今日から三月。春待つ思案の楽しさや。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 桑名駅までは自宅からおよそ一時間二十分。往復まぁ余裕を持って三時間の目安を付けておこうか。これなら現地で滞在出来る時間は少し短くなるけれど、しかし春のサイクリングを道中楽しむ、その延長に目的地を当てれば、夜勤明けを利用した散策候補地として、これも十分ありだ。
 それなら桑名駅の手前、なばなの里は……
 一時間十分。さほど時間的に差はないが、まず手始めにこちらを訪れるのも悪くはない。なばなの里はウインター・イルミネーションも有名だけれど、あれは一人で訪れるのは流石に切ない。荒涼としたその美しさに逆に一人ぼっちの希死念慮が募りそうだ。そもそも若い恋人たちがあまた寄り添い歩くなか、五十路過ぎのおじさんが一人で彷徨き歩く姿はあまりに変質者めかないか? いやいや。それは流石に自虐が過ぎるか。しかし居心地あまり良さそうではないのは確かだ。やはり一人散策にウインター・イルミネーションのチョイスは抵抗を覚える。だが春の昼間に花と戯れに行く分には一人でも全然問題はないだろう。寧ろ積極的に一人散策の候補地だ。
 という次第で更にインターネットで情報を入手すれば……
 いや、待て待て。入園料が二千五百円?
 なばなの里って、入園料二千五百円もしたっけ? あの規模で二千五百円って少し高くないか?
 一瞬そう思った。しかしその内の千円分は園内の金券として使えるらしい。それなら、それほどでもないか。今は映画を一本観るにも二千円掛かる御時世。そう思えば二千五百円、その内の千円が金券で半日を過ごせるのなら、まぁ偶の春散策、そこは奮発しても悪くはない。何と言っても交通費は一切掛からないのだから。
 だけど純粋に花見を楽しむのなら、お金の掛からない他に良い場所が幾らでもありそうだ。
 そういえば津島の天王川公園。あそこはどうだろう?
 なばなの里は以前ウインター・イルミネーションを連れと観に行っている。しかし天王川公園は一度もまだ訪れていない。距離的にも悪くはないんじゃないの?……と調べてみれば自宅から自転車で凡そ五十分。かなり手ごろな距離感なのは確かだ。
 取り敢えず天王川公園も花見の候補地として心に留めておこう。
 後は隣町の清洲城。こちらに関しても何れ訪れようとは思っていたものの、しかし近場過ぎて、いつでも行けるという思いが先行。かつイメージが俗っぽ過ぎて、今ひとつ気乗りせぬまま一度もまだ訪れていない。自転車を買い替えた今年の春が丁度良いタイミングかもしれない。
 ちなみに清洲城は自転車で三十分の距離だ。途中スーパー銭湯もある。帰路に寄り、春爛漫の露天風呂に浸かるも悪くはないかなぁ……。
 という塩梅。スマートフォンの地図アプリを利用して、ここ最近、自宅から自転車で向かえる場所をあちこち調べている。十三年ぶりに自転車を買い替えたのだから、今年の春散策は大いに新車を活用しよう……と。
 今日から三月。そろそろ春の計画あれこれ練っても鬼も嗤わないだろう。
 何れにせよ春待つ思案は楽しきものなり。
 というか既に三寒四温で春先にまで来ているのか。
 春が来た。
 春が来た。
 どこに来た。
 心に来た。思念に来た。
 どこに行こうか……。