劇場版『コンフィデンスマンJP(プリンセス編)』 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 劇場版の第2作目。前作に引き続き女たらしの詐欺師ジェシー役で三浦春馬くんが登場。正直これは意外だった。1作目はまだしも2作目のこの時点でも、まだ存命だったのか……と。
 相変わらず惚れ惚れするその格好良さ。そして爽やかさ。真っ赤なスーツをこれだけ粋に着こなせるのは春馬くん以外では、せいぜい全盛期の田原のトシちゃんくらいだろう。華やかなオーラが半端ない。長澤まさみとのクールかつコミカルなダンスがここまで引き立つのも春馬くんならばこそ。このシーン、あまりに狂おしくて、何度も巻き戻して繰り返し見てしまった。いけ好かないスケコマシ演じても、どこか憎めない愛嬌が先立つ。時に不様で格好悪い醜態を晒す役どころでも、基本的な格好よさは崩れない。神に選ばれた申し子のような圧倒的スター性。その笑顔の眩しさには、何度見ても胸がキュンとしてしまう。
 それなのに、なぜ、なぜ、なぜ?……
 今だにその死には疑問符ばかり浮かんでしまう。あまりこれは触れるべきではないのかもしれないが、熱心なファンが、今だに他殺を信じているその気持ち、馬鹿になど到底できない。俄かには信じ難いその気持ちは、僕にも十分共感できるからだ。
 今回フウ一族の忠実な執事役で柴田恭兵が出演しているけど、その姿に、もしも春馬くんが順調にキャリアを重ねて、ちゃんと老いを迎えていたならば、今の柴田恭兵のような雰囲気を醸し出していたかもしれないな……と、そんなことをふと思った。疲労感を滲ませて寂しげに笑う柴田恭兵の姿に特にそれを思った。
 若い華やかさを失う代わりに燻し銀のダンディズムを醸し出すようになった、三浦春馬くんの中年以降も見てみたかった。若い頃はチャキチャキしていた柴田恭兵の今の姿に重ねる形で、しみじみそう思う。本当に残念で残念で仕方がない。
 春馬くんの姿を見られただけで僕にとって十分満足の本作。内容自体も悪くない。良い意味でコンフィディンスマンJ Pのイメージ通り。その世界を初体験した前作ほどの新鮮さは得られなかったが、相変わらず脚本が練りに練られていて、十分これ楽しめた。既に第3作も公開されているみたいだが、主要登場人物にも親しみが湧くし、人気シリーズとして、あと何作かは続編が期待できそうだ。奇しくも竹内結子もダー子の師匠的存在で出演している本作。今後の続編で、願わくはジェシーを、ついでに竹内結子が演じるスタアも、代役を立てるでなく、舞台に登場させない形で存在をアピールしてほしい。せめて物語のなかで、この二人を生かしてほしい。切にそう思う。それくらい造作なく出来そうな才気溢れる脚本家だけに、粋なそういう計らいを望みたい。本シリーズを呪われたものでなく、二人を明日へ導く祝祭に変えるその為にも。