7月7日(木)
今日はオフで、七夕だ。
オフであることはありがたく、望ましく、嬉しい。
七夕であることは私には関係なく、ありがたくもなく、待ちどおしくもない。
笹も要らないし、紙に描いた自分の願いが叶うと信じることもできない。
独りでいるとこんなものだ。
淡々と日々が過ぎていくだけ。
今日が無事だったことに安心し、明日も安らかに過ごせるようにと願うのみ。
もしも誰かと一緒に過ごしているならば、きっとこんなにやさぐれていないのだろう。
七夕に限らず、常に共に過ごす時間を楽しむ材料を探していることだろう。
いま、短冊に願いを書くならば・・・ 【 周囲の苦しんでいる人が悩みから解放されますように 】
と書きたいが、自分の事で精一杯の日々を過ごしている役立たずの私が、苦しんでいる人の救いを願うことは、大きな矛盾を感じる。
そして、救われたいのは、自分自身だろう? と。
偽善で他力本願。
努力が足りていないからこその現状。
このままで私が報われることはないだろう。
買わない宝くじが当たることなどないように。
現状維持にもそのための行動が伴うはずだ。
何もしなければ現状維持すらできない。
もっと多くを、と望むならばそれを産み出すための苦しみが不可避だと思っている。
目的があって、それに向かわない限り祈願成就はありえないこと。
シンプルな話なのだ。
考えても動かなければ変わらない。
かつてロッキーもアポロを殺したドラゴに立ち向かう前、「勝てないかもしれないがやる」という義侠心で弔い戦に向き合っていた。
そのときトレーナーからはこう言われていた。
【君はどうすれば勝てるかを知っている。それをやるんだ。】
実際にロッキーのやる気スイッチを押したのは良い事を言ったトレーナーではなく、ドラゴ戦に反対しつつ最後には協力し、励まし、見守ったエイドリアンの愛だった。
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2連勤が終わって、暑さを乗り切ったという感覚しかない。
しかし満足感は皆無。
現状維持のための最低限のことをしたに過ぎない。
働かなければすぐに生活が詰んでしまうのだ。
昨夜も一昨日も、帰宅後にきちんとした食事をすることはなかった。
残り物と、冷蔵庫にあるそのままで食べられるものをビールで流し込んだだけだ。
オフになった今朝。
炊いてから30時間以上経過したご飯をそのまま食べる気にならず、チャーハンにして食べた。
美味しかったことが救いだ。
これであまり美味くないと感じたら、悲しい出来事になるところだった。
ニンニクを効かせたオリーブ油。
細かく切った豚小間と、千切りのニンジンとジャガイモ。
悪くなりかけのマッシュルーム。
ジャガイモが特に良い仕事をしていた。
油とジャガイモの相性は抜群のようで、中華だしとも喧嘩をしなかった。
味の素が優秀なだけかもしれないが。。。
材料で考えればチャーハンとは言いにくい。
ただ作り方はチャーハン以外の何物でもない。
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稲中先輩が、健康を考えた食材選びにコダワルことにしたようだ。
今まではホカ弁やコンビニを常用していたが、それをやめるという。
特に添加物や保存料などを避けていくというが、この日本しかも東京23区内でそれを徹底するのは難しいだろう。
時間的にも費用的にも。
先輩はスマホを凝視し、近くにあるオーガニックの店を検索している。
健康的な食べ物を揃えている店で買い、スーパーでは加工されたものや調理済みのもののほとんどを避けたいらしい。
工場で作られたもの全てがダメっぽくて戦慄。
醤油などの調味料、乳製品も使われている小麦粉もアウトらしい。
使っていなかった炊飯器も出して、魚を焼く無煙ロースターなるものも買ったみたいだ。
準備が進んでいる。
何の食材が大丈夫なの?と聞くと。
「米、野菜、肉、魚は自分で調理すればよく、あとは水だけ」と答えた。
続かなくて落ち込む未来が見えるのでやめておいた方がいいのではないか?と言った。
認知症の母を介護しながら食にこだわることは稲中先輩にとっては負担でしかないだろう。
「おれもそんな気がするw」 と笑っている稲中先輩。
余計なお世話かもしれないが。
「ほどほどにね」 と言うことしかできなかった。
昔、【食道楽】というタイトルの本を読んだ。
まだ冷蔵庫すらない時代の話だったと思う。
内容ももちろん面白かったのだが、特にこだわった食に対する描写などが受けてその本は売れた。
作者は本が売れて金を持ち、こだわりが過ぎて自給自足を目指す中、失敗する。
うろ覚えだが、こだわり過ぎて気が触れてしまったのではなかったか。
その時思ったのは、健康な食は社会で作っていくもの。
誰かだけががんばっても実現はしないものだと感じたのだ。
日本は海外先進国と比較すれば食品に対する規制が緩い。
おそらく経済的理由や外圧なのだろうが、同じような理由で改善できないものが他にもたくさんあるのだろうなと、ひとり狭小ワンルームで考える次第だ。