今日は、午後の予定が特にありませんでした。

そこで、ソプラノリコーダーを練習することにしました。

練習した曲は、4年生の教科書教材「茶色の小びん」です。

 

今年、大田区の音楽教育研究会で、器楽分科会に入りました。

「歌唱」「器楽」「鑑賞」「音楽づくり」の4つの分科会に分かれて、研究授業の準備をします。

私は、以前には、ずっと「器楽分科会」に、最近は「歌唱」に入ることが多かったです。

今年は、久し振りに、器楽分科会で研究することになりました。

 

その器楽分科会で、来年1月に行う研究授業の準備を進めていきます。

前回4月第一回目の分科会で、授業者と学年が決まりました。

研究授業は、4年生で行うことになりそうです。

 

そこで、教科書の年間指導計画から考えると、題材名「いろいろな音のひびきを楽しもう」になりそうです。

この題材の教材は、「茶色の小びん」の合奏になります。

教科書の楽譜では、主旋律パートを鍵盤ハーモニカで指定されていますが、( )付きでリコーダーも書かれています。

それで、事前の研究では、リコーダーを取り入れることを考えても良いかなと思いました。

 

来週5月15(水)に、分科会で協議することになります。

その時に、この「茶色の小びん」を、分科会の先生方と一緒に合奏してみることを提案しています。

その中で、リコーダーも一緒に練習してみたいです。

というような事情で、今日、「茶色の小びん」をリコーダーで練習することにしました。

 

この曲は、グレンミラーがジャズにアレンジした演奏が有名です。

YouTube で聴いてみると、まず、スウィングのリズムに乗ってベース音が響きます。

その後の主旋律も、やはり、このスウィングのリズムが基本です。

「ミーッソ―ッソソーー|ファーッラーッララーー」~~ですね。

 

ところが、教科書の楽譜では、このスウィングではなく、普通に八分音符と四分音符のシンコペーションで書かれています。

「ミソーソソー×|ファラーララー×」という感じです。最初の[ミ]の次に[ーッ]が入ると入らないのでは、音楽の雰囲気がガラッと変わってしまいます。

 

そして、タンギングも、教科書では[トゥトゥートゥトゥーッ×~~]となると思います。

良く知られる旋律とは全く雰囲気が違ってしまうので、何とか少しでもジャズのスウィングに近づけて演奏したいと思いました。

そのためには、この主旋律を演奏する時の「アーティキュレーション」を工夫する必要があります。

 

そこで、4年生のリコーダー学習の重要な要素に気が付きました。

4年生では、旋律の特徴を生かすために、この「アーティキュレーション」を少しずつ学んでいくのだと。

 

3年生では、導入期なので、リコーダーの特性を生かした「ポルタート奏法」で指導します。

タンギングは、柔らかい[ナーナーナー]が良いと思います。

 

そして、4年生では、まず「スタッカート奏法」を学びます。

スタッカートの教科書教材は「陽気な船長」です。

この時のタンギングは、教科書では[トゥットゥッ~~]と、舌で音を短く切るように書いてあります。

しかし、もう一つの[ノ(アッ)ノ(アッ)~~]と、口を開ける奏法も教えておきたいです。

 

次に指導するのは「レガート奏法」になります。

教科書教材は「オーラリー」ですが、教科書の楽譜には、レガートの記号は書かれていません。

レガートでは、いくつか続く音符をタンギングなしで繋げる演奏法になります。

タンギングは、[ターイーアーイー]というように、舌を使わずに母音の変化だけで演奏します。

 

もう一つ、「スラー」の奏法も指導しておきたいです。

つまり、短いレガートで、二つの音をタンギングなしで繋げる奏法です。

これは、例えば歌唱曲「とんび」等で指導することが出来ます。

「とーべとーべー」の歌詞の部分を[ノーネノオネエ]と、音が変わっても母音を伸ばすように演奏します。

 

さて、その上での「茶色の小びん」です。

この曲でスウィングの感じを表現するためには、リコーダーでは難しい「マルカート」で演奏したいです。

基本的なタンギングの母音を、それまでの[ナナナ~~]から、もう少し固い[タタタ~~]に変えた方が良いでしょう。

最初の二つは、スラーで繋げてパッと切りたいです。

すると、出だしのタンギングは、[ターイッティリー~~]が良いかと思います。

 

続く四分音符の連続は、マルカートで[タンティンタンティン]とはずむ感じにします。

この時、ノンレガートで、さらに口を少し開けると、表現が軽くなります。

なんて風に、アーティキュレーションとタンギングを考えてみました。

最初のフレーズは、こんなタンギングになりました。

[ターイッティリー|ターイッティリータ|アンティンタンティン|ターイッティー(アッ)]

 

日頃[トゥートゥー]でご指導されている先生方には、こんなタンギングは理解していただけないかと思います。

でも、原曲のスウィングの雰囲気を表現するためには、必要な演奏法だと思います。

児童たちにこんなタンギングで指導するかは分かりませんが、先生方には「こんな表現方法もある」ことを体験して欲しいと思います。

 

今後も、さらにリコーダーの多様な表現方法とタンギングの工夫を考えていきたいと思います。

また、ご紹介させていただきます。