旅立ちの時までもうあと2〜3日かという時になっても
「奇跡は起こる(また元気になる)」と言い続けた父に言いたくて堪らないけれど言わなかったことを。
奇跡は起こすもので、起こるものじゃないんだよ。
お母さんがステージ3bの大腸ガンから7年生きられたのは奇跡を起こしたからだ。
起きたわけじゃない。
奇跡を起こし続けてきたんだ。
最初にG研病院にて診察してもらう機会を掴むのも奇跡が起きたわけじゃない
割と苦労して診察してもらったし、それを助けてくれた方がいたからだよ。
予定通りN医大に受診していたらとっくに死んでる。
一年、長くて二年生きて終了していたでしょう。
それに永久ストマだった。
後縦靱帯骨化症と胸骨の腫瘍のために寝たきりなってからは
永久ストマだった方が楽だったんじゃないか。
排泄機能を残す方向で話した自分を呪いたいくらい後悔もしたけれど
いつだって私は前を向いていたいから
お母さんには五年生存率80%の方に入ってもらう予定だったから
だから、ストマは一時的に・・・そう話したんだよー
あれ、でも五年生存率80%の方には入ったの?入ってないか…
父は最後に在宅にしてからしか知らないと言っても過言ではない。
ずっと自分で体を動かし奇跡を起こすサポートをしてきたわたしからしてみれば何も知らないできた人に「奇跡は起こる」なんて言われたくなかったんだ。
私は奇跡を起こしてきたから。
待っていたんじゃ奇跡なんて起きない。
母を1ヶ月以上放置したかかってたクリニックに
紹介状をG研病院あてに書いてくださいと言ったら
N医大以外には書けないと言われ *N医大は出身校
知人にぼやいたら取り返してこい、宛名を書き換えちゃえばいいんだよ。
紹介状をもらった医師が返事を書くだけだから、ああ違う病院に行ったんだなと思うだけだろ。
そして、ダッシュでN医大に回収された紹介状を返したくださいと取りに行き。
G研病院の消化器外科の医師の名前に書き換えて受診した。
奇跡はみんなが助けてくれて起こしたものであって勝手に偶然に「起きた」ものじゃないんだよ。
母がいよいよ旅立ちを迎えていて
奇跡なんて起きない。今は母を安心させてあげて欲しいと切に願ったのに叶わなかったところが本当に悲しかった。
母は2月25日に私に「後もう少しだ。あともう少ししか話せない。」って言っていたんだ。
父や妹には言えていたんだろうか。
「もう私あと少しだよ」って言えていたんだろうか。
奇跡は起こる。でも、動いた人にだけ起こるんだよ。
もしあなたに奇跡が起こったように見えたのなら、知らないところで誰かが何かをしてるってことだ。
祈りも効果があるんだってアメリカでエビデンスをとった人がいるんだって。
不思議だね〜。遠く離れたところでも祈りを捧げてもらった人は治療効果が良いんだそう。
その本を読んでからできるだけ毎日祈っています。
どうかお護りください。どうかおまもりください。
母に対して祈るのをやめたら死んじゃった気がする。
やっぱりぬくもりは人を生かす。そんな気がしてならない。
奇跡を起こしたいのなら、まずは温かい祈りから初めてみたら良いのかも。