遠く果てなく続くと思った道。
本当は駆け抜ける術を手に入れたかったが、
無能無才の若さは鈍重な歩みに潰えた。
今は含羞と共に振り返る身の程知らずな願い。
それでも倦まず弛まず歩めば
いつか辿り着く栄光を願い亀の歩み維持した。
あまた煙草を吸い殻に変えて歩いた。
あるいは歩いたつもりで実際は
いたずらに紫煙にまみれただけだったのか?
今は既にヤニの呪縛から解かれて久しく、
より明確となったのは四方を囲む呪縛の壁。
道の先に栄光のゴール切に願えど
歩めど歩めど本当は歩めていなかった。
壁に道を夢見て煙草に火を点すばかりだった。