4月13日(木) オフ

 


 

最近は足が攣らない。

ありがたい事だ。

 

コーヒーを飲み、ビタミン剤を飲み、タバコを吸う毎朝のルーチン。

そして、ゆっくりと家事をして午前が終わる。

ここまではオフのルーチン。

 

そしてひと段落終わった感の中でブランチ。


ソーセージとパン。

4個をベロっと平らげるが、それでも足りないと感じた。



◇◇



出かけたいという欲求が湧かない。

寝転んで、干した洗濯物から漂う柔軟剤の香りを楽しんでまどろむ。


ただ、髪が伸びている事がずっと気になっている。

ネットでポチポチ検索して、自転車で数分の美容室に当たりをつけた。

 

散歩がてらと思いつつ自転車でフラフラと駅そばの美容院に到着。

おしゃれな外観に気後れ。

中で髪を切っている人は女性しかいない。店の前で回れ右をして家路に着く。

怖気付いたのだ。


私は昔から美容室に入る事が苦手だ。

コンプレックスがあるのだと思う。

俺みたいなのが美容室なんておしゃれな場所に行くもんではない、という感覚が常にある。

 

せっかく外に出たので駅とは反対方向の、近くにありながら足を踏み入れたことのない商店街までやってきた。

こんな店があったのかと思う。

新鮮だ。

ちょっと覗いてみたいと思う店も結構あって、こういうのもたまには良いなと思った。


気分が良くなって、その商店街で見つけた床屋か美容室かわからない外観の店で足を停めた。

ちょっと小汚いが、私には好感度が高い。

カット980円、と書いてある。

ここでサイドと襟足だけスッキリ出来ればとりあえずヨシと考えて入店した。



◇◇

 


先客はいない。髪を切る席はひとつしかない。

私より若干年上と思しき女性が、ぶっきらぼうな塩対応で奥から出てきた。

エライとこに入っちゃったかな、と思ったがもう遅い。


座るやいなや、えらくカッコ悪いわその髪、と罵られた。

びっくりしたが、不思議と逆らう気にはならなかった。

自分でも気になっていたところだったからで、間違ったことも言ってない。


女性は続けた。

ここをこうして、ここはこうした方がいいわよ、なんでそんな風にしちゃったの?

まさかそうしたかったとか言わないでよね。

今までどこで切ってたの?ああ、あそこはダメよ。適当でしょ?安いからいいだろって手を抜くのよね。

アタシはそういうことしないからね。


よく喋る。

私は自分が話すことを諦めて、もう笑うしかなかった。

そして、何されても文句言いませんから、好きなように切ってもらえますか?とだけ言った。


そして言うだけあって、大して切らない割に満足のいく状態にしてくれた。


帰り際、カレンダーを出してきて自分の休みを私に告げつつ、指名料取らないから来月また私のところに来なさい、とのこと。

そして料金も高くなかった。


わかりました。

しばらくお世話になります。

そう返して店を出た。


満足だった。



◇◇



帰宅すると、小腹が減っていたのでパンを。

簡単にチーズとキュウリを挟んだ。


 

 ◇◇



夕方になり、本格的に飲み始め。


厚揚げをトースターで低温加熱。

カリカリのところを作りたかった。


発泡酒、バーボンのレモンスカッシュ割り、そしてただの水割り。

スパイダーマンを観ながら、どんどん杯が重なっていく。


早くから飲んだので、21時を過ぎた頃にはすっかり出来上がっていた。


〆の食事が欲しくなった。

たくさん飲んだ時に出る、空腹感など超越した食欲というものがある。


ラーメンでも良かったが、こっちの方がいいやと思って作ったのは納豆スパゲッティ。


超満腹。


あとはもう寝るだけだ。

遅くもないのでたっぷりと睡眠が取れるはずだ。

布団の中で、少しだけ顔を出した性欲を抑えつつ目を閉じる。


明日からは3連勤が待っている。

忌々しいが、こればかりは仕方のないことだ。


通える散髪屋を見つけた。

今日のところはそれで満足したということにしよう。