再発した母が言われたのは
「末期のがんです。抗がん剤での治療を選択しない場合、だいたい半年ぐらいです。抗がん剤治療を行なった方の中央値は来年の夏(一年半後)です。最長で2年くらいの時間があると考えています」
こういうことだったんだけど
「末期ってなんだよって思うよ。」
「私は今も生きていて、今はまだ元気もある。もっとやっていける気もするし、なのに寿命に期限をつけられて・・・どうしろっていうんだろう。」
「一番小さい孫が一年生になるときは一番大きい孫が中学に入る。そこまで生きていたい。」
そうだよね。初期のがん、末期のがん。
そんな風に言われてもわからない。
そりゃそうだよ。
寝耳に水だよ。
でも、どうして医者はそんな風にいうんだろう。
どうしてそんな風に伝えることにしているんだろう。
良くも悪くも、患者さんにオープンすぎることで有名な?G研病院。
本気でがんの撲滅を目指すと宣言しているこの病院がどうして伝えるのか、その意味を私なりに考えて母と対話した。
医師は悲しませるためにいうのかな。
ただ単にあなたには今まで思ってきたように
当たり前のようには時間がないって教えてくれているんだと思うの。
時間がないのを知らされずに、必ず良くなると信じて辛い治療をして楽しみも我慢する意味がないからではないのかな。
命を長くするためにがんの増殖を抑える治療と生きることは一つ繋がりで
どっちかだけになったら、悲しむ患者さんが多くて
それを見てきたから言うんじゃないのかな。
最初の時は治療に専念してても、その後に時間があるかもしれないから
治療に専念しようっていう方向で言ってくれた。
今はその後には時間がなさそうってわかっているから
治療と並行して自分のしたいこと、行きたい場所、会っておきたい人に会ってっていうんじゃないかな。
この意味を想像できないと、死ぬための挨拶だと誤認してしまうのだけど
本当には死ぬための挨拶ではない。
(死ぬお別れとの差は旅立ち前、話せなくなるときに本当に感じた。)
母をあちこちに連れて行った。
おかげでうちの貯金は使い果たした。
夫には本当に感謝している。
母との思い出、子供達にしたら大好きな祖母との思い出。
夫のおかげで増やせた。
生きている私たちはまた働いてお金を稼いだら良いのだ。
母は「あなたが思い出づくりをしてくれているからまだ時間があるんだと思っていたよ。」って涙流していたなー。
もっと時間があったらよかったのに。