堀内公園で感じた春。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 夜勤明けを利用した春の散策第一弾。
 今回向かった先は安城市。
 安城市歴史博物館で特別展『家康と一向一揆』を観て、そのあと一揆の拠点となった本證寺へ向かうコース。予定通り順調に巡れて良かったが、もう一点、思わぬところにあった公園もよかった。
 博物館から本證寺へ歩いて向かう途中にあった公園。これが大きな池があり、観覧車やメリーゴーランドもあり、ローラーすべり台やターザンロープなどの子供の遊具もそこそこ充実していて、小さな子供を連れて家族で遊びに来るにはもってこい。実際その日も陽気に誘われたか、平日の割に親子連れで賑わっていた。池にはつがいの鴨や白鷺などが憩っていて、冬眠から起き出したばかりの風情の亀が岩場に所狭しと甲羅干しもしていた。のどかなそういう眺めを無為に眺めているだけでも心和む。「亀だ亀だ!」と無邪気に騒ぐ子供たちに、「亀ってカッコいいよね」と思わず話しかけたくなってしまった。お母さんたちに警戒されるとヤバいので止したが。
 我が子に慈愛の眼差しを向ける若いお母さんたちも素敵だった。特に一人、やたらファッションセンスもスタイルもよいお母さんが混じっていて、その子供に羨ましさも覚えた。こんな華やかな母を持つ幼子として、人生もう一度やり直せたなら……又しても、そんな栓なき夢想に耽ったりしてね。
 本證寺へ向かう途次に見つけたコンビニで、どこか公園を見つけたらそこで食べようと買っておいたサンドイッチ。もちろんこの公園の休憩コーナーを利用して食べさせてもらった。販売コーナーにアイスクリームの自販機があったので、食後のデザートにそれも購入。ミントのアイスクリーム。歩き疲れていた身に清涼な甘味が広がり、生き返ったような心地がした。目の前を春を告げる二匹の蝶が戯れ舞いながら、僕の復活を祝福してくれた。
 博物館から本證寺まで一時間以上の道のり。その半ば辺りにこの公園の存在は有り難かった。歩くこと自体さほど苦にならないが、些か道のりが単調。景色もありきたりの郊外の国道沿いのそれで、この公園がワンポイント・アクセントとして存在してくれていなかったら、あるいは歩くのに少し惓んでいたかもしれない。ここで昼食を兼ねた休憩が取れて、春の心地よさも堪能できたので、本證寺までの些か長いはずの道中が、あまり長く感じられなかった。そんな気がする。
 休憩コーナーで昼食を取りながら、この公園が如何なるものかインターネットで調べてみた。
 堀内公園。Wikipediaによると市政40周年の記念事業として1992年に開園したと書かれている。既に地元民なら誰もが知る馴染みの公園なのだろう。それに合わせたかどうか定かではないが、歴史博物館の開館翌年の開園だ。その数年後にデンパークも開園しているので、安城市は近場の散策スポットとして九十年代に一気に魅力を増した印象を受ける。この堀内公園も、わざわざここだけを目的に来るには物足りないが、博物館の特別展とかデンパークを訪れたついでとか、少しだけ足を向けるにはもってこいの場所だ。いずれ安城市は又訪れる機会がある気がする。その時は是非、この公園にも足を向けたい。
 この日の散策で一番春を感じらたのが、あるいはこの堀内公園だったかもしれない。