魔法が解ければゴブリンだった。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 少しでも自分を良く見せたいと
 身の丈を遥かに超えた背伸びをする。
 才気走った奴に見られたいんだ。
 あいつは一味違うと思われたいんだ。

 弱い自分を守るために
 必要以上に攻撃的になる。
 横柄な態度で毒を吐く。
 心ない言動で踏み躙る他者の心。

 張り詰めた心で自己幻想に酔い痴れていた
 恥知らずな若き日よ!
 謝りたい過去を束ねて記憶にぶら下げ、
 今は忸怩たる思いで罰を生きている。
 
 容赦ない社会に打ちのめされた挙句、
 己を泉に映せばゴブリンだった。
 魔法が解けて見えた真実に身悶えつ、
 含羞と共にそれでも懺悔を生きている。