望月のわが夢想。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 若い身空で功成り名を馳せて、
 想像の範囲も超えた豪邸に住みたかった。
 聖母のように美しく会話も弾む妻と
 出来が良く見目も麗しい子供たちに囲まれて。

 子供は三人もちろん皆しっかり教育積ませ、
 長男は弁護士資格も持つ世界的文豪に。 
 更に長女は繊細なタッチで魅了する画家に。
 次女はショパンの演奏が得意なピアニストに。

 あっちの感度も良好の妻に何ら不足もないが、
 蜜も薫る僕は若い愛人を外に二人は囲おう。
 一人は巨乳が売りの可愛いグラビアアイドル。
 もう一人は知的美人を己の甲斐性で囲おう。

 あぁ夢見る頃とうに過ぎても風は冷たく、
 尚うらぶれっぱなしなら夢見るしか術もない。
 われに返れば貧しさに死にたくなるから、
 取り止めなき稚拙な夢想が今宵も際限もない。

 この部屋は何て豊かで温かいのだろう。
 鏡に映す己は何て生き生き輝くのだろう。
 清潔なシーツふかふかのベットに身を投げて、
 望月の幸せを慈しむ憐れ涙を滲ませながら。