意気揚々と良い検査結果を聞きに行ったのに、つい2ヶ月前まで良く効いていたという抗がん剤がもうすでに効かなくなっていてしかも既に癌は威力を増してきている現実を見せつけられた私たち。
休薬どころかすぐに新しい抗がん剤治療を行わなければならなくなり、落ち込む暇も与えられず次の治療の打ち合わせに入りました。
この4ヵ月間使用してきたカルボプラチン・エトポシドのお薬に癌は耐性をつけてしまったため、もうこのお薬は使えません。次はどのお薬を使って治療を行うか今日は決めましょう。
先生が提案してくれたのは
イリノテカン単体の使用。
以前、父が辛い副作用がおきる薬は使用したくないと言っていたため考慮して下さったようでした。
このLCNECにはシスプラチンとイリノテカンというお薬の組み合わせが一番効果があると言われているんだけれどシスプラチンは副作用が少しキツいからイリノテカン単体で使用するのはどうでしょう?
私も父の病気がわかったとき色々な情報を集め、LCNECにはシスプラチンとイリノテカンの組み合わせが一番効果があるのではとされているのは知っていましたが同時に副作用もキツいと言われているのも知り、前回の治療の際敢えて父に強く勧めることはしませんでした。
それを聞いた父は
副作用がキツいかどうか、一度シスプラチンをやってみるよ。
と言いだしました。
病気がわかった時は
辛い治療はしない。今は何も心配事がないから薬で苦しみながら長生きするよりも軽めのお薬を使って1日でも元気な日が長い方が良い。
と言っていたのに父も必死なんだなと思うと心が締め付けられるような痛みを感じました。
でもやっぱり私は副作用で苦しむ父をあまり見たくなくて、先生に減薬できないかを尋ねてみました。
そうすると先生は8割位までなら薬の量を減らしても効果は得られるとおっしゃってくれたので、とりあえず始めは通常の8割の量でシスプラチン・イリノテカンの治療を行うことにしました。