3連勤ではなく、2連勤で良かった。

 

外気温35℃の中、12時間の勤務。

2時間1セットで6回のピストン配送。

暑さが堪えるどころではない。

身の危険を感じながら仕事を進めているといった感じだ。

 

特に危険な場所は、遮るものがなく容赦ない日差しが当たる日向。

 

陽が当たるだけで、短時間で全てを高温にする。

配達先に到着して、エンジンを切って配達を終わらせて車に戻ると中はサウナのような灼熱に戻っている。

風がある外よりも暑く感じる。

額からはポタポタと汗が流れ落ち、腕には霧吹きでも吹いたように玉の汗が浮き出る。

エンジンをつけてエアコンを全開にしてもすぐに涼しい風は出てこない。

温い風が出てくるだけなのだが、それでも風があるだけでありがたい。

徐々に涼しい風に変わっていく。

数分走らせて、やっとヒトゴコチ着いたところに次の配達先。

これではエアコンで体を冷やすどころではない。

 

なので、時代に逆行するようだが停車中、配達中ともに可能な限りエンジンをつけたままエアコンを作動させたままにしている。

そうすれば車内に戻った時にはいくらか涼しい。

ホッとできる程度には車内の気温を低く維持できる。

生命維持のようなものだ。

住宅街などの、エンジンを点けたままでは相当に迷惑だと思う場所はもちろん切っている。

 

そして多少配達先から離れている場所に停めてでもでも出来る限り日影に停める。

 

日向と日影は恐ろしく差があるのだ。

生死を分けるほど、と言っても過言ではないだろう。

 

 

 

そして、積み込みをする構内。

トラックがひっきりなしに出入りする巨大な空間。

そこに空調は無いので無風。

換気程度はあるのだろうが、風を感じる事はない。

自分を含め、外から来たおびただしい数の配送車両が構内に熱を【湯たんぽ】のごとく放出する。

 

もちろん屋内なので排気ガスを出すわけには行かない。

移動する以外、構内ではエアコンはおろかエンジンは消すのが常識だ。

 

 

外は陽に当たって危険、構内は吸い込んだ空気が体内を急激に加熱して危険。

だが、20~30分は積み込み作業に時間を取られるのだ。

 

 

熱中症には段階があるという。

Ⅰ度~Ⅲ度まで。

Ⅲ度になると意識がない。

Ⅰ度とⅡ度には意識があるそうだが、ようするに段階を追って具合が悪くなる。

 

おそらく毎日Ⅰ度にはなっているだろう。

それも数回。

他のドライバーもきっとそうなっているに違いない。

数字を見間違ったり、一桁の足し算を間違ったりすることはもう珍しくない。

 

お互いのそういうちょっとした間違いで取り返しのつかないミスにならないよう、互いにチェックする。

これは仕事のルールではなく、今まで醸成されてきた自発的な連携だ。

 

無理しないように、と声をかけるし、かけられる。

もちろん優しい気持ちで言ってくれているからありがたいが、結果が悪くなれば許されない。

そこまで優しい気持ちで言ってないのだ(笑)

影響が出ないようにするには無理だろうとするしかないのだ。

 

出来るのは工夫だけ。

考えて、優先順位を決めて、捨てる行為も時にはある。

 

それでも、やはりキツイものはキツイ。

理屈じゃねえんだ、ということだ。

 

 

 

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帰宅すると、部屋の中が灼熱になっている。

なので最初にするのが換気。

最近は換気扇を点けっぱなしにして出かけるようにしている。

篭る熱がだいぶ違うのだ。

 

そして、プシュッと空けてゴクゴク飲み干す冷えた炭酸の酒。

 

目を閉じて静かに浸る至福の時間だ。

 

 

 

 

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2連勤初日の火曜日。

帰宅後の1杯と、シャワー後の安心感を堪能したあとに料理を作る気力がない。

 

ごはんは残っていたのでTKGで済ませる。

 

 

 

タマゴ以外に色々入れることで、やっつけ感を少しだけ減らすことが出来る。

揚げ玉はそういう意味でとてもいい仕事をしている。

 

 

 

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8月3日(水)

 

 

最終便の前、構内で積み込みをしようと台車を荷台から下した。

重量のある飲料の箱を取りに行こうとしたその時、台車の持ち手がパタンと倒れた。

台車は折り畳み式で、持ち手にロックがかかるのだがそれが効いていない。

 

ひっくり返してライトを当てながらよく見てみると、バネが折れていた。

もともと左右2箇所あるバネの一つは壊れていた。

だましだまし使っていたが、ここに来て臨終となった。

 

こうなると、もう新しいものを買うしかない。

とりあえず残りの1便だけはそのまま使うが、翌日以降もずっと使い続けるという事は出来ない。

 

台車は何でもいいというわけではない。

私が使う台車はコレと決まったものがあるので、オフの日にそれを買いに行かなければならない。

 

また出費。

 

 

 

帰宅後はいつもの1杯、そして納豆を食べたかったのでそれを準備。

 

配達先のお客にいた若い女性が、「納豆をたくさん食べたので臭かったらごめんなさい💦」

という面白い人がいたのだ。

臭いこともなければ納豆の匂いも感じなかったし、それよりも私の汗の臭いの方が気になりませんか。

 

 

危険な温度の中の仕事をこなしつつ、帰宅後の部屋でいつも思う事。

 

「今日も生還した。」

 

 

 

納豆、鮭、インゲン。

そしてごはん。

 

シンプルだがこれでいい。

明日はオフなので暴飲暴食してしまうかもしれないのだから。

 

 

 

まだ8月になったばかり。

 

まだまだ暑い日は続く。

 

みんなみんな、この酷暑の夏を元気でお過ごしいただきたい。