寺子屋プロジェクトや災害復興ボランティア、チャリティーなど、様々な活動を通して色々な経験をしてきたであろう倉木麻衣。

その中で、良いことも悪いことも様々なことを感じてきたと思います。

精神的に辛い時も、その活動の拠り所になるのはファンの方々はもちろん、自身の歌に耳を傾けてくれる全ての人なんだと信じたい。

そんな人々への感謝が込められた一曲に思えます。



「今すぐに抜け出したい あと少しもいられないの
It's over It's over  これがもう限界かもね
I wanna say I wanna say  過去にとらわれてたMyself 
It's right here It's right now」

冒頭、何に追い詰められているのか…何に限界を感じているのか。
過去の残像が自分自身を苦しめている…という描写は比較的多いように感じます。

この曲でも内向的な葛藤の雰囲気が漂っていて、諦めと言うか弱気なフレーズかと思いました。

でも「逃げ出したい」ではなく「抜け出したい」なんですね。

困難な状況、もうこれ以上は無理かも…と感じても『何とかしたい!』と、ひたむきに前を向こうとあがいている姿が浮かびます。

そして「ここだよ!今だよ!」と自分を鼓舞するように次のフレーズへ繋げていきます。


「断ち切るの…Past day as me 信じるの…Future and dream 
ドキドキ 鼓動が高鳴る What goes around 
手に入れる 自由を 試される大地でも
裏切れないものは今もずーっと」

前のパートで「過去にとらわれてたMyself」とありました。
過去を顧みることは必要だと思います。
でも、いつまでもとらわれてはいられない…。

過去の自分とは決別し、前を向いて歩いていく…と言う意味でしょうか?
良いことも悪いことも、自分の行いは自分に返ってくる「試される大地」。
自分が身を置くその世界で「裏切れないもの」とは何か?


「いつでも どこででも 私を待っててくれる
I Like It …
あなたのやさしさを 抱き締めてここに立つよ
I Like It …」

「ここに立つよ」がキーワードだと思います。
このサビの歌詞にヒントがありそうですが、二番の歌詞も見ていきます。


ここ最近、歌詞をじっくり見ているなかで『悩める歌姫』のイメージがある倉木麻衣。

二番の歌詞からは、その悩みの中から自分の『歌う意味』を見いだしていく姿が感じられます。


「答えがないメロディを 今も奏でてるけれど
It's over It's over  一番肝心なこと
I wanna say I wanna say  数字じゃ読み取れないもの 
It's right here It's right now」

一番分かりやすい客観的な評価はセールスですよね。
今はダウンロードとか再生回数とか色々ありますが、それらひっくるめて。

でも、『私の歌う意味』というのはそんな「数字」だけではない、と彼女は気づいているようです。

自分の音楽に『正解』はこれからも無いでしょう。

でも、今この場所この時に、今の気持ちを伝えたい相手がいる。


「愛を込め感謝を 届けたいすぐにでも
この気持ち忘れられない Happy!」

これが素直な気持ちなのでしょうね。

たった一人でもいい、自分の音楽を求めてくれる人がいるなら歌い続けたい…

そのような言葉をどこかで耳にしたような気がします(雑)


「いつでも どこででも 私を待っててくれる
I Like It …
あなたのあたたかさ 抱き締めて現在(ここ)にいるよ
I Like It …」

サビを聴いて思うのは、同じ場所と時間を共有しているライブ会場での触れ合いです。

ツアーだったり、イベントだったり、形は様々でしょうけど、自身の音楽に直に触れに来てくれた方々への「感謝」が歌われているんじゃないでしょうか。

そして、その中でも

「あなたと過ごしてきたこの年月には
大切な思い出が 全部詰まってる」

ずっと倉木麻衣を応援してきたファンの方々への熱い想いが溢れています。

「裏切れないもの」のために「ここに立つよ」


倉木麻衣の『歌う意味』とは「感謝」じゃないかなぁ…。


ともすれば重くなりそうなテーマですが、「I Like it」と言うタイトル、歌詞がカジュアルで、いいバランスとってるなぁ、と思いました。

アルバム「Smile」の初回限定版には、この曲のリミックスがボーナストラックとして別CDで収録されています。
皆への感謝を歌った歌だからこそのチョイスに納得です。


トラックワークは多国籍な感じ?
アフリカンなリズムとかフラメンコチックなフレーズとか…良くわからないんですけどね笑

サビの「I Like It !」の連呼が可愛いです笑☆


次は七曲目、「MY VICTORY」です。
日本ユニシスバトミントン部とタイアップした、問答無用の応援ソングとなっております。


歌:倉木麻衣
作詞:倉木麻衣
作曲:福田貴史、若田部誠、Nanna Larsen