2020年10月4日に配信開始された配信限定シングルです。
後の、2021年1月27日にこれまで配信されてきた「星合」「Take mo' Chance」「雨上がり架かる虹」「12cm」と共にデビューEPとしてCD/配信リリースされました。
ここで早速脱線ですが笑
「EP」てなに?と、まずそこが気になってしまいました笑
現在の意味合いとしては、「収録曲がシングルより多いけどミニアルバムよりは少ない作品」というものらしい…。
ミニアルバムとの境界は曖昧ですね。
さて、今回はまず作家陣をご紹介。
この企画はファンにとっては大変嬉しく面白いものになりましたね。
「YES, I just believe in you」
「遠く離れていても夢が」
「If, you just believe in me」
「二人を繋いでいくよ」
まず冒頭、この曲での二人の設定は、想い合っているけど離ればなれ…といった感じでしょうか。
コナン(新一)と蘭の想いに寄り添った側面が強いように感じますが、この二人の関係はちょっと非現実的なので、無理矢理現実世界に当てはめて考えたいと思いますm(__)m
『僕は君のことを信じているよ』という土台があり、その上で『君も同じ想いでいてくれるなら』繋がっていられると信じているみたい。
拠り所となるのは「夢」です。
この二人の「夢」とは何なのか?
ここではまだわからないですが、二人の共通の思いなんでしょうね。
「探し求めてた
答えがきっとここにあるはず
君と僕が 僕と君が
会えたキセキは
ずっと昔から…」
後の歌詞にも出てきますが、本作において「キセキ」と表現される単語。
大筋には『奇跡』だと思いますが、別の意味も含むのかな…と考えてしまいます。
同じ音だと『軌跡』が思い浮かびますね。
「君」と「僕」が歩いてきた別々の道のり(軌跡)があって、たまたまここで繋がった奇跡に、えも言われぬ思いを感じているんでしょう。
でも、「ずっと昔から」君という存在を「探し求めてた」かのような感覚で、やっと「答え」=「君」が見つかった、と言うような感じ。
嬉しい感情なのは間違いないですが、はっきりと言い表せない感情に対して「キセキ」と表した、とも。
そう思うと、グルグルと渦巻く「僕」の「君」への思いが感じられて、より切ないです。
「はらりとふわりと舞い散る花びら
重なる思いに言葉を尽くそう
あの時あの場所戻って行くようで
心が震えてる」
ここで舞い散っている花びらは、あの淡いピンクの桜ですよね!
舞い落ち、重なりあう花びらのように募る思いに「言葉を尽くそう」とは素敵な歌詞だなぁ…と思います。
ちゃんと自分の思いを伝えよう、という強い『意志』ですよね。
今、目に映る景色が、記憶を二人の思い出の場所、綺麗な桜の木の下に戻します。
「僕」の心は「君」を求めてやみません。
そして二番。
「YES, I just believe in you」
「思い伝えてみてわかるよ」
「If, you just believe in me」
「変わらず側にいてほしい」
次のBメロの歌詞もあわせてですが、ちゃんと目を見て伝えることができたみたいですね。
ちょっと急展開な感じですが笑
短いフレーズですが、ここだけでも「君」が掛け替えのない存在、離れていても支えてくれていた存在だとわかります。
そして、良い返事だったんだな、ともわかりますね
( *´艸`)
「手加減無しだった
悲しみそっと和らいでいく
君と僕が 僕と君が
会える瞬間
ずっと待っていた」
「手加減無しだった」という歌詞も刺さります。
これまでの「君」との触れ合いなのか、「君」と会うためにやってきたことなのか
具体的に示されてはいませんが、「君」に関わることに常に全力だったという誠実さが現れていますよね。
そして、ここの「待っていた」には『舞っていた』も掛かっているんじゃないか…とこじつけてみたり笑
「Time after time」でも使われていた表現ですね。
そうすることで、「Time after time」にある時空の広がりみたいなものも見えてきます。
「君」と「僕」がいる同じ空間には、永遠に舞っているとも思えるような桜吹雪。
待ちわびていたその瞬間を演出しています。
「夢は果てしなく続いて行くから
重なる思いに言葉を尽くそう
始まるキセキを信じて君と今
心が動き出す」
「夢」という言葉には、叶えたらそこで終わってしまうイメージが私にはあるのですが、そんな「夢」が「果てしなく続いていく」と。
どんな「夢」なんでしょう…二人の共通の思い…。
単発の『目標』ではない。
それは、これから長く続いていく二人の日常、的な?
離ればなれの時に心の拠り所となるものですからね。
そして一番と同じ素敵フレーズ。
一番では「僕」の「君」への募る思い、のように解釈しましたが、ここでは「君」と「僕」のそれぞれの微妙に違う価値観でしょうか。
そのひとつひとつにお互いに向き合って行こう…とでも言っているようです。
そこから「始まるキセキ」(奇跡、軌跡)、道のりを一緒に歩いていくのは「君」です。
一人ではその場で震えていた心が、「君」となら前へ進んでいけるんですね。
サビでは「Secret of my heart」での倉木麻衣の歌声が織り重なり、不思議な世界観が広がります。
20年という『曲』での時間の隔たりが、「君」と「僕」の間にある距離を表しているようです。
まるで、違う次元にいる相手に想いを寄せているような…
「Secret of my heart」のCメロでも、
「君がどこにいようと、私は一緒だよ」
「君はどこにいても、私の気持、感じてくれる?」
(本作では使われていませんが…逆にそこがミソかも…)
というような英語詞が登場しますが、本作を受けて聴いてみると似たようなニュアンスが感じられて面白いです。
そして、一緒に信じた「夢」によってそんな次元の壁も乗り越えてしまうんです。
20年という余韻を使って表すなんて…こんな表現の仕方ありますか?笑
倉木麻衣本人の努力
チームの協力
ファンの方々の支え
コナンの存在
all at once の出現
色んなものの積み重ねと繋がりで実現したこの曲は、とても貴重なものだと感じます。
さて、しばらくラブソングが続いたので、次回は少しそこから離れて「Natural」という曲を取り上げたいと思います。
今回少し触れた「Time after time」のカップリング曲になります。
何だろう、『自分の在り方』のようなものを自問自答しているような、若々しい葛藤?が歌われている佳曲です。