていた信州の家の畑は、かつては館花紗月の家の畑だった。

 

(意味深な発言)

4 館花紗月は元・農家の娘

 

5 館花紗月は現在、ボロボロのアパートに一人暮らし。鍵は壊れたままであり、部屋は殺風景で女子高生の部屋と思えぬほど何もない。

 

6 6年前の畑荒らし事件の際、館花紗月は男性と一緒にいた。館花紗月が畑荒らしを終え、渡家を出た後、彼女は男性に鍬を渡し、男性は彼女の頭を撫で、手を引いて去って行った。

 

7 「6」を目撃していた渡鈴白が、一緒にいた男性について館花紗月に尋ねたところ、そんな人はいないと館花紗月は答え、また、「それより、そのことを真くんに言った?」と闇モードの威圧的な態度を取った。そしてそれは鈴白の勘違いでしょ?と言い含める。

 

8 家族で海に行ったことはなく、学校行事でも行ったことはない(参加してない)。

 

9 以前は学校にあまり行っておらず、水泳の授業も休んでいた。

 

10 6年前の畑荒らし前日の逃避行ごっこの際、館花紗月はもっと遠くに行くことを望み、渡直人の「2人でこのままどっか遠くのみんなが知らないところまで行くか?」との誘いに「うん」と答えて承諾。また、逃避行を中断して帰り、そして別れた際の彼女の表情は、とても寂しそうな笑顔だった。

(6年前の別れ際の寂しそうな笑顔)


11 4巻での学校をさぼっている場面での徳井との会話において、「直くんといるとほしくても絶対無理なものがもしかしたら手に入るかもって期待しちゃう時がある。」と述べる。

また、欲しいものを徳井に聞かれ答えるも内容は不明。渡直人や徳井には当たり前過ぎて分からないらしい。

 

12 一人暮らしをする館花紗月の身に何かあっても家族は心配しないとのこと。

 

13 動物園に行ったこともない。

 

14 家族とは絶縁している訳ではなく、お互いに連絡を取らないようにしている。別居も館花紗月の意志。

 

ざっと見ると、随分と普通の家庭環境とは異なるのかな?との印象を受けてしまいます。

 

館花紗月自身、あまり家庭の状況を渡直人に明かしたくない意図があるようです。

また、家庭や生育した環境に関する手がかりとして、館花紗月の対人関係も考察の材料になり得るのかなと考えます。館花紗月は基本的に渡直人以外の人物と自ら積極的に関わりを持つことはありません。渡直人に対してこそ多弁であり、積極的に関わりを持とうとしますが、それ以外の登場人物との会話は基本的に非常に殺伐としています。必要最低限の会話しかせず、また、愛想というものがありません。自分のクラスに友達はおらず、海に行った際も他の女子を遊ぶことはありませんでした。渡直人以外の人物に対して全く興味がなんだろうなという印象を受けます(鈴白とはよく話をし、優しく接することはありますが、渡直人の妹だからという要素が大きいような気がします。徳井とはよく話をしますが、館花紗月のほうから何か話すというよりも、徳井が上手に話を引き出しているような感を受けます)。

 

てなわけで、とりあえず館花紗月の家庭環境の解明につながると思われる情報をだーっと列挙するだけしてみました。考察については以後書きます。

 

中途半端な終わり方ですみません。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。