君と遊ぼう。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 薫風を顔に受けて
 一人の老婆が歩いてゆく。
 杖をつき足取りも覚束なく
 五月晴れの空の下ゆく。

 素晴らしい季節は
 残念すぐ過ぎ去るだろう。
 それでも思い出は刻まれる。
 老婆の皺が案外やさしい。

 鮮やかな新緑が明るくさんざめく
 素晴らしき今日の日を、
 戸外で立ち仕事をしている。
 刻むもの何一つなく立ち空ける。

 すぐ終わりを迎える狂おしい日を
 どこにもゆけず立ち尽くす。
 いいさ半分もう夢想に浸って
 思い出の君と今ここで遊ぼう。