5月の仕事は全て終わった。
あとは6月からの仕事が開始されるまで、休暇だ。
私には珍しい、長い連休だ。
やるべきことは残したままなので、それを片付けてからでなければ羽を伸ばす気にはなれない。
◇◇
5月22日の月曜日に、クルマを修理工場に預けた。
クーラーを問題なく使えるようにするためだ。
自転車を積んでいったので、帰りはそれに乗って商店街を散策しながらの帰宅。
途中、使用していた端末を返還しなければならないので郵便局に立ち寄り、ゆうパックで送ったあと銀行によって修理代分の金を準備した。
ついでに散髪の為、毒舌の美容師の元へと向かった。
私の前の客が、毒舌美容師に文句を言われている。
狭い店内なので丸聞こえ。
とんちんかんな事ばかり言う客に容赦ない罵声を浴びせている。
最後には 「もう他所に行け、他所に!」 だった。
その客も災難だが、カット1000円程度の激安美容室でアレコレ注文し過ぎる客に非があると私は思った。
バッサリ切り捨てるようなことをハキハキ言う、相変わらず面白い美容師だ。
私は言われるがままなすがまま、美容師が言う事にたいしては全て 「はい、そうしてください」。
問題なくスムーズに終了。
おかげで80年代初頭の近藤真彦のような髪型になった私は、「また来月もよろしく」と言いながら美容室を出た。
愚か者は私かもしれない。
他にできる用事は無いので一旦帰宅。
少し休んだ後に、再び修理工場へと自転車で。
時間はあっという間に過ぎる。
汗をかきつつ修理工場に到着。
部品の交換そのものは終わっているようだったが、何かを確認したいのか「終わった」とは言ってこない。
首をひねっているのでまだ何か気になる点があるのだろう。
1時間近く、社長と話をしながら待っていたが終わりそうにないので 「明日でもいいよ」 と言ってまた自転車で家路についた。
クルマが手元に無いと、なんとなく落ち着かないが仕事を控えているわけではない。
明日には直るだろうから、酒を飲んで就寝すればいい。
◇◇
翌朝、24日(火) 雨。
いつもなら、休みの後は現場へ向かうが仕事は無いのでゆっくりした朝を過ごした。
起きる時間はいつもと変わりないし、やることも変わらない。
ただ、結構な量の雨で、おまけに寒い。
最高気温が15℃なのだそうだ。
10時を超えた頃、電話が鳴って作業が終わったと告げられた。
雨なので徒歩で修理工場へ。
都電に乗って数駅。
想像では車内はガラガラのイメージだったが、昼間でも利用者はそれなりにいるのだなと感じた。
吊革につかまる乗客が大勢いる。
傘を差し、トコトコ歩いて整備工場に到着。
だが整備士は直ったとは言わない。
部品の交換は終わった、そう言うだけだった。
不安になるではないか。
そういえば社長も同じことを言っていた。
聞けば、気温が低いのでうまく確認ができないとの事。
確かに上着を着ていても寒いくらいの気温だ。
まあ冷却機能が働いていればきっと大丈夫だろうという判断なのだろう。
曖昧な感じが好きではないが、それでもしっかり修理費はかかった。
大勢の諭吉が軽やかに私から飛び去った。
◇◇
クルマの懸念は無くなった。
あとは新契約の書面のやりとりが終われば、6月までのんびり過ごせばいい。
雨は止みそうにない。
食材などの買い物をしつつ帰宅。
どうも荒天だと買い過ぎるきらいがあるようだ。
冷蔵庫の中は食材で一杯になった。
その中でも特に大葉がやたらと存在感を放っている。
一人暮らしで買っていい量ではなかったのだ。
安いからといって手を出したのが運の尽き。
大葉の消費が急務だ。
厚揚げの間にチーズを一緒に挟んで、照り焼きソースで焼き上げた。
もちろん彩のために大葉を敷く。
ここ最近、大葉の味ばかりだ。
カツオにちょっとあれば良かっただけなのに。
大葉に飽きを感じていたので、味噌で肉と野菜を煮た。
あとは味の濃い梅酒を炭酸で割ったものを飲みつつ、これを摘まめばいい。
◇◇
5月24日(水)
連休も3日目。
時間に追われる感覚がないということの有難さを実感している。
連休でもなければアタフタした時間を過ごしていた事だろう。
時間に余裕があるという事は素晴らしい恩恵だと再確認するしかない。
かといって特に夜更かしもなく、朝に遅くまで寝ていることもない。
落ち着いた時間を過ごしていると言えるだろう。
10時には、6月からの勤務の為に契約書面を新会社に持って行かなければならない。
◇◇
空は晴れ渡っているが、涼しい。
最高気温が24℃とか、最高の気候ではないか。
午前の国道4号線は、渋滞もなくスムーズ。
クーラーの機能チェックにはもう少し高い気温であった方が良かったが、充分だ。
寒いくらいに冷えるので問題ないだろう。
ホッとした。
10分も経たずに書面のやりとりは完了した。
6月のシフトも書類でもらったので、もう安心していいだろう。
その後、新会社の社長とインボイスについて話をする。
ドライバー側に立って話をしてくれているので、今はこの社長に反対意見は出す気は無い。
一方的に話す社長の話に耳を傾けていた。
インボイスの実施は10月からだ。
まだどうするか考える猶予はあるので、「私はこうします!」という断言はしなくても良い。
会って間もない社長に、言いたいことを全ていうのは得策ではない。
◇◇
帰りに、ドン・キホーテで買い物をした。
ここでも諭吉が羽ばたいていく。
今は店に行かない方が良いのだろうか。
帰宅。
余計なものばかり買って、大事な朝のルーチンに必要なコーヒーなどを買い忘れた。
ただ、この休み中にしておかなければならないことはすべて完了した。
今から気兼ねなく、自由時間としての連休を謳歌すればよい。
もうそろそろ夕方になるが、今日はまだ食事をしていないので、ゆっくりと準備して酒と共に楽しもうと思っている。
三時のおやつなどという生易しいものではなく、ガッツリメシと昼酒を嗜んでやる。
自由時間のファンファーレ代わりだ。