今日のお題は「螽蟖(きりぎりす)」「機織」です。
「螽蟖(きりぎりす)」「機織」
真夏の河原や草原で鳴いている昆虫としてよく知られるが、山間部にも生息している。縄張りを持つため、複数の個体が密集して生息することは無い。
生息場所は日当たりのよい草原だが、トノサマバッタなどより草丈が高い草原を好む。丈高いススキやセイタカアワダチソウの茂みに潜み、「…チョッ、ギーーッチョッ」と大きな声で鳴く。危険を感じると、擬死により落下して落葉の下に潜ろうとしたり、茂みの深い方へ深い方へ、下へ下へと素早く逃げ進んでいく性質を持つ。無闇に跳びはねて草上に姿を曝したりすることは少ない。とりわけメスは鳴かないため居場所を特定できず、採集には労苦を伴う。体色も緑と茶のまだらもようで、鳴き声はすれども姿は見えずということが多い。こちらが近づくと足音を聞いて鳴くのをやめるので見つけるのはむずかしい。
野生下の成虫の寿命は生活環境にもよるが、平均2か月程度である。遅くとも11月には全ての野生個体が死亡する。ただ、良好な飼育下では翌年初頭まで生存することもある。老化した成虫は付節が壊死して垂直面歩行能力が失われ、オスは鳴き声も弱々しくなる。繁殖の終わった成虫は冬を越すことなく死んでしまう。
童話『アリとキリギリス』では歌ってばかりで冬への備えを忘れるなまけ者に描かれるが、それなりの生をまっとうするキリギリスにしてみれば失礼な話かもしれませんね。
きりぎりす鳴き声弱し夕暮れて ハル
近付けば姿消したるきりぎりす ハル
