夢.16 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 何気なくテレビ点けると二人の女性が無重力空間を揺蕩いながらダーツを競っている。しかし無重力空間でダーツを投げても上手く的に当たるはずもない。二人とも「こんなバカな……」と言いたげ。不満を露骨に顔に表している。女性の一人は宇多田ヒカル。もう一人もどこかで見たことのある顔。よく見れば彼女は高校時代の同級生の深谷綾子だ。小柄ながらも均整の取れたスタイルと愛嬌のある可愛らしい顔立ちで男子生徒らから当時人気のあった娘だ。実況アナウンサーと解説者のやり取りから察するに、今テレビ中継されているそれは世界ダーツ選手権。日本人二人が勝ち上がり現在決勝戦を行っている最中みたいだ。
 それにしてもダーツがなぜ無重力状態で競技されているのか?
 それはダーツ協会会長の「たまには趣向を凝らしてみよう!」のひと言で会場がこうなったらしい。
 馬鹿じゃなかろか。
 それはともかく宇多田ヒカルが世界トップレベルでダーツも上手いとは今回初めて知った。多方面でのその活躍ぶりが妬ましい。
 対する綾子は……
 あれから悠に三十年以上の歳月が流れているのに、なぜ彼女は今だ高校生当時のままの風貌なのだろう。三十年以上前の映像を見ているのかと一瞬思ったが、しかし宇多田は今現在の風貌なので又それも違う。
 何れにせよ無重力を揺蕩う綾子は天使のよう。とてもキュート。あの頃の甘酸っぱい気持ちが蘇る。

2024年 3月 13日 記録