３月１９日（火） オフ
昨夜は少し飲み過ぎたようだ。
布団を敷いた記憶もないし、それに潜り込んだ記憶もないが、目が覚めたらしっかり掛け布団を抱きしめていた。
タイマーもセットしていなかったので、朝ドラの時間まで一度も起きなかった。
テーブルの上にも、飲み食いした後の食器がそのままの状態でカピカピになっていたので、キッチンへ放り込んで水に漬けた。
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午前中に修理工場に行かねば、昼過ぎに行ったらきっと夕方まで相手にしてもらえなくなる。
急いで到着したものの、修理工場の老齢のボスが「まあコーヒーでも飲んで待ちなよ。」と椅子をすすめてきた。
私の部品を交換する担当整備士が、どうやら出かけているらしい。
老ボスが、もうすぐ東北へ旅行をするらしく私の父が会津出身だと知っていて色々聞いてきた。
甘い缶コーヒーを飲みながら、老ボスと小一時間。 いつの間にか帰っていた担当整備士が「部品の交換が終わった」と事務所に入ってきた。
ウィンカーの問題は解消したので、その足でオートバックスへ。
オイル交換もすっかり終わらせることが出来た。
前回交換時に余ったオイルがあったので、今回は少額で済んだ。
タイヤの空気圧バランスを整えた時に、気になってアルミホイールも清掃した。
道具が無かったが、オートバックスなのでその都度必要なものを買いながらの清掃。
なぜ掃除をしている時だけは、こんなにも無心になれるのだろうか。
ギターを弾いている時も同じように、辛いことを思い出さなくて済むような気がする。
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駐車場へ到着し、バックで駐車していると同じ敷地内に停めてあるハイエースの荷台から、荷物を出し入れしている男性と目が合った。
パッと見、私と同世代。 なぜかお互いに笑顔で会釈。
よく見ると荷物はどう見ても音楽の機材一式。
キーボードやら弦楽器やら太鼓やらの形をしたハードケース。
よく見るとハイエースに貼られているステッカーが鍵盤の模様だ。
数着の衣装らしきものがハンガーで吊るされている。
私は声をかけた。
「こんにちは。バンドの機材ですか？」と。
すると、向こうも以前から私の事をなぜか気にしていたようで、スルスルと会話が弾んだ。
彼とは１年違いで殆ど同い年だということ。
オールディーズバンドをやっていて、ＣＤも出しているしツアーにも出るほど本格的に活動していること。
紛れもなくプロフェッショナルのバンドマンだった。
私は 「ご覧の通り、この軽バンを使って配達の仕事していまして、ギターをほんのちょっと齧っているのですよ」 と話した。
彼も「儲からないけど、好きな事をやれているので」と言う。
私はそれを素直に羨ましがり、彼も嬉しそうに私の話を聞いてくれた。
まるで昔からの友人と話しているような気持ちになった。
３０分も話していないが、最後にはお互いに名乗り合った。
パンフレットも貰ったので、そのうちライブを見に行くのも良いだろう。
いや、本人にぜひ来てくれと言われたのだ。
行かなければ。
こんな出会いもあるものなのだなと、久々の外出は良いものになったと思った。
自転車に乗り換えて、このまま地下鉄の駅へ行って法務局へ行くかどうか悩んだ。
やめとこう。
弁護士から電話が来るかもしれないが、そのときはその時の心情を話してみよう。
今日は動き回ることで嫌な事を忘れることが出来ている。
もしかしたらまた考え込むことになるかもしれないが、今は無理に心を戦闘モードにしたくない。
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さきほど駐車場で会ったバンドマンの佐々木さんから頂いたパンフレットにはＱＲコードが貼ってあったので、それを取り込んだ。
ＹＯＵＴＵＢＥでライブが流れ出す。
ロカビリーバンド、といったビジュアルだ。
ボーカルには女性もいて、ポニーテールが良く似合う美人だ。
佐々木さん、いいなあ。
昔、【キッスは目にして】という曲が流行ったがそのバンドによく似ていると思った。
佐々木さんはキーボード担当だった。
音に関しては、ちょっと聞いただけでわかる。
これは完璧にプロだ。
ギターを弾くことを言わなきゃよかった。
恥ずかしい。
ギターの人が、ベンチャーズのキャラバンを弾いているのがとてもカッコよかった。
私もギターを引っ張り出してマネをしたけれど、とてもじゃないがあのように弾けない。
パンフのスケジュールでは、私が行ける時間と場所なら４月に観られそうだ。
もしかして佐々木さんは凄い人だったのか？
その後もしばらくそのバンドのライブ動画を見ながら、食事も摂った。
レンチンのレトルトタイプ。
タイカレーだが、残念ながらこれがあまり美味しく感じなかった。
こういうものは、好みが別れるものなのかもしれない。
結局、サラダとパンだけで済ませてしまった。
もう出かけないと思ったので、白ワインの炭酸割も一緒に。
家事をしていなかったことを思い出したが、掃除機はかけなかった。
洗濯機を回しながら、コロコロだけ。
今日はもう、色々サボってしまおう。
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夕方になって、さっきのベンチャーズをもう一度チャレンジ。
やっぱり出来ない。
私のようなヘタクソは勢いで誤魔化せるタイプの曲が激しくストレス解消になる。
ということで、ベンチャーズ全く関係ないフットルース。
誰だったかな。
ケニーロギンスだったかな。
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今日は、休日らしい休日だったような気がする。
このまま酒を飲んで寝るのも良いし、空腹を感じたら何か作って食べてもいいだろう。
人生はイヤな事ばかりではない。
良い事だって必ずあるものだ。
絶望しても、生きてさえいれば必ず、と思う。
それにしても、ギターの技術がもう少しどうにかならないものだろうか。