2001年8月29日に発売された10枚目のCDシングル。
2ndアルバム「Perfect Crime」の表題曲がシングルカットされたものと両A面になっています。
(個人的にはアルバムよりシングルアレンジの方がミステリアスでおすすめ)

こちらの曲、映画好きの彼女が「ユー・ガット・メール」(トム・ハンクス / メグ・ライアン)からインスピレーションを受けて詞を書いたそうです。

映画の紹介はWiki(上記リンク)に丸投げとして…

天野月子の2ndアルバム「MEG & LiON」に「トムパンクス」と言う曲が収録されているのは、二人のご縁があっての構成だったのか!と今更ながらに感銘を受けている次第です…完全に蛇足でしたm(__)m

こちらの映画を頭において見ていきたいたと思います。



「歴史に刻まれた 切ない愛が
時を超えて 又 めぐり逢うよ… 君への想い
The world is go round and round」

映画史に数あるラブストーリー。

時代を超えて愛されるそれらの物語は決してフィクションではなく、今正に「私」の「君への想い」にも宿っている…。

冒頭からロマンチックな世界観ですね。

どれほど幸せを感じても、少しの不安は拭えません。

一緒にいないだけで孤独を感じますが、それさえも愛しい苦痛…


「その仕草も 笑い声さえ 胸熱くする
愛しくて 自由でさえも
何の意味も 持たないまま」

色々な感情が混ざり合っているから、なかなか愛しい感情と言うのは言葉にできないと思います。

それを、感じたままの表現を重ねて表しています。

『これはこうだ』と伝えはしませんが、共感できる言葉で、何だかわかるわぁ…と感じてしまいます。

あらゆることが「自由」な「私」だけど、「君」のことで頭がいっぱいな今では、ある意味『不自由』なのかも…


「眠りにつくとき 君のすべて感じ
夢の中 待つよ
Just can't forget your love」

良く似た表現が、以前紹介させていただいた「Beautiful」にも出てきました。

たまに『夢でも良いから』と言ったニュアンスの歌詞が出てきますが、倉木麻衣の恋愛観を表しているようで可愛らしいです。

決してグイグイ入り込んでは来ない、でも内には熱い想いを秘めている感じ。


「この広い世界で たったひとりだけ
こんなにも私を変えた 君との出逢いがあったから」

作詞当時は18歳でしょうか。
まだまだ世界は狭かったはず。
この歌詞からは私達に近い感性を感じます。

一気にスターとなった彼女ですが、私達と同じ普通の18歳だったんだな、と思わせてくれる部分です。

いっちょまえにこう言うこと私も思っていたなぁ…笑


「言葉交わす度に NOがYESになる
通り過ぎてく冷たい風 温かくなるよ」

この辺りが「ユー・ガット・メール」を強く感じる部分でもあります。

お互いに最初の印象はあまり良くなかったのかもしれません。

しかし、「言葉交わす度に」その人に触れて惹かれていく…季節の変わり目、いつのまにか温かくなった風のように、心に吹く風もほっこり温かくなった…とても共感できます。


「ふれあう 手のぬくもり残し くちびるに
君の見てるものすべてを 私もそばで見ていたい」

そしてこの曲での個人的ハイライト。

手を繋ぐだけでもドキドキ(ここではドキドキがしっくり)してしまうまだ初々しさを感じる二人…

でも、手に残る「君」の「ぬくもり」をくちびるにも感じたくて、そっと触れてみる…

ただただ側にいたいと願う少女の精一杯の勇気…わがまま…

何て甘酸っぱいのでしょう!


「この星の下で 生まれてくる愛はいつまでも続く
I just can't forget your love 
愛はいつまでも続く
I just can't … Can't forget your love」

そして最後も映画のラブストーリーを思わせる歌詞で締められています。

いつまでも色褪せない名作のように、あなたの愛は私の中で色褪せない…
そういった意味がこの曲のタイトルには込められているのではないでしょうか。

『忘れられない』という外向きの感情ではなく、『いつまでも心に残る』といった内に込められた感情です。


随所に彼女らしいフレーズが散りばめられていますが、この曲にあるのは『共感』でした。

瑞々しくて、キラキラしていて、ピュアな愛を歌った、とても温かで美しい曲です。


こちらの曲、作曲した大野愛果の2ndセルフカバーアルバム「Secret Garden」にも収録されています。

メロディをフィーチャーした歌なしの曲になっており、是非こちらも聴いていただきたい一曲です。

この曲は「詞先」で作られたと記憶していたのですが、どうやら勘違いだったみたいです。

言葉を重視したからこのような曲の展開になったのかと思っていましたが逆で、メロディにも強い思い入れがあったからなんですね。

とても美しい曲です。


次回ですが、個人的にこの曲と繋がりを感じてならない「You can」を取り上げたいと思います。
夢をそっと後押ししてくれる応援ソングになっています。

歌:倉木麻衣
作詞:倉木麻衣
作曲:大野愛果
編曲:Cybersound ,徳永暁人