育むシャドー。 色もなく形も成せず 行き場もないシャドーが 路傍の石につきまとう。 自己形成を放棄して 憐れ生き場もない身には あるいは飼うに相応しいシャドー。 ここは一体どこなの? 呻きの狭間に問うシャドー。 どこでもないさ只の袋小路さ。 当てもないなら留まるもいいさ。 確かにここは笑えやしないが 慣れてしまえば無表情も気楽さ。 忌み嫌われて流離い続けたシャドー。 辿り着いたのが同類相憐れむ心で良ければ、 わが影と同化するまで君を密かに育もう。