今日は、土曜日なので、昼から笹塚の合唱団の練習に行きました。

新横浜の自宅から、自転車で約1時間30分掛かります。

 

今年の夏は、猛暑の日が多く、たくさん汗をかきました。

7月末頃に、一度、電車で行ったことがありますが、冷房が効いていて座れたので、とても楽でした。

それでも、また、翌週からは、自転車で行きました。

 

合唱団のメンバーにも、「今日も自転車ですか?」と訊かれることがあります。

この猛暑の中、1時間30分間も自転車で走るなんて、普通じゃないですよね。

それでも、この習慣だけは、なかなか止められないのです。

 

その大きな理由が、「自転車で走りながら歌う」ことです。

私は、ずい分前から、自転車で歌うようになりました。

最初は、ほんの鼻歌のつもりで、大好きなオペラアリアの一部とかを歌いました。

もちろん、大きな声では歌いません。

 

実は、自宅にはピアノはありますが、いつもヘッドフォンを付けて[消音]で弾いています。

近隣の住宅事情もあって、歌の練習は、ほとんど出来ません。

それで、この自転車で歌うことは、私が歌う練習の、ほぼ全部になっています。

 

私は、声質がテノールと言われているのですが、高音がなかなか上手く出せず、今でも苦労しています。

それで、学生の頃、どうしてもテノールのアリアを歌いたくて、高音を裏声で歌う練習をしました。

自転車では、その裏声を中心に、「小さい声」で歌うようにしていました。

 

その練習が良かったのか、やがて、レッスンやオペラの練習でも、広い場所で高音が出せるようになって来ました。

そして、オペラ全曲公演にテノールソリストとして出演することが出来ました。

こんな風に、一応テノールとして本番の舞台に立てたのは、何よりも、この自転車での練習の成果だと思っています。

 

その後、喉の調子を悪くしてしまい、オペラの練習を止めることになりました。

そんな時に始めたのが、オリジナル曲の作詞作曲です。

それから、ピアノ弾き語りでライブ出演するようになりました。

その作曲をするのも、オリジナル曲の練習をするのも、やはり、自転車でした。

 

ライヴでは、マイクを使って歌うので、オペラとは歌い方を変えなけれななりません。

それで、今まで以上に「小さい声」で歌う練習をしました。

この歌い方に慣れるまでは、かなり時間が掛かりました。

小さい声を響かせるのは、とても難しいです。

 

それからしばらくして、また、オペラに挑戦することになり、アンサンブルのレッスンを再開しました。

そのアンサンブル曲を歌う練習も、もちろん、自転車です。

 

自転車で歌う時は、楽譜を見ることが出来ません。

それで、まずは楽譜を読んで暗譜してから歌う練習を始めます。

まだ歌詞を覚えていない時には、適当なイタリア語風な歌詞を即興で付けながら歌います。

また、最初の発声練習でも、イタリアの歌風の旋律を即興で歌ったりしています。

 

自分では、自転車で「小さい声」で歌っているつもりでも、周りの人たちには結構聞こえているようです。

一応、前方に人がいる時には、なるべく歌わないようにしています。

でも、後ろや横の方は、あまり気にしていないので、かなり良く聞こえると思います。

 

以前に、後の上の方から「うるさ~い!」と怒鳴られたことがあります。

また、川の土手を走っている時とかに、向こう岸の人が「あ~~~~あ」とか、大きな声で私の真似をして笑っていることもあります。

そんな時には、「結構恥ずかしいことをやっているんだな」と、思ってしまいます。

でも、1分後には、また、歌い始めます。

 

明日も、自転車で気持ち良く歌います。

もし、そんな恥ずかしい人を見かけたら、決して怒ったりせず、温かい気持ちで見守ってあげてください。

なるべく「小さな声」で歌うようにしますから、こんな迷惑行為を、どうかお許しください。